「中古品を販売したいけれど、古物商許可は必要?」
「メルカリやネットショップで中古品を扱う場合も関係する?」
「許可を取りたいけれど、まず何から始めればいい?」
「許可を取った後は、何を準備して古物商として開業すればいい?」

古物商許可について調べ始めた方が、最初に気になるのはこのあたりではないでしょうか。

まず押さえておきたいのは、中古品を売る人全員に古物商許可が必要なわけではないということです。

ココがポイント

自分で使用していた物や、自分で使用するために購入した未使用品を売却するだけなら、古物商許可が必要となる古物営業とは同じ扱いではありません。

一方、販売する目的で古物を買い取って売る営業を行う場合は、古物商許可が必要です。

また、「メルカリだから不要」
「ネット販売だから必要」というように、利用するサービス名だけで決まるものでもありません。

古物商許可が必要かは、扱う物、取得方法、取引の内容を合わせて確認します。

行政書士 小野

こんにちは。

行政書士歴20年、古物商許可の申請・開業支援を行ってきた小野馨(おの かおる)です。

このページは、古物商許可が必要かを見極め、申請の準備から取得後の営業へ進むための総合案内です。

今の自分に必要なところから読み、詳しい条件や手順は各節の専門記事で確かめてください。

古物商許可はこの順番で確認すると分かりやすい

古物商許可から営業まで。取引を確かめ、条件を整えて申請し、許可後の営業を準備する

初めての方は取引の確認から、すでに許可がある方は取得後のルールから読めます。資金や販売方法の検討など、申請準備と並行して進められることもあります。

古物商許可について最初に確認すること

まずは制度の基本と、自分が予定している取引に許可が必要かどうかを確認しましょう。

古物商許可とは

古物商許可とは、古物営業法の対象となる「古物営業」を行うために受ける許可です。

試験に合格して取得する資格というより、対象となる古物営業を行うための営業上の許可と考えると分かりやすいでしょう。

許可を行うのは都道府県公安委員会です。申請の管轄は、主たる営業所の所在地を基準に決まります。

また、地域によっては古物商許可の新規申請をオンラインで行える場合があります。窓口申請・オンライン申請の対応状況や利用方法は、管轄する都道府県警察の最新案内を確認してください。

古物営業の仕組みや、古物商と古物商許可の違いを詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

古物商許可、制度の基本、必要な取引と準備
古物商許可とは?必要な取引・申請準備・営業のルール

家にある不用品を売るだけなのか、それとも商品を仕入れて販売を始めるのか。 同じフリマアプリを使っていても、古物商許可が必要かどうかは、この違いで変わります。 古物商許可は、国内で中古品などを買い取って ...

続きを見る

法律上の「古物」の意味から確認したい方はこちらです。

→ 古物とは?古物営業法上の意味と中古品との違い

自分に古物商許可が必要か確認する

次に確認したいのは、「自分が予定している取引に古物商許可が必要なのか」です。

ここで、中古品を売る=必ず古物商許可が必要と覚えてしまうのは適切ではありません。

たとえば、自分で使っていた物を売る場合と、販売するために古物を仕入れて売る場合では、古物商許可との関係が異なります。

判断するときは、まず次の3点を整理してください。

  1. 何を扱うのか
  2. その商品をどのように取得するのか
  3. どのような取引を行うのか

代表的なケースを整理すると、次のようになります。

ケースまず確認したいこと
自分で使っていた物を売る自己使用品の売却なのか
販売するために古物を仕入れるどこから、どのように仕入れるのか
メルカリ・オークションを使うサービス名ではなく、商品の取得方法や取引内容
ネットだけで営業するネット営業であることだけを理由に判断しない

大切なのは、「どこで売るか」だけではなく、「何を、どのように取得し、どのような取引をするのか」を見ることです。

具体的なケースごとの考え方はこちらで確認してください。

不用品と仕入れ、古物商許可が必要・不要な取引の判断
【必見】古物商許可が必要な取引・不要な取引の境界線!メルカリ不用品は?行政書士が解説

「家の不用品をメルカリで売りたい」「中古品を仕入れて副業を始めたい」。同じアプリを使っていても、古物商許可が必要かどうかは変わります。 行政書士 小野先に大切なポイントをお伝えすると、メルカリを使って ...

