新品転売に古物商許可は必要?新品・未開封でも確認すべき判断ポイント

「新品しか転売していないなら、古物商許可はいらないのでは?」

新品転売や新品せどりを始めると、ここで迷う方もいるでしょう。

結論からいうと、「新品」「未使用」「未開封」という商品の状態だけでは、古物商許可が必要かどうかは判断できません。

確認するときは、大きく次の2段階に分けると整理しやすくなります。

  1. 仕入れた商品が、古物営業法上の「古物」に当たるか
  2. その古物を仕入れて販売する行為が「古物営業」に当たるか

つまり、「新品か中古か」という見た目だけでなく、その商品がどのような取引を経てきたのか、自分がその商品をどのように仕入れて販売しているのかまで確認することが重要です。

この記事のポイント

  • 新品・未使用・未開封でも、法律上の「古物」に当たる場合がある
  • 「古物に当たる」ことと「古物商許可が必要」は同じではない
  • 店舗、EC、フリマなど購入場所の名前だけでは判断できない
  • 商品の流通経路と、自分が古物を買い受けているかを確認する
  • 営利目的・反復継続して古物を売買しているかを確認する
  • 自分で判断しにくい場合は、取引内容を整理して警察の古物営業窓口へ確認する

新品転売で古物商許可が必要かは「古物か」「古物営業か」で判断する

新品転売で混乱しやすい原因の一つは、二つの問題を一緒に考えてしまうことです。

まず商品について、

「この商品は法律上の古物なのか」

を確認します。

その次に、

「自分はその古物を仕入れ、古物営業に当たる売買をしているのか」

を確認します。

この順番が重要です。

「新品だから不要」「フリマだから必要」といった一つの言葉だけで決めるのではなく、商品側と自分の取引側を分けて考えると、自分のケースを整理しやすくなります。


新品・未開封でも法律上の「古物」に当たる場合がある

一般的な感覚では、「古物」というと中古品や使用済みの商品を思い浮かべるかもしれません。

しかし、古物営業法上の古物には、使用済みの物だけでなく、**「使用されない物品で使用のために取引されたもの」**も含まれます。

警察庁の2026年5月14日付け「古物営業法等の解釈運用基準」では、「使用のために取引されたもの」とは、自分で使用する、または他人に使用させる目的で購入等されたものとされています。

さらに、小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、まだ使用されていなくても「古物」に該当すると明示されています。

警察庁「古物営業法等の解釈運用基準について(通達)」を確認する

そのため、

  • 箱を開けていない
  • 一度も使用していない
  • タグが付いたまま
  • 出品画面に「新品未使用」と表示されている

という事情だけで、「古物ではない」とは判断できません。

商品の見た目より、どのような取引を経たかを見る

新品転売でまず確認したいのは、商品の外見より取引の経緯です。

たとえば、

  • 誰から仕入れた商品なのか
  • 一般消費者の手に渡ったことがあるのか
  • その前の取引は使用目的だったのか
  • 販売目的の流通の中にあった商品なのか

といった点を整理します。

「未開封だから新品」=「古物営業法上も古物ではない」ではありません。

小野馨の一言

新品転売で迷ったときは、「新品か中古か」だけで考えるより、商品が誰から誰へ、どのような目的で渡ってきたのかを整理すると、自分が確認すべきポイントを見つけやすくなります。


販売目的で流通している未使用品まで同じように扱うわけではない

一方で、未使用の商品ならすべて古物になるわけでもありません。

国家公安委員会が2021年に示した新事業活動への個別回答では、販売目的で仕入れられ、一度も一般消費者の手に渡っていないという前提の商品について、古物営業法上の古物に当たらないと判断された事例があります。

国家公安委員会の新事業活動に対する公式回答を確認する

ここで大切なのは、「新品」という表示そのものではありません。

一般消費者の使用目的の取引を経たのか、それとも販売目的の流通の中にある商品なのか

という違いです。

ただし、この公式回答は特定の事業スキームと前提条件に対するものです。

そのため、

  • メーカー仕入れなら必ず古物ではない
  • 卸からなら必ず古物ではない
  • 事業者間取引ならすべて古物ではない

と一律に一般化することはできません。

実際の流通経路を整理する際の判断材料として考えましょう。


仕入れ先別|新品転売でまず確認するポイント

新品転売では、仕入先の名前だけで許可の必要・不要を決めるのではなく、その仕入れについて何を確認すべきかを考えます。

仕入れの状況主に確認するポイント
メーカー・卸など一般消費者の使用目的の取引を経ていないか
小売店・ECサイト購入場所だけでなく、商品の流通経路・取引の目的を確認する
一般個人から購入すでに一般消費者の手に渡り、使用目的で取引された未使用品ではないか
フリマ・ネットオークション「新品未使用」という表示だけでなく、実際の取得・流通経緯を確認する

