古物商許可の必要書類一覧|個人・法人別に「誰の何を」そろえるか解説

古物商許可を申請しようとして、「必要書類を調べたけれど、結局どれが自分に必要なのか分からない」と迷っていませんか。

古物商許可は、単に決まった書類を一式集めれば終わるわけではありません。

個人か法人か、誰を営業所の管理者にするか、法人では誰が役員に当たるか、営業所がいくつあるか、ウェブサイトを利用した取引を行うかなどによって、確認すべき書類が変わります。警視庁や大阪府警の現行案内でも、個人・法人、役員、管理者、ウェブサイト利用の有無によって必要書類が分けられています。

そのため、書類一覧を上から順番に集めるのではなく、

自分の申請条件を整理する
→ 誰の書類が必要か決める
→ 取得する書類と作成する書類を分ける
→ 申請書の必要な用紙を確認する
→ 管轄警察署の最新案内で最終確認する

という順番で進めると、手戻りを減らしやすくなります。

この記事では、書類名を紹介するだけでなく、「自分の場合、誰のどの書類を、何から準備すればよいか」まで判断して実際の申請準備へ進める状態を目指します。

この記事のポイント

1.個人と法人では必要書類が違います
法人の場合は、定款・登記事項証明書に加え、法人の役員についても人的書類を確認します。

2.申請者だけでなく管理者の書類も必要です
古物商は営業所ごとに管理者を1人選任するため、申請者・法人役員だけを見て準備すると不足する可能性があります。

3.許可申請書も「その1〜その4」の使い分けがあります
すべての用紙を全員が同じように使うわけではありません。法人役員の人数や営業所数などによって必要部分が変わります。

4.最後は主たる営業所を管轄する警察署で確認します
書類の発行時期、提出部数、提出者によって必要になる追加書類などは、実際の申請先の最新情報まで確認しましょう。

古物商許可の必要書類一覧

まず、一般的な新規許可申請で必要になる書類の全体像を確認しましょう。

必要書類個人申請法人申請誰について必要か・条件
許可申請書○○申請者
法人の定款―○法人
法人の登記事項証明書―○法人
略歴書○○個人申請者/法人役員/管理者
住民票の写し○○個人申請者/法人役員/管理者
誓約書○○個人申請者/法人役員/管理者
身分証明書○○日本国籍を有する対象者
URLの使用権限を疎明する資料条件により必要条件により必要ウェブサイト利用取引に該当する場合

警視庁の現行案内では、個人申請は本人と営業所の管理者、法人申請は法人の役員全員と営業所の管理者について、略歴書・住民票・誓約書・身分証明書等を確認する形になっています。大阪府警も基本的に同じ構成で案内しています。

ただし、この表にある書類を、全員が同じ部数ずつ準備するという意味ではありません。

最初に、

  • 個人申請か法人申請か
  • 法人なら誰が役員に当たるか
  • 誰を各営業所の管理者にするか
  • 営業所はいくつあるか
  • ウェブサイトを利用した取引を行うか

を整理することが重要です。

なお、未成年者など通常とは異なる条件では追加書類が必要になる場合があります。愛知県警も、未成年の申請者について法定代理人関係の書類が必要になる場合を案内しています。

許可申請書は「その1〜その4」のどれを使う?

「許可申請書」と一言で書かれていても、実際には古物営業法施行規則別記様式第1号の複数の用紙を使います。

大阪府警の現行案内では、次のように整理されています。

申請書主な役割使用の考え方
その1(ア)申請者の基本情報個人・法人とも使用
その1(イ)法人役員の継続記載法人で必要な場合
その2主たる営業所個人・法人とも使用
その3その他の営業所その他の営業所がある場合
その4ウェブサイト等利用の有無個人・法人とも確認

