古物商は未成年から買取できる?18歳未満からの買取で確認すべきルール

「未成年の人が品物を売りに来たら、そのまま買い取ってよいのか」
「親の同意があれば買い取れるのか」
「18歳の高校生はどう扱えばよいのか」

古物商として買取を行っていると、このような判断に迷うことがあります。

結論からいうと、「未成年だから一律に買取不可」「親の同意があれば一律に買取可能」と考えるのは適切ではありません。

確認するルールが一つではないからです。

まず、次の4つを分けて考えると整理しやすくなります。

確認するもの主に見るポイント
民法18歳未満との契約、法定代理人の同意など
古物営業法買取時の相手方確認、年齢確認など
都道府県の青少年条例18歳未満からの買受け制限、保護者の関与など
自店の受付ルール法令を踏まえて、どこまで受け付けるか

この記事では制度を説明するだけでなく、実際の買取現場で何から確認すればよいかまで順番に整理します。

最初に結論|まず18歳未満かどうかを確認する

現在の民法では、18歳をもって成年とされています。18歳・19歳は、民法上の未成年者ではありません。

したがって、最初の大きな分岐は次のように考えると分かりやすくなります。

18歳未満の場合

民法上の未成年者の法律行為に関するルールに加え、都道府県の青少年条例、古物営業法上の相手方確認などを確認します。

18歳以上の場合

民法上は成年です。ただし、古物営業法上の相手方確認や非対面取引の確認方法、自店の受付ルールなどは別に確認します。

「20歳未満だから未成年」という以前の基準で判断しないことが重要です。

18歳未満との売買では、民法上の同意も確認する

民法第5条では、未成年者が法律行為をする場合、原則として法定代理人の同意を得なければならないとされています。

同意を得ずにした法律行為は取り消すことができます。

一方、法定代理人から処分を許された財産などには例外があります。

つまり、

「17歳だから売買契約は絶対に成立しない」

という整理も正確ではありません。

18歳未満から買い取る場合は、単に年齢だけを見るのではなく、その売却について法定代理人の同意等をどのように整理する必要があるかを確認します。

18歳・19歳は「未成年」ではない

18歳・19歳は民法上の成年です。

そのため、

「20歳未満なので、未成年者として親の同意が必要」

という説明は、現在の民法とは合いません。

ただし、18歳になれば古物商として何も確認しなくてよいわけではありません。

古物営業法上の相手方確認、非対面取引の確認方法、自店が設定している受付年齢などは別問題です。

法律上の年齢基準と、店舗独自の受付基準を混同しないようにしましょう。

18歳以上の高校生はどう考える?

「18歳だが高校生」というケースも混乱しやすいところです。

民法上は18歳で成年です。

また、少なくとも今回確認した東京都・大阪府・京都府の青少年条例では、「青少年」の基準は18歳未満です。東京都では条例上18歳未満が青少年とされ、大阪府でも同じ年齢基準が置かれています。

したがって、「高校生だから」という理由だけで全国一律の法的結論を出すのは避けるのが適切です。

実際の受付では、

  • 法令・条例上の年齢基準
  • 古物営業法上必要な確認
  • 自店の受付基準

を分けて判断します。

買取店によっては18歳以上でも高校生を受け付けないなど、法律上の基準より厳しい自主ルールを設けている例があります。これは、その店舗の受付ルールと法令上の義務を分けて理解する必要があります。

古物営業法では住所・氏名・職業・年齢の確認が問題になる

古物営業法第15条では、古物商が古物を買い受ける場合などに、相手方の真偽を確認するための措置を求めています。

確認事項として、

  • 住所
  • 氏名
  • 職業
  • 年齢

が規定されています。

古物営業法施行規則では、身分証明書等の提示などによる確認方法も定められています。

ここで大切なのは、

古物営業法上の相手方確認
と
18歳未満から古物を買い受けてよいか

は、同じ問題ではないという点です。

18歳未満からの買受けについては、古物営業法だけでなく都道府県の青少年条例も確認する必要があります。

「1万円未満なら年齢確認不要」とは考えない

古物営業法では、買い受ける物品の総額が1万円未満の場合、相手方確認義務や帳簿等への記載義務が原則として免除される仕組みがあります。

ただし、一部の物品については1万円未満でも対象になります。

2025年10月1日施行の規則改正では、従来の対象品に加えて、エアコンの室外ユニットや電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製グレーチングなども追加されています。

