古物商の営業所で、退職や人事異動などにより管理者を別の人へ交替する場合は、古物営業法に基づく変更届が必要です。
管理者の交替だけであれば、原則として変更の日から14日以内に届け出ます。許可証の書換えは伴わず、変更届出そのものの手数料もかかりません。
ただし、この「14日以内」は、管理者を置かなくてもよい猶予期間ではありません。古物営業法では、営業所ごとに、その営業所の業務を適正に実施する責任者として管理者1人を選任することが定められています。現在の管理者の退職や異動が決まっているなら、後任者もあわせて整理しておくことが大切です。
この記事の要点
- 管理者を別人へ交替すると変更届が必要
- 管理者交替だけなら原則として変更の日から14日以内
- 14日は「変更届の提出期限」であり、管理者不在の猶予期間ではない
- 新しい管理者について原則4種類の添付書類を準備する
- 管理者交替だけなら許可証の書換え・変更届出の手数料は不要
- 同じ古物商の別営業所で現に管理者となっている人を異動させる場合は、添付書類を省略できることがある
- 営業所移転や法人役員変更などが同時にある場合は、それぞれの変更手続きも確認する
この記事では、主に現在の管理者を別の人へ交替するケースを解説します。
古物商の管理者変更は14日以内に変更届が必要
営業所の管理者を別の人へ交替した場合は、古物営業法上の変更届を行います。
警視庁の公式案内では、「営業所の管理者の交替」は、許可証の書換えを伴わない変更届出として整理されています。変更届出の手数料もかかりません。
使用する届出書は、古物営業法施行規則の別記様式第6号です。管理者交替について、警視庁の記載例では「別記様式第6号その1(ア)、その2」が案内されています。
実際に届出書を作るときは、提出先となる都道府県警が公開している最新の様式・記載例を確認してください。
まず「管理者の交替」なのかを確認する
「古物商の管理者変更」といっても、実際には次のようなケースがあります。
- 現在の管理者から別の人へ交替する
- 同じ管理者の氏名が変わる
- 同じ管理者の住所が変わる
これらは同じ手続きではありません。
警視庁も、「営業所の管理者の交替」「管理者の氏名変更」「管理者の住所変更」をそれぞれ分けて案内しています。
管理者を別人へ交替する場合には、新しい管理者について略歴書などの添付書類が必要です。一方、同じ管理者の氏名・住所だけが変わった場合には、管理者交替と同じ一式を準備するわけではありません。
最初に、
「人そのものが変わるのか、それとも同じ管理者の情報だけが変わるのか」
を確認してから書類準備へ進みましょう。
新しい管理者として選任できる人か確認する
古物営業法では、古物商は営業所ごとに、その営業所の業務を適正に実施する責任者として管理者1人を選任しなければならないとされています。
また、未成年者や古物営業法で定められた一定の欠格事由に該当する人などは、管理者になることができません。
現在の管理者が退職する予定なら、「退職してから14日以内に後任を探せばよい」と考えるのではなく、誰を後任として選任するのかを先に整理することが重要です。
候補者について個別事情があり、管理者として選任できるか判断しにくい場合は、書類を取り始める前に管轄警察署へ確認すると手戻りを減らせます。
神戸で古物商許可の管理者・営業所などの基本要件も確認したい場合は、次の記事も参考にできます。
古物商の管理者変更で必要な書類
管理者を別の人へ交替する場合は、変更届出書に加え、新しい管理者について原則として次の書類を準備します。
| 書類 | 確認ポイント |
|---|---|
| 変更届出書 | 古物営業法施行規則「別記様式第6号」を使用 |
| 略歴書 | 新しく管理者になる人について作成 |
| 住民票の写し | 本籍(外国人の場合は国籍等)が記載されたもの |
| 誓約書 | 管理者用のものを使用 |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村が発行するもの |
「身分証明書」は運転免許証ではない
ここでいう「身分証明書」は、運転免許証やマイナンバーカードなどの一般的な本人確認書類ではありません。
本籍地の市区町村が発行する身分証明書です。
書類名だけを見て、運転免許証のコピーなどを準備しないよう注意してください。
別営業所の現管理者を異動させる場合は添付書類を省略できることがある
複数の営業所があり、同じ古物商において現に別の営業所等で管理者として選任されている人を、新たな営業所の管理者にする場合は、管理者に関する添付書類を省略できる扱いがあります。
「以前に管理者をした経験がある人なら省略できる」という意味ではありません。
現在、同じ古物商の別営業所等で管理者として選任されている人を異動させる場合の特例です。
住所変更など別の変更も同時にある場合は、その変更について必要な書類も確認してください。
管理者変更の届出期限は変更の日から14日以内
管理者を別の人へ交替した場合は、原則として変更の日から14日以内に変更届を提出します。
古物営業法施行規則では、届出書に登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内とされています。
管理者交替だけなら、通常は14日以内です。
ただし、14日はあくまで変更届の提出期限です。
現在の管理者が退職する場合は、営業所ごとに管理者1人を選任する義務も踏まえ、後任の選任と実際の交替日を先に整理しておきましょう。
管理者変更の届出はどの警察署へ提出する?