続きを見る

すでに営業していて、無許可営業に当たらないか確認したい方はこちらです。

→ 古物商の無許可営業について確認する

古物商許可を取る前に整理することと申請の流れ

営業所の図面と申請書類を整理する古物商許可の準備イメージ

自分の取引に古物商許可が必要だと分かったら、いきなり住民票や申請書を集め始めるのではなく、先に、「誰が、どこで、どのような古物営業を行うのか」を整理しておくと、申請内容や必要書類を理解しやすくなります。

申請前に5つのことを整理する

申請前に確認したいのは、次の5つです。

1.個人と法人のどちらで取得するか

古物商許可は個人でも法人でも申請できますが、個人と法人は別の申請主体です。

個人で取得した許可を、そのまま法人の古物営業に使用することはできません。

これから法人化する予定がある場合は、誰が古物営業を行うのかを申請前に整理しておきましょう。

→ 古物商許可は個人・法人どちらで申請する?

2.欠格事由に該当しないか

古物営業法には、許可を受けることができない一定の欠格事由があります。

まずは、自分が許可を受けられる状態なのか確認する段階があると理解しておけば十分です。

法人の場合には、役員についても確認が必要になります。

→ 古物商許可の欠格事由を確認する

3.主たる営業所をどこにするか

古物商許可では、営業所の整理も重要です。

主たる営業所の所在地によって、申請の管轄が決まります。

自宅、賃貸マンション、事務所などを候補にしている場合は、どこを実際の営業拠点にするのかを先に整理しておきましょう。

賃貸物件で営業する場合には、警察への許可申請だけではなく、賃貸借契約や管理規約など、その物件をどのように利用できるのかも確認しておくことが大切です。

→ 古物商許可の営業所について詳しく確認する

4.管理者を誰にするか

古物商は、営業所ごとに管理者を置く必要があります。

個人で一人から始める場合でも、申請者と営業所の管理者という役割を分けて考えると、申請書や必要書類を理解しやすくなります。

法人や複数の営業所を設ける場合は、誰をどの営業所の管理者にするのかも整理しておきましょう。

5.どのような古物営業をするか

最後に、実際の営業内容を具体化します。

  • どのような商品を扱うのか
  • 古物の13区分のどれに当たるのか
  • 主として取り扱う古物は何か
  • 店舗販売かネット販売か
  • 買取を行うのか
  • どのような方法で営業するのか

古物は古物営業法施行規則上、13区分に分類されています。

→ 古物の13区分を詳しく確認する

申請前の要件をまとめて確認したい方はこちらです。

古物商許可の要件。営業所・管理者・欠格事由を確認する記事のアイキャッチ。
古物商許可の要件とは?営業所・管理者・欠格事由をわかりやすく解説

「古物商許可を取りたいけれど、何か資格が必要なのだろうか」「自宅を営業所にしてもよいのか」「管理者は誰にすればよいのか」。必要書類を調べる前に、このような疑問で迷っていませんか。 資格の勉強や書類集め ...

続きを見る

古物商許可の申請はどう進む?

申請条件が整理できたら、次の順で手続を進めます。

  1. 必要書類をそろえて申請書を作成する
  2. 主たる営業所を管轄する警察署の案内に従い申請する
  3. 審査中に確認や補正を求められたら対応する
  4. 許可を受け、表示・確認・記録の準備を整えて営業する

地域によっては、古物商許可の新規申請をオンラインで行える場合があります。

ただし、オンライン申請の対象であっても、原本の提出・提示、手数料の支払い、許可証の受取りなどで警察署への来署が必要になる場合があります。

利用できる申請方法や必要な対応は地域・手続によって異なるため、実際に申請する際は、管轄する都道府県警察の最新案内を確認してください。

→ 古物商許可のオンライン申請について確認する

窓口・オンラインのどちらを利用する場合でも、申請書の書き方だけを先に調べるのではなく、申請主体、営業所、管理者、取り扱う古物などを先に整理しておくことが大切です。

申請書類の提出準備を表す白いフォルダと封筒のイメージ(AI生成)。
古物商許可の取り方をわかりやすく解説|申請の流れ・必要書類・費用

「古物商許可を取りたいけれど、何から始めればいいのか分からない」 初めて申請する方にとって、必要書類や申請先、費用などを一つずつ調べていくのは大変です。 ただ、最初から書類を集め始める必要はありません ...

続きを見る

必要書類・費用は自分の申請内容に合わせて確認する

古物商許可の必要書類は、個人か法人か、誰が管理者になるのか、どのような営業をするのかなどによって異なります。

個人申請では、許可申請書のほか、次のような書類を準備します。

  • 略歴書
  • 住民票の写し
  • 誓約書
  • 身分証明書

法人の場合には、定款・登記事項証明書や役員に関する書類なども必要になります。

また、営業方法によってはURLの使用権限を確認するための資料が関係する場合もあります。

古物商許可の必要書類。個人・法人別に準備する書類を解説。書類と古物を配したイメージ。
古物商許可の必要書類一覧|個人・法人別に「誰の何を」そろえるか解説

古物商許可の書類をそろえるときは、個人なら「申請者本人と管理者」、法人なら「法人の書類と、役員全員・管理者の書類」を分けると、自分に必要なものが見えてきます。 同じ人が管理者を兼ねる場合、外国籍の人が ...