この表は、古物商許可の要否を自動的に判定するものではありません。

「どこから買ったか」を入口に、「仕入れ時点でその商品がどのような状態の古物なのか」まで確認するための整理表です。

店舗やECサイトで新品を仕入れている場合

「家電量販店で買ったから大丈夫」「ECサイトの商品だから古物ではない」と、購入場所だけで一律に判断することは避けましょう。

今回確認した公的資料では、「店舗」「ECサイト」という販売チャネルの名称だけで全国一律の結論を決める基準は示されていません。

商品がどのような流通経路・取引を経てきたのかを見る必要があります。

個人やフリマから「新品未使用品」を仕入れている場合

特に確認したいのが、一般個人から未使用品を仕入れるケースです。

一般消費者が自分で使用する、または他人に使用させる目的で取得した商品であれば、実際には一度も使用されていなくても古物に該当する場合があります。

したがって、

「新品未使用と書いてあるから古物ではない」

とは判断できません。

メルカリでの不用品販売と転売目的の仕入れの違いをさらに確認したい場合は、次の記事も参考になります。

「メルカリで古物商許可は必要?」を確認する


商品が古物でも、それだけで古物商許可が必要とは限らない

ここが新品転売で特に重要なポイントです。

商品が古物営業法上の「古物」に当たったとしても、

古物である
=
その商品を売るすべての人に古物商許可が必要

ということではありません。

古物営業法上の「古物営業」は、古物の売買や交換などを行う営業ですが、古物を売却することのみを行う営業などは対象から除かれています。

警察庁の現行解釈運用基準でも、この区別が示されています。

そのため、新品転売では次の順番で考えます。

① 仕入れた商品が古物か
↓
② 自分はその古物を買い受けているか
↓
③ その売買を「営業」として行っているか

単に「売ったことがある」というだけで判断しないことが重要です。

せどり全般について、自己使用品の売却と仕入れ転売の違いを整理したい場合はこちらも参考になります。

「せどりに古物商許可は必要?」を確認する


自分の不用品を売ることと、古物を仕入れて転売することは違う

自分で使うために購入した商品が不要になり、あとから売るケースと、古物を仕入れて販売するケースは分けて考える必要があります。

たとえば、

  • 自分用に購入したが不要になった未開封品を売る
  • 販売するために古物を買い受け、それを繰り返し販売する

という二つでは、取引の意味が異なります。

新品転売について古物商許可を考えるときは、「商品を販売した」という一点だけではなく、仕入れから販売までの一連の取引を見ましょう。


「営業」に当たるかは取引回数や利益額だけでは決まらない

警察庁の現行解釈運用基準では、「営業」は一般に、営利の目的をもって同種類の行為を反復継続して行うこととされています。

また、この判断は、実際の行為の状況に即して客観的に行うとされています。

一つひとつの取引で現実に利益が出ている必要はなく、一連の行為を全体として見て利益を上げ得るものであれば営利目的を認め得ることや、副業・内職でも「営業」に当たり得ることも示されています。

