古物商許可を取得してネット販売を始めるとき、「ショップのURLも警察へ届け出る必要があるの?」と迷う方は少なくありません。
結論からいうと、URLを持っているだけで、すべての古物商にURL届出が必要になるわけではありません。
まず確認したいのは、
そのページで古物の情報を公開し、その古物についてメール・電話など対面しない方法で取引の申込みを受ける営業をしているか
という点です。
そのため、「自社サイトか」「フリマアプリか」といったサービス名だけで判断するよりも、そのURLを古物取引にどのように使っているのかを整理することが重要です。
この記事では、古物商のURL届出が必要になるケースの考え方から、許可取得後にネット販売を始める場合の期限、必要な資料、URL変更・閉鎖時の手続まで順番に解説します。
この記事のポイント
1.URLがあるだけでは決まらない
見るべきなのは、古物情報をネット上に掲載し、非対面で取引申込みを受ける営業方法かどうかです。
2.ショップ・ストアと個別出品では扱いが異なる例がある
公式案内には、ストア出店を届出必要例、オークションへの1点ずつの出品を届出不要例として示すものがあります。サービス名だけでなく利用方法を確認します。
3.許可取得後に対象となるネット販売を始めた場合は変更届を確認する
URLに関する変更は、原則として変更の日から14日以内の届出となります。
4.届出だけでなく「URLを使えることを示す資料」も確認する
自社ドメインか外部サービスかなどによって、準備する資料が変わる可能性があります。
古物商のURL届出は「URLの有無」ではなく「使い方」で判断する
古物商のURL届出を考えるとき、最初に確認するのは「ホームページを持っているか」ではありません。
判断の中心になるのは、次の2点です。
- インターネット上で取り扱う古物に関する情報を公開しているか
- その古物について、対面せずに利用できる通信手段で取引の申込みを受けるか
たとえば、自社ネットショップに中古品を掲載し、そのページを通じて注文を受ける場合は、URL届出を確認すべきケースになります。
一方、会社概要や所在地などを掲載しているだけのホームページまで、一律にURL届出が必要になるわけではありません。
まず自分のケースをこの3つに分けて考える
| 利用方法 | URL届出を考えるときの見方 |
|---|---|
| 自社サイト・ネットショップで古物を掲載して注文等を受ける | 届出対象となる営業方法に該当するか確認する |
| ストア・ショップとして継続的な販売ページを利用する | 届出が必要となる例があるため利用形態を確認する |
| オークション等へ商品を1点ずつ個別に出品する | 公式案内で届出不要例とされているケースがある |
この表で重要なのは、「どのサービスを使っているか」ではありません。
古物をどのページで見せ、どのように取引申込みを受けているかを確認するための整理です。
自社サイトやネットショップで古物を販売する場合
自社サイト等に古物の商品情報を掲載し、インターネットや電話などを通じて非対面で取引申込みを受けるのであれば、URL届出の対象となる営業方法に該当するか確認する必要があります。
公式案内でも、自らウェブサイトを開設して古物取引を行う場合は、届出が必要となる例として示されています。
ここでも、自社サイトか外部のネットショップサービスかという名称だけで判断するのではなく、そのページを実際に古物販売へどのように利用しているかを見ることが大切です。
ストア・ショップとして出店している場合
オークションサイトやECモール等でも、ストアやショップとして継続的な販売ページを持ち、そのページを利用して古物取引を行う場合は、URL届出を確認する必要があります。
公式案内には、オークションサイトへストアを出店して古物取引を行うケースを、届出が必要となる例として示すものがあります。
したがって、
「外部サービスだから届出は不要」
とは考えない方がよいでしょう。
商品を1点ずつ出品している場合
一方、公式案内には、オークションサイトへ商品を1点ずつ出品する場合を届出不要例として示しているものもあります。
ここから分かるのは、同じオークションやフリマ系のサービスでも、使い方によって確認すべき内容が異なるということです。
「メルカリだから不要」「○○オークションなら必要」とサービス名だけで決めず、
- 固定されたショップ・ストアとして利用しているのか
- 商品ごとに個別出品しているのか
- どのURLから取引の申込みを受けているのか
まで整理してください。
古物を掲載していない会社ホームページだけの場合
会社概要、事業内容、所在地などを掲載しているだけで、古物に関する情報を掲載していないウェブサイトは、公式案内でも届出不要の例として示されています。
つまり、
ホームページがある=URL届出が必要