続きを見る

申請書の記入を進める個人申請の方は、古物商許可申請書の書き方と、迷いやすい欄の確認方法をご覧ください。

古物商の許可申請手数料は19,000円です。

このほか、住民票などの証明書を取得するための費用がかかります。内訳は古物商許可の費用で確認できます。

行政書士へ申請手続きを依頼する場合には、別途報酬が必要になります。

また、申請したその日に許可されるわけではありません。許可までにかかる期間と準備の進め方も確認しておきましょう。

標準処理期間や受付方法は地域の公式案内を確認し、開業予定日が決まっている場合は、申請先の都道府県警察・警察署が案内する期間から逆算して準備すると分かりやすいでしょう。


個人・法人、管理者、営業方法がまだ整理できず書類準備で止まっている方は、決まっていることをお知らせください。

必要資料の整理や申請書類の作成・提出、補正対応のうち、任せたい範囲を相談できます。

許可取得後に確認することと古物商としての開業

許可証を受け取れば、許可申請はいったん一区切りです。

しかし、古物商としての営業はそこから始まります。

許可取得後には、法律上守るルールとどのような古物ビジネスを始めるかの両方を考えていきます。

買取を始める前に、本人確認と記録を準備する

古物商には、営業所の管理者、標識の掲示、相手方確認、取引の記録、不正品の疑いがある場合の対応など、営業開始後も守るルールがあります。

買取を始める前に、相手を確かめることと、取引を記録することは別の義務として準備しましょう。本人確認には物品・金額・取引方法による条件や例外があり、すべての取引を同じ方法で扱うわけではありません。

本人確認と取引記録は別の義務。相手の確認と必要事項の記録・保存を区別し、対象条件をそれぞれ確認する

まず、自分の取引で必要な本人確認を確かめます。

古物商の本人確認
古物商の本人確認方法|何を確認する?対面・非対面の違いと判断手順

店頭で免許証を見ているけれど、それだけで足りるのか。宅配買取でも同じ方法を使ってよいのか。古物商の本人確認は、買取を始めるときにも、今の受付方法を見直すときにも迷いやすいところです。 まず確認するのは ...

続きを見る

宅配・ネットなど、相手と対面せずに買い受ける場合は、本人確認が必要な取引について法定の非対面確認方法を使います。非対面本人確認の方法で、自分の受付方法に合う方式を確認してください。

続いて、取引が記録対象かを判断し、必要事項の記入方法と保存方法を決めます。売却時にも記録が必要な取引があるため、買取と販売の両方について、次の記事で対象を確認してください。

古物台帳の書き方
古物台帳の書き方|記入例・1万円未満の例外・保存期間・Excel管理まで解説

古物台帳を用意したものの、「この買取は書く必要がある?」「特徴欄には何を書く?」「Excelでも大丈夫?」と手が止まることはありませんか。 古物台帳は、取引が記録対象かを確かめてから、商品・相手方・確 ...

続きを見る

許可証・標識・ネット販売で確認すること

許可取得後に混同しやすいのが、「古物商許可証」と「標識(いわゆる古物商プレート)」です。

許可証と、営業所等に掲示する標識は別のものです。

→ 古物商許可証について確認する

→ 古物商プレート(標識)のルールを確認する

また、メルカリ、インターネットオークション、ネットショップ、自社ECなど、インターネットを利用して古物を扱う場合も、「ネットだから古物営業法は関係ない」というわけではありません。

また、営業方法によってはURLに関する申請・届出や、URLの使用権限を示す資料が必要になる場合があります。

一方で、ネットを利用するすべてのケースで一律に同じURL手続が必要というわけではありません。

利用するサービス名だけではなく、どのサイトを使い、どのように仕入れ、どのような取引を行うのかを整理して確認しましょう。

古物商のネット販売。手続と準備
古物商のネット販売で確認すること|許可・URL届出・表示を順番に解説

中古品のネット販売を始めるときは、まず古物商許可が必要な取引かを確認します。許可が必要な営業では、販売ページのURLや許可情報の表示も確認しましょう。さらに、ネットを使って古物を仕入れる場合は、売ると ...