たとえば、その1(イ)は法人役員の継続用紙で、大阪府警は1枚に3名まで記載でき、代表者1名のみの法人であれば不要と案内しています。

その3も、営業所が主たる営業所1か所だけなら不要です。

つまり、「その1〜その4を全部同じように書く」のではなく、自分の法人形態・役員数・営業所数・営業方法に合わせて必要部分を確認するということです。

実際に記入するときは、申請する都道府県警が現在公開している様式・記載例を使用してください。

個人で申請する場合の必要書類

個人で古物商許可を申請する場合は、許可申請書に加えて、申請者本人について主に次の書類を準備します。

  • 最近5年間の略歴書
  • 本籍が記載された住民票の写し
  • 個人申請者用の誓約書
  • 本籍地の市区町村が発行する身分証明書

外国籍の方については、本籍ではなく国籍等が記載された住民票を確認します。

ここで忘れやすいのが営業所の管理者です。

古物商は、営業所ごとに管理者を1人選任する必要があります。したがって、申請者とは別の人を管理者にするのであれば、その管理者についても必要な人的書類を用意します。

自分自身を管理者にする場合

個人申請者本人が管理者を兼ねることもできます。

ただし、「同じ人物だから管理者関係の書類は何も要らない」とは考えないでください。

大阪府警は、本人が管理者を兼ねる場合でも、個人用と管理者用の2種類の誓約書を提出するよう案内しています。

一方、略歴書・住民票・身分証明書など、同一人物について重複する書類を何通必要とするかは、実際の管轄の最新案内で確認しておくと安全です。

法人で申請する場合の必要書類

法人申請では、人的書類に加えて法人そのものについて、

  • 法人の定款
  • 法人の登記事項証明書

が必要です。

そのうえで、法人の役員と営業所の管理者について、

  • 最近5年間の略歴書
  • 本籍または国籍等が記載された住民票の写し
  • 誓約書
  • 身分証明書

などを確認します。

「役員=登記事項証明書に載っている人」だけではない

法人申請で特に注意したいのが、誰について役員関係の書類を準備するかです。

警察庁が2026年5月14日に発出した現行の「古物営業法等の解釈運用基準」では、「役員」は法人において業務執行・監査等の権限を持つ者をいい、登記されているかどうかだけで判断するものではないとされています。

登記事項証明書に記載されていない役員がいる場合には、定款・役員名簿・議事録等で法人の役員を特定する取扱いも示されています。

したがって法人では、

登記事項証明書を取る
→ そこに載っている人だけの書類を集める

と機械的に進めるのではなく、

古物営業法上、誰を役員として確認する必要があるのか

を整理してから人的書類を集めることが重要です。

役員構成が複雑な法人ほど、ここを先に確認した方が手戻りを防ぎやすくなります。

管理者の書類も忘れずに確認する

古物商は、営業所ごとに1人の管理者を選任します。

必要書類を考えるときは、

個人なら「申請者+管理者」

法人なら「法人+役員+管理者」

と考えると整理しやすくなります。

管理者についても、

  • 略歴書
  • 住民票の写し
  • 管理者用誓約書
  • 身分証明書

などを確認します。

また、警察庁の現行解釈運用基準では、管理者として選任する人がその営業所で勤務していない、責任ある立場にないなど、管理者としての職務を適切に遂行できないと考えられる場合についても示されています。

つまり、書類収集を始める前に、「誰を管理者にするか」まで決めておくことが大切です。

住民票・身分証明書などはどこで取得する?

必要書類は大きく、

役所等から取得するもの

と

自分で作成・記入するもの

に分けると整理しやすくなります。

書類主な準備方法特に確認すること
住民票の写し市区町村で取得本籍または国籍等の記載
身分証明書本籍地の市区町村で取得運転免許証等とは別物
略歴書所定様式等へ記入最近5年間
誓約書対応する様式へ記入申請者・役員用と管理者用を区別
定款法人が準備法人申請のみ
登記事項証明書法務局等で取得法人申請のみ
URL関係資料条件に応じて準備ウェブサイト利用取引に該当するか

住民票は「記載内容」を確認する

古物商許可の添付書類として使う住民票は、本籍、外国籍の方の場合は国籍等が記載されたものを確認します。

大阪府警ではさらに、個人番号が記載されていない住民票を提出するよう明記しています。

そのため、「住民票なら何でもよい」と考えて先に取得するより、必要な記載内容を確認してから請求した方が取り直しを防げます。

「身分証明書」は運転免許証ではない

古物商許可で非常に間違えやすいのが身分証明書です。

ここでいう身分証明書は、運転免許証やマイナンバーカードなど、本人確認に使う一般的な身分証ではありません。

本籍地の市区町村から交付を受ける証明書です。警視庁も本籍地の市区町村から交付を受けるよう案内しています。

大阪府警では、この身分証明書について日本国籍を有する方のみ必要と明記しています。

略歴書は最近5年間

略歴書には最近5年間の略歴を記載します。

大阪府警・愛知県警の現行案内でも「最近5年間」とされています。

まず書き方を細かく考えるより、

誰の略歴書が必要なのか

を先に確定してから、申請先の様式・記載例を使って作成すると整理しやすくなります。

誓約書は役割ごとに分ける

誓約書は一種類ではありません。

個人申請者・法人役員として提出する誓約書と、管理者として提出する誓約書は分けて考えます。

申請者や法人役員が管理者を兼ねる場合も、大阪府警は役割に対応する2種類の誓約書を提出するよう案内しています。

ネット販売ならURL関係資料が必ず必要?