しかし、今回の記事で特に注意したいのは、

「古物営業法上、1万円未満の取引に確認義務の例外がある」
=
「18歳未満かどうか確認しなくてよい」

ではないことです。

青少年条例による年齢確認や買受け制限は別の制度だからです。

警視庁も非対面取引について、1万円未満であっても18歳未満からの買取ではないことを確認する必要があると案内しています。

金額だけを見て、「本人確認不要だから未成年確認も不要」と判断しないようにしてください。

18歳未満からの買取では都道府県条例が重要

18歳未満から古物を買い取る場合、特に重要なのが都道府県の青少年条例です。

しかも、全国で同じ規制ではありません。

東京都・大阪府・京都府を例にすると、違いが分かりやすくなります。

地域の例青少年古物買受けについて
東京都18歳未満原則として買受けを制限。保護者の委託・同行・同意等の場合に適用除外
大阪府18歳未満原則として買受け等を禁止。青少年でないことの確認規定があり、保護者関与等の例外あり
京都府18歳未満買い受けないよう自主的努力を求め、常習的な取引について措置命令制度あり

東京都では、古物商が青少年から古物を買い受けることを原則として制限し、保護者の委託・同行・同意等が認められる場合に例外を設けています。

大阪府では、青少年からの古物買受け等を原則禁止し、明らかに青少年でない場合を除いて青少年でないことを確認する規定もあります。保護者の同伴、委託、承諾等について例外があります。

一方、京都府では、古物商が青少年から古物を買い受けないよう自主的に努める規定と、常習的な取引に対する措置命令の仕組みが置かれています。

つまり、

東京都で使える判断方法を、そのまま大阪府や京都府、その他の地域へ当てはめない

ことが重要です。

では、どの都道府県の条例を確認すればよい?