ではありません。
「そのページで古物取引をしているか」という実態から考える必要があります。
URL届出が必要なら「許可申請前か、許可取得後か」を確認する
URL届出が必要となる営業方法に該当しそうだと分かったら、次は自分がどの段階にいるのか確認します。
大きくは次の2つです。
- これから古物商許可を申請する
- すでに古物商許可を持っており、後からネット販売を始める
ここを分けると、次に何をすればよいかが整理しやすくなります。
これから古物商許可を申請する場合
許可申請時点からURL届出の対象となる営業方法を利用する場合は、古物商許可の申請時にURLに関する事項を申告します。
この場合には、そのURLを使用する権限があることを疎明する資料も確認します。
したがって、これから古物商許可を取る方は、
- 店舗だけで営業する予定なのか
- ネット販売も最初から行うのか
- どのサイト・ショップを利用する予定なのか
を、許可申請前に整理しておくとよいでしょう。
新規申請時は、「まず許可を取り、その後にURLだけ別手続する」と決めつけず、申請段階からネット販売の予定を整理することが重要です。
許可取得後にネット販売を始める場合
すでに古物商許可を取得した後で、URL届出の対象となるネット販売を始める場合は、変更届出を確認します。
URLに関する変更は、古物営業法第7条第2項に基づく事後の変更届で、原則として変更の日から14日以内です。
使用する書式は、古物営業法施行規則の別記様式第6号です。
たとえば、
許可取得時は店舗販売のみだったが、その後ネットショップを開設した
という場合は、ショップを公開して終わりではなく、古物商側の届出内容についても確認しましょう。
URL届出では「そのURLを使えることを示す資料」が必要
URL届出で特に分かりにくいのが、URLを使用する権限があることを疎明する資料です。
これは簡単にいえば、
「このURLを、届出をする古物商本人・法人が正当に使用していることを確認できる資料」
です。
公式案内では、例として次のような資料が示されています。
- プロバイダ等から交付されたドメイン割当通知書など
- ドメイン検索・WHOIS検索の結果
- 登録名義が本人と異なる場合のURL使用承諾書
外部のオークションサイトやショップサービスなど、運営会社からURLを割り当てられる場合も、その古物商にURLの使用権限があることを確認できる資料が必要になります。
「WHOISを出せば必ずよい」という意味ではない
ここは誤解しやすいところです。
必要なのは、特定の資料を必ず出すことではなく、URLを使用する権限を疎明できることです。
そのため、
- 自社で取得した独自ドメイン
- 外部ネットショップサービス
- モール・オークション等のストアページ
では、準備する資料が異なる可能性があります。
管轄警察署へ確認するときは、少なくとも次を整理しておくと話が進めやすくなります。
- 届け出るURL
- 自社ドメインか外部サービスか
- URLの名義・契約者
- サービス側で利用者名義を確認できる画面や書類があるか
URLを追加・変更・閉鎖したときも届出を忘れない
URLに関する手続は、最初の届出だけで終わるとは限りません。
たとえば、
- 新しいネットショップを追加した
- 届け出ていたURLが変更になった
- 販売サイトを閉鎖した
- 届け出たURLを使用しなくなった
といった場合も、変更届を確認します。
URLを追加・変更する場合
新しいURLを追加したり、既存URLが変わったりした場合は、その変更について届け出ます。
新たに使用するURLについては、URL使用権限を疎明する資料も確認してください。
変更の日から14日以内という期限も忘れないようにしましょう。
サイトを閉鎖した場合
届け出ているホームページ等を閉鎖した場合も、変更届の対象です。
一方、公式案内では、サイト閉鎖の場合についてURL使用権限を疎明する添付書類は不要とされている例があります。
ネット販売のチャネルを増減させたときは、
「サイト側の設定だけでなく、古物商の届出内容も変わっていないか」
まで確認すると手続漏れを防ぎやすくなります。
URL届出後はウェブサイト上の許可情報も確認する
対象となるネット取引を行う古物商は、URLを届け出るだけでなく、ウェブサイト上の表示についても確認が必要です。
インターネット取引を行う「特定古物商」は、ウェブ上で次の情報を公衆が閲覧できるようにする必要があります。
- 古物商の氏名または法人名称
- 許可をした公安委員会の名称
- 許可証番号
URL届出を準備するときは、警察へ提出する書類だけでなく、実際に公開する販売ページの表示まで確認するとよいでしょう。
なお、2024年4月からは古物商等のウェブサイト上の許可情報表示に関する制度が改正されていますが、URL届出そのものとは別の論