ここは「ネットを使うか」だけで判断しないことが重要です。

警察庁の現行解釈運用基準では、ウェブサイトを利用して古物に関する情報を公衆へ閲覧させ、非対面の通信手段によって取引の申込みを受ける方法を利用する場合、URLの届出等が必要になります。

一方、古物の売買・交換等の申込みの誘引を行っていないウェブサイトは、URL届出の対象にならないことも明示されています。

つまり、

「インターネットを使うか」

ではなく、

「そのウェブサイトをどのように古物取引へ使うか」

を見る必要があります。

URLの使用権限を疎明する資料としては、プロバイダ等からURLの割当てを受けた際の通知書の写しなどが示されており、所要の疎明ができる場合にはWHOISの公開情報を印刷した書面を提出できる場合もあります。

ネット上の「必要書類一覧」が違って見えるのはなぜ?

古物商許可について複数の記事を見ると、書かれている必要書類が違うことがあります。

この場合、すぐに「どの記事か間違っている」と考える必要はありません。

大きく分けると、

1.個人・法人に応じた基本の申請書・添付書類

許可申請書、住民票、略歴書、誓約書、身分証明書、法人なら定款・登記事項証明書などです。

2.自分の条件によって追加で確認する書類

ウェブサイト利用取引に関する資料や、代理人が提出する場合の委任状などです。

大阪府警では、本人以外が申請書を提出する場合には委任状が必要と案内しています。

3.申請先で最終確認した方がよい事項

  • 書類の発行・作成時期
  • 提出部数
  • 現在使用する様式
  • 提出者に応じた書類
  • 個別事情に応じて確認を求められる資料

などです。

大切なのは、ネット上で見かけた書類を片っ端から集めることではありません。

基本書類を把握したうえで、自分の条件を整理し、最後に申請先の最新案内で確定する。

この順番で考えると情報の違いに振り回されにくくなります。

古物商許可の必要書類はこの順番で準備する

必要書類一覧が分かったら、すぐ役所へ取りに行くのではなく、次の順番で進めると整理しやすくなります。

STEP1.個人申請か法人申請か確認する

最初に申請主体を決めます。

個人と法人では必要書類が異なります。

個人で取るか法人で取るか自体を迷っている場合は、書類収集より先に違いを確認しましょう。

古物商許可を個人・法人どちらで取るか確認する

STEP2.必要書類の対象になる「人」を洗い出す

次に、

  • 個人申請者
  • 法人の役員
  • 各営業所の管理者

を整理します。

紙やメモに人の名前を書き、その横に、

住民票/身分証明書/略歴書/誓約書

と並べれば、自分用のチェックリストを作れます。

STEP3.営業所の数と管理者を確定する

営業所ごとに管理者を決めます。

また、古物営業上の主たる営業所は、会社法上の本店と必ず一致するわけではありません。

警察庁の現行解釈運用基準でも、古物営業の中心が会社法上の支店である場合などには、主たる営業所と本店が一致しないことがあり得るとされています。

STEP4.ウェブサイト利用の有無と使い方を確認する

ネットを使うかどうかだけではなく、

古物情報を掲載して、そのサイトを通じて非対面で取引の申込みを受けるのか

を整理します。

該当する場合にURL関係資料を確認します。

STEP5.取得書類と作成書類に分ける

ここまで整理したら、

役所等から取得するもの

と

自分で作成するもの

を分けます。

誰の何を取得するかが決まってから役所へ動けば、取り直しや取得漏れを減らしやすくなります。

STEP6.申請先で発行時期・部数・最新様式を確認する

証明書を取得するタイミングにも注意します。

たとえば愛知県警では、添付書類について申請日から3か月以内に発行・作成されたものを用意するよう案内しています。

ただし、この記事ではこれを「全国すべて一律3か月以内」とは扱いません。

実際に申請する都道府県警・警察署で、

  • 発行・作成時期
  • 提出部数
  • 最新様式
  • 代理提出等の条件

を確認してから取得すると安全です。

申請前に使える必要書類チェックリスト

書類を集める前に、次を一度確認してください。

  • 個人申請か法人申請か決まっている

  • 主たる営業所が決まっている

  • 営業所の数を把握している

  • 各営業所の管理者が決まっている

  • 法人の場合、書類が必要になる役員を確認した

  • ウェブサイト利用取引に該当するか確認した

  • 誰の住民票・身分証明書・略歴書・誓約書が必要か整理した

  • 許可申請書その1〜その4のうち必要部分を確認した

  • 証明書の発行時期を管轄の案内で確認した

  • 提出部数や追加書類を申請先で確認した

ここまで整理できてから書類を集め始めれば、単なる「必要書類一覧」が自分専用の申請準備リストに変わります。