店頭取引など、関係する地域が明確な場合は、その地域について最新の公式条例・警察等の案内を確認します。

一方、宅配買取やインターネット買取では、店舗所在地と売主所在地が異なるなど、複数の地域が関係することがあります。

このような場合に、「店舗がある県の条例だけ見ればよい」などと自己判断で決め打ちしないことが大切です。

どの条例の適用を確認すべきか判断しにくい場合は、

  • 関係する都道府県警察の古物営業担当
  • 自治体の条例担当窓口
  • 必要に応じて専門家

へ、具体的な取引形態を示して確認するとよいでしょう。

問い合わせる前に、

  • 店舗・営業所の所在地
  • 売主の所在地
  • 店頭・宅配・インターネット等の買取方法
  • 売主の年齢
  • 保護者がどのように関与する予定か

を整理しておくと、確認がしやすくなります。

「親の同意書があれば大丈夫」と一律に考えない

18歳未満からの買取で特に混乱しやすいのが、保護者の同意です。

ここでは、少なくとも二つの話を分ける必要があります。

民法では「法定代理人の同意」

18歳未満の未成年者の法律行為について、民法第5条で問題になるのは法定代理人の同意です。

条例では「保護者の同意・同行・委託等」

一方、東京都や大阪府の青少年条例では、

  • 保護者の同意
  • 保護者の同行
  • 保護者からの委託・承諾

などが買受け制限の例外に関係します。

そのため、

「親の同意書を1枚取れば全部クリア」

とは考えない方が安全です。

確認順序としては、

  1. 民法上、契約について何を確認する必要があるか
  2. 自店に関係する条例では何が求められているか
  3. 店舗でその確認をどのように運用するか

と分けると整理しやすくなります。

店頭買取と宅配・ネット買取でも確認方法が違う

未成年者対応では、売主の年齢だけでなく、どのような方法で買い取るのかも重要です。

特にインターネットや宅配などの非対面取引では、古物営業法・施行規則に基づいて、相手方が申し立てた住所や氏名等が真正なものであることを確認する必要があります。

警視庁は、非対面取引について、免許証等のコピーや住民票の写しを送ってもらうだけでは足りないと案内しています。

つまり、

保護者の同意確認
と
古物営業法上の相手方確認

は別に処理します。

宅配買取を行う場合は、未成年対応とは別に、非対面取引の本人確認方法も正確に確認しておきましょう。

現場では7段階で確認すると整理しやすい

未成年と思われる人から買取を申し込まれた場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

1.年齢を確認する

まず18歳未満か、18歳以上かを確認します。

18歳・19歳も民法上は成年です。

2.関係する地域を整理する

店舗所在地、売主所在地、取引方法などを整理します。

どの条例を確認すべきか明確でなければ、一つの地域だけに決め打ちしません。

3.18歳未満なら青少年条例を確認する

見るポイントは、

  • 青少年の年齢定義
  • 古物商による買受け規制
  • 年齢確認に関する規定
  • 保護者の同意・同行・委託等の扱い

です。

4.18歳未満なら民法上の契約関係も確認する

条例上の保護者対応と、民法上の法定代理人の同意を分けて整理します。

5.古物営業法上の相手方確認を確認する

住所・氏名・職業・年齢などについて、古物営業法第15条に基づく確認が必要な取引かを確認します。

1万円未満の例外も、金額だけでなく物品の種類まで確認します。

6.店頭か非対面かを確認する

宅配・インターネット買取なら、非対面取引として認められている本人確認方法を確認します。

7.受付・保留・確認の自社ルールへ落とし込む

最後に、

  • 通常受付する場合
  • 保護者等の確認を行う場合
  • 追加確認が必要な場合
  • 取引を一度保留する場合
  • 買取を受け付けない場合

を、スタッフが判断できるよう整理します。

自社ルールでは「法律上必要なこと」と「自主ルール」を分ける

自社の未成年者買取ルールを作る際は、

法令・条例上必要なこと

と、

トラブル防止等のために自店が自主的に決めること

を分けておくと運用しやすくなります。

たとえば、法律上可能な場合でも、

「当店では18歳未満からは一律で買い取らない」

という自主的な受付基準を設けている買取店はあります。

反対に、保護者同意等を条件として18歳未満を受け付けている店舗もあります。

重要なのは、他店のルールを法律そのものだと考えないことです。

社内チェックシートにしておくと現場判断を揃えやすい

未成年者らしい売主が来たときに毎回ゼロから判断すると、スタッフごとに対応がばらつきやすくなります。

そこで、自社運用として確認項目をチェックシート化しておく方法があります。

たとえば、

  • 年齢区分を確認したか
  • 関係する都道府県条例を確認したか
  • 必要な保護者・法定代理人関係を確認したか
  • 古物営業法上必要な相手方確認を行ったか
  • 店頭・非対面など取引方法に合った確認を行ったか
  • 判断に迷う場合の確認先
  • 最終的に受付・保留・不受付のどれとしたか

といった項目です。

これは全国共通の法定様式を示しているものではなく、店舗内で判断を統一するための運用例です。

法令で必要な帳簿・記録と、自社の内部管理用チェックを混同しないようにしてください。

よくある質問

18歳・19歳でも親の同意は必要ですか?

18歳・19歳は民法上の成年です。

そのため、「未成年者だから」という理由で民法第5条の法定代理人の同意が必要になるわけではありません。

ただし、古物営業法上の相手方確認や店舗独自の受付基準は別に確認します。

18歳の高校生から買い取ってはいけませんか?

「高校生であること」だけで全国一律の結論を出すのは避けましょう。

民法上は18歳で成年です。

一方、店舗が自主的に高校生からの買取を断るルールを設けている場合があります。

法令上の年齢基準と、自店の受付基準を分けて確認してください。

親の同意があれば18歳未満から必ず買い取れますか?

全国一律にはいえません。

東京都や大阪府では保護者の同意・同行・委託等が例外に関係しますが、京都府では制度の仕組み自体が異なります。

まず関係する都道府県条例を確認してください。

1万円未満なら本人確認や年齢確認は不要ですか?

そうとは限りません。

古物営業法上、一部の少額取引には相手方確認義務等の例外がありますが、1万円未満でも対象となる物品があります。

さらに、青少年条例による年齢確認・買受け規制は別問題です。

全国から宅配買取する場合は、どの条例を見ればよいですか?

複数の都道府県が関係し、適用関係が明確でない場合は、一つの都道府県だけを自己判断で選んで終わらせない方がよいでしょう。

店舗・営業所所在地、売主所在地、取引方法などを整理したうえで、関係する警察・自治体等へ具体的な取引形態を示して確認する方法があります。

まとめ|「買えるか」より先に、判断する順番を決めておく

古物商が18歳未満の人から買取を申し込まれた場合、

「親の同意があれば大丈夫」
「1万円未満だから確認不要」
「他店もやっているから問題ない」

という一つの情報だけで判断しないことが重要です。

まず、

年齢
→ 関係する地域・条例
→ 保護者・法定代理人との関係
→ 古物営業法上の相手方確認
→ 店頭・非対面などの取引方法
→ 自店の受付基準

の順で整理してください。

自分で確認する場合は、e-Gov法令検索だけでなく、関係する都道府県の条例や都道府県警察の古物営業案内まで確認します。

個別の取引について判断しにくい場合は、

  • 営業地域
  • 売主の所在地・年齢
  • 店頭・宅配等の買取方法
  • 保護者の関与方法
  • 現在予定している本人確認方法

を整理してから公的窓口等へ確認すると、論点を伝えやすくなります。

行政書士へ相談する場合も、古物商許可の取得だけでなく、許可取得後の買取運用や地域条例の確認まで対応しているかを確認するとよいでしょう。

※本記事は2026年9月19日時点で確認できる公的情報をもとに、古物商側が18歳未満の人から買取を行う際の基本的な確認方法を整理したものです。都道府県や個別の取引条件によって適用関係が異なる可能性があるため、実際の運用では関係する最新の公的情報を確認してください。