そのため、

  • 副業だから許可は関係ない
  • 個人だから営業ではない
  • 利益が少ないから大丈夫
  • 数回しか取引していないから必ず不要

とは一律に判断できません。

公的資料には、

「月○件以上なら古物営業」
「利益○円以上なら許可が必要」

といった全国一律の数字も示されていません。

営利目的・反復継続性と、古物を買い受けているかという取引実態を合わせて確認することが重要です。


新品転売で古物商許可を確認する5ステップ

自分の転売へ当てはめるときは、次の順番で整理すると判断しやすくなります。

1.誰から仕入れているか整理する

まず仕入先を確認します。

  • メーカー
  • 卸
  • 小売店
  • ECサイト
  • 一般個人
  • フリマ・ネットオークション

などです。

ここではまだ「許可が必要・不要」と決めません。

2.商品がどのような取引を経てきたか確認する

次に、

  • 一般消費者の手に渡った商品か
  • 使用目的で取引された商品か
  • 販売目的の流通の中にある商品か

を整理します。

ここで、仕入れた商品が古物に該当するかを考えます。

3.自分が仕入れ時点で「古物を買い受けているか」を確認する

商品が古物に当たる場合は、次に自分がその古物を買い受けているのかを確認します。

新品転売では、この点が重要です。

自分が持っている物を売却しているだけなのか、それとも他人から古物を買い受けて販売しているのかで、古物営業への当てはめが変わります。

4.営利目的で反復継続して行っているか確認する

古物の仕入れ・販売について、

  • 利益を得る目的があるか
  • 同種の取引を反復継続して行っているか

など、自分の取引実態を整理します。

副業か本業かという名称だけでは決まりません。

5.判断できない部分だけ警察へ確認する

ここまで整理しても自分のケースを判断しにくい場合は、推測で結論を出さず、都道府県警の古物営業窓口へ確認しましょう。

確認前には、

  • 何を仕入れているか
  • 誰から仕入れているか
  • 商品がどのような取引を経てきたか
  • 自分がどのような目的で仕入れているか
  • どのような方法・頻度で販売しているか

を整理しておくと、具体的に相談しやすくなります。

自分の地域の都道府県警察を探す(警察庁)


よくある質問

新品未開封なら古物商許可は不要ですか?

新品未開封という状態だけでは判断できません。

一度も使用されていない商品でも、「使用のために取引されたもの」は古物に含まれます。一般消費者の手に渡った未使用品も古物に該当し得ます。

まず商品の取引経緯を確認し、その後に自分が古物を買い受けて営業として売買しているのかを確認します。

メルカリの「新品未使用」を仕入れる場合はどうですか?

「新品未使用」という表示だけでは判断できません。

一般消費者が使用目的で取得した後の未使用品であれば、古物に該当する可能性があります。

その商品を転売目的で買い受け、営業として売買している場合は、古物商許可との関係を確認する必要があります。

家電量販店やネットショップの新品転売なら許可不要ですか?

「家電量販店」「ネットショップ」という購入場所の名前だけで一律に判断することは避けましょう。

商品がどのような目的・流通経路で取引されてきたのかを整理して判断します。

1回だけ転売したら古物商許可が必要ですか?

公的資料には、「○回以上なら営業」といった一律の回数基準は示されていません。

古物営業法上の「営業」は、営利目的や反復継続性など、実際の取引状況から判断されます。

自分用に買った未開封品を売る場合も許可が必要ですか?

自分で使用するために購入した商品が不要になって売る場合と、古物を仕入れて販売する営業を行う場合は分けて考えます。

「未開封の商品を売った」という事実だけで、直ちに古物商許可が必要と決まるわけではありません。


古物商許可が必要だと分かったら、次は申請準備へ進む

自分の取引を整理した結果、古物商許可が必要となる場合は、次に許可申請の準備へ進みます。

申請の流れから確認したい方は、

古物商許可の取り方・申請の流れを確認する

必要書類から準備したい方は、

古物商許可の必要書類を個人・法人別に確認する

をご覧ください。

新品転売の記事で申請手続まで抱え込まず、「許可が必要かを判断する記事」から「実際に許可を取る記事」へ進む導線としています。


新品転売で迷ったら「商品」と「自分の仕入れ」を分けて確認する

新品転売と古物商許可については、

「新品だから許可はいらない」

と一言で判断しないことが大切です。

確認する順番は、

商品が法律上の古物に当たるか
↓
自分がその古物を買い受けているか
↓
営利目的で反復継続して売買する古物営業に当たるか

です。

そのために、

  • 誰から仕入れたか
  • 商品がどのような取引を経てきたか
  • 一般消費者の手に渡った商品か
  • 自分は古物を買い受けているのか
  • どのように仕入れ・販売を続けているか

を整理しましょう。

この順番で考えれば、「新品」「未開封」「店舗仕入れ」「メルカリ」といった単語だけに振り回されず、自分の場合に何を確認すればよいかが見えやすくなります。

判断が難しい場合は、整理した取引内容をもとに管轄の警察へ確認する方法があります。

また、許可が必要だと分かったものの、申請書類の作成や警察署への申請準備を自分ですべて進めるのが難しい場合は、行政書士への依頼も選択肢です。

サクセスファン行政書士事務所では、古物商許可について書類作成や代理申請のサポートを案内しています。

古物商許可の申請サポート内容を確認する

自分で進める場合も、専門家へ依頼する場合も、まずは自分が何を、どこから、どのように仕入れているのかを整理するところから始めてください。

主な公的根拠

警察庁「古物営業法等の解釈運用基準について(通達)」

国家公安委員会「新事業活動に関する確認の求めに対する回答」