申請先は「主たる営業所」で確認する

古物商許可の申請場所は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署です。

警視庁・大阪府警とも、この基準で申請窓口を案内しています。

法人だから必ず登記上の本店所在地が申請基準になる、というわけではありません。

まず自分の古物営業における主たる営業所を確認し、その所在地を管轄する都道府県警・警察署の最新案内を確認してください。

公式情報を確認する場合は、次のような申請案内ページが参考になります。

警視庁「古物商許可申請」

大阪府警「古物商許可申請」

東京都・大阪府以外で申請する場合は、実際の主たる営業所を管轄する都道府県警の現行案内を確認してください。

自分で申請するか、行政書士へ依頼するか

必要書類を整理できれば、自分で申請準備を進めることもできます。

たとえば、

  • 申請主体が決まっている
  • 役員・管理者を整理できる
  • 必要な証明書を自分で取得できる
  • 申請先の公式案内を確認できる
  • 申請書や誓約書等を自分で作成できる

のであれば、自力で進める選択肢があります。

実際の申請までの流れを確認したい方は、こちらの記事へ進むと分かりやすいでしょう。

古物商許可を警察署で申請する5ステップを見る

一方、

  • 法人の役員関係が複雑
  • 営業所が複数ある
  • 申請者・役員・管理者の整理に迷う
  • URL届出の対象か判断しにくい
  • 書類作成に時間をかけにくい
  • 警察署への申請まで任せたい

という場合は、行政書士へ依頼する方法もあります。

サクセスファン行政書士事務所では、現在、個人・法人の古物商許可について書類作成と警察署への代理申請を含むサポートを案内しています。

自分で申請できる人まで依頼する必要はありません。

自分で進めるために必要な時間・作業量と、専門家へ任せたい範囲を比較して決めるとよいでしょう。

古物商許可サポートの現在の内容を確認する

古物商許可の必要書類でよくある質問

古物商許可の「身分証明書」は運転免許証ですか?

いいえ。

古物商許可でいう身分証明書は、運転免許証などの日常的な本人確認書類とは別のものです。

本籍地の市区町村から交付を受ける証明書です。大阪府警では、日本国籍を有する方について必要な書類と明示しています。

申請者本人が管理者になる場合も管理者用の書類が必要ですか?

役割ごとの書類を確認する必要があります。

特に誓約書について、大阪府警は個人申請者本人が管理者を兼ねる場合、個人用と管理者用の2種類を提出するよう案内しています。

一方、同一人物の住民票等を何通提出するかは、実際の管轄の案内を確認してください。

法人は登記事項証明書に載っている人だけ確認すればよいですか?

必ずしもそうとは限りません。

警察庁の現行解釈では、古物営業法上の役員は登記の有無だけではなく、法人の根拠法令上で役員としての権限を持つかによって整理されています。

ネット販売をする人は全員URL関係資料が必要ですか?

「インターネットを利用する」という理由だけで一律には判断できません。

ウェブサイトへ古物情報を掲載し、非対面の通信手段で取引の申込みを受ける方法に該当するかを確認します。申込みの誘引を行っていないウェブサイトなどは、URL届出の対象にならない場合があります。

添付書類はすべて発行から3か月以内ですか?

実際の申請先の最新案内を確認してください。

愛知県警では申請日から3か月以内に発行・作成された添付書類を案内していますが、この記事では全国一律の条件として扱っていません。

ネットの記事によって必要書類が違うときは何を信じればよいですか?

最終的には、自分の主たる営業所を管轄する都道府県警・警察署の最新公式情報を確認してください。

民間の記事は全体像を理解するために便利ですが、申請時点の様式、発行時期、提出部数、条件付きの書類まで確定するときは公式案内を基準にするのが安全です。

まとめ|書類を集める前に「誰の何が必要か」を決める

古物商許可の必要書類を準備するときに、最初に住民票を取りに行く必要はありません。

先に、

  1. 個人申請か法人申請か
  2. 誰が人的書類の対象になるか
  3. 誰を各営業所の管理者にするか
  4. 営業所はいくつあるか
  5. ウェブサイト利用取引に該当するか
  6. 許可申請書のどの用紙を使うか

を整理しましょう。

そのあと、

自分用の必要書類リストを作る
→ 取得書類と作成書類を分ける
→ 発行時期・提出部数を管轄で確認する
→ 書類を集める

という順番で進めれば、「一覧は見たけれど、結局何から始めればよいのか分からない」という状態から抜け出せます。

必要書類の記事で本当に重要なのは、書類名を覚えることではありません。

自分の場合に、誰の、どの書類を、どの順番で準備すればよいか分かることです。