営業所が1か所の場合は、その営業所または古物市場を管轄する警察署を確認して変更届を提出します。警視庁の案内でも、変更届出の申請・届出場所は「営業所又は古物市場を管轄する警察署」とされています。
複数の営業所がある場合
2以上の営業所等を持つ古物商については、古物営業法施行規則上、いずれか1つの営業所等の所在地の所轄警察署長を経由して、1通の届出書を提出することとされています。
別店舗から管理者を異動させる場合などは、このルールも踏まえて提出先を整理しましょう。
なお、受付時間、郵送、オンライン申請などの実際の受付方法は、地域や手続方法によって確認が必要です。全国向けの記事だけで判断せず、提出先となる都道府県警・警察署の最新案内を確認してください。
管理者変更だけなら許可証の書換え・変更届の手数料は不要
営業所の管理者の交替は、許可証の記載事項を書き換える手続きではありません。
そのため、管理者の交替だけであれば許可証の書換申請は不要です。
また、変更届出そのものについて手数料はかかりません。
ただし、同時に許可証記載事項に関係する別の変更がある場合は、その変更について書換申請が必要になることがあります。
「今回は管理者だけの変更なのか」を最初に整理しておくことが大切です。
古物商の管理者変更は5つの手順で進める
1.何が変わるのか整理する
まず、管理者の交替だけなのか、同じ管理者の氏名・住所変更なのか、法人役員・営業所などにも変更があるのかを整理します。
2.後任の管理者を確認する
新しい管理者として選任できる人かを確認します。
現在の管理者が退職する場合は、管理者がいない状態を前提に後回しにするのではなく、後任を先に整理します。
3.必要書類を準備する
通常の管理者交替なら、新管理者について、
- 略歴書
- 本籍等が記載された住民票の写し
- 管理者用の誓約書
- 本籍地の市区町村が発行する身分証明書
を準備します。
別営業所の現管理者を異動させる場合は、添付書類の省略対象になるかも確認します。
4.変更日から届出期限を確認する
管理者交替だけなら、原則として変更の日から14日以内です。
変更日が決まった時点で期限を把握し、そこから逆算して準備しましょう。
5.提出先を確認して届け出る
営業所が1か所なら、その営業所を管轄する警察署を確認します。
複数営業所の場合は、いずれか1つの営業所等の所在地の所轄警察署長を経由して1通提出するルールも踏まえて整理します。
営業所や役員も変わる場合は届出期限を分けて確認する
人事異動や店舗再編では、管理者以外にも、
- 営業所の所在地
- 営業所の名称
- 主たる営業所
- 法人役員
などが同時に変わることがあります。
営業所の名称・所在地など一定の変更については、管理者交替とは異なり、変更日の3日前までの事前届出が関係します。
「管理者変更は14日以内だから、今回の変更は全部あとで届ければよい」とまとめて考えず、変更事項ごとに届出の時期を確認してください。
古物商の管理者変更に関するよくある質問
管理者が退職したら、古物商許可を取り直す必要がありますか?
営業主体が変わらず、管理者だけを別の人へ交替するのであれば、新規の古物商許可を取り直す手続きではありません。
新しい管理者を選任し、管理者交替の変更届を行います。管理者の交替は、警察の公式案内でも許可取得後の変更届出として扱われています。
管理者変更に手数料はかかりますか?
管理者の交替だけを行う変更届出については、手数料はかかりません。
ただし、許可証の書換えが必要な別の変更を同時に行う場合は、書換申請について手数料が発生することがあります。
管理者が引っ越しただけでも、交替と同じ書類が必要ですか?
いいえ。
管理者を別人へ交替する場合と、同じ管理者の住所が変わった場合は別の変更として扱われます。
同じ管理者の住所変更では、管理者交替時の4種類の添付書類一式とは異なります。
別店舗の管理者を異動させる場合も4種類の添付書類が必要ですか?
同じ古物商で、現に別営業所等の管理者として選任されている人を異動させる場合は、管理者に関する添付書類を省略できる扱いがあります。
住所変更など別の変更を伴う場合は、その変更について必要な書類を確認してください。
14日を過ぎてしまった場合はどうすればよいですか?
管理者交替だけの場合の届出期限は、原則として変更の日から14日以内です。
すでに期限を過ぎている場合は、
- いつ管理者が変わったか
- 現在の管理者は誰か
- 他の変更も同時にあるか
を整理したうえで、管轄警察署へ確認してください。
管理者変更では、書類集めより先に「後任と変更内容」を整理する
古物商の管理者変更で最初に確認したいのは、書類そのものではありません。
① 管理者を別人へ交替するのか
② 新しい管理者として選任できるか
③ いつ交替するのか
④ 別営業所からの異動なのか
⑤ 他の変更も同時にあるのか
を整理することが先です。
そのうえで、必要書類、14日以内の期限、提出先を確認すれば、手続きを進めやすくなります。
単純な管理者交替で、必要書類や提出先を整理できる場合は、公式様式・記載例を確認しながら自分で手続きを進めることもできます。
一方、
- 管理者の退職と店舗変更が重なっている
- 法人役員など複数の変更が同時にある
- 新管理者として選任できるか判断しにくい
- 複数営業所があり手続きを整理しにくい
といった場合は、管轄警察署へ確認したり、行政書士へ相談したりすることも選択肢です。
古物商の手続きを専門家へ相談したい場合
サクセスファン行政書士事務所では、古物商許可を含む許認可について、相談・書類作成・警察署への申請サポート等を案内しています。管理者変更について具体的にどこまで依頼できるか、料金を含む対応内容は、依頼前に現在の変更状況を伝えて確認してください。
相談時には、
- 現在の古物商許可の内容
- 管理者の交替予定日または交替日
- 現在の管理者と後任管理者の情報
- 同時に変更する予定の事項
を整理しておくと、確認が進みやすくなります。
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最新の公式情報・様式を確認する
実際に届出を行う際は、最新の法令と、提出先となる都道府県警の公式案内を確認してください。