続きを見る

開業計画と営業の準備を進める

古物商許可を取得することは大切ですが、許可そのものが事業のゴールではありません。

申請準備と並行して、次のような事業計画も具体化しておきましょう。

  • 何を扱うのか
  • どこから仕入れるのか
  • 誰に販売するのか
  • 店舗かネットか
  • 買取を行うのか
  • 自分がどのくらいの資金・時間を使えるのか

商品が入ってから売上を受け取るまでを具体的に考えると、必要な設備や資金も見積もりやすくなります。

中古品ビジネスにも、店舗販売、ネット販売、買取、古物市場を利用した仕入れ、特定ジャンルに絞った販売など、さまざまな形があります。

開業までの全体の準備は古物商の開業と準備の流れで確認できます。扱う商品や売り方を迷っている方は、代表的なビジネスを比較してみてください。

→ 古物商ビジネス7選|初心者が自分に合う中古品ビジネスを選ぶ方法

そのうえで、古物市場を仕入れ先として活用したい方はこちらです。

→ 古物市場の仕組み・参加方法を確認する

住所・営業所・役員などを変えるときは、変更前に確認する

ココに注意

営業所の移転など、変更前の届出が必要な場合もあります。「変わってからまとめて届ける」とせず、変更を決めた段階で手続と期限を確認しましょう。


古物商の変更届。期限・書換えを確認する案内。
古物商の変更届・書換申請とは?必要なケース・期限・必要書類を解説

お店を移転する。会社の役員が交替する。ネットショップを新しく始める。 古物商許可を取った後のこうした変更には、変更届が必要になる場合があります。ただし、すべて「変わってから届ければよい」わけではありま ...

続きを見る

今の状況から、必要な記事へ進む

記事を読み終えたあとに、現在地をもう一度確認してみましょう。

今の状態次に確認する内容
古物商許可そのものが分からない古物商許可とは
法律上の古物を知りたい古物とは
自分に許可が必要か分からない古物商許可が必要な取引・不要な取引
許可を取れる状態か確認したい古物商許可の要件
実際に申請したい古物商許可の取り方
オンライン申請を確認したい古物商許可のオンライン申請
必要書類を確認したい古物商許可の必要書類
許可を取得した許可証・標識・URL届出
ネット販売を始めたい許可・URL届出・ネット表示の準備
買取・記録の準備をしたい本人確認・古物台帳
住所・役員・営業所などに変更がある変更届・書換申請
古物商として事業を始めたい古物商ビジネス7選

まだ決まっていない点があれば、上の表から該当する記事を選んでください。

制度情報を確認するときの公的な確認先

古物商許可について、法律や最新の制度情報を自分でも確認したい場合は、公的な情報も利用できます。

→ e-Gov法令検索「古物営業法」

→ 警察庁「古物営業・質屋営業について」

オンライン申請を利用する場合も、実際の対象手続・利用方法は管轄する都道府県警察の最新案内を確認してください。

また、実際の必要書類、受付方法、標準処理期間なども、主たる営業所を管轄する都道府県警察・警察署の最新案内を確認してください。

古物商許可の申請・開業で迷った方へ

ここまで整理できれば、そのまま自分で申請準備へ進むこともできます。

自分で進めたい方は、次の記事から申請手順と必要資料を確認できます。

→ 古物商許可の取り方・申請の流れを確認する

→ 古物商許可の必要書類を確認する

次のような点で迷っている場合は、個別の事情を整理して相談する方法もあります。

  • 自分の取引に許可が必要か判断しにくい
  • 個人・法人のどちらで申請するか迷っている
  • 営業所として使用する場所について整理したい
  • 管理者や法人役員について確認したい
  • ネット販売を含めて申請内容を整理したい
  • オンライン申請を使うか窓口申請にするか整理したい
  • 許可取得後の開業まで見据えて準備したい

当事務所では、近畿を中心に古物商許可の申請・開業をサポートしています。

相談前に、次の内容を分かる範囲でメモしておくと、ご自身の状況を伝えやすくなります。

  • 何を扱う予定か
  • どこから仕入れる予定か
  • どのように販売する予定か
  • 営業所をどこにする予定か
  • 個人・法人のどちらで始める予定か

自分で進められる部分は自分で進め、個別整理や申請準備に支援が必要な場合は相談するという考え方で構いません。

※古物営業法や申請手続、オンライン申請の対象、警察での取扱い等は、法改正や運用変更によって変わる場合があります。実際に申請する際は、申請時点の法令および管轄する都道府県警察・警察署等の最新案内を確認してください。

執筆者: successfun-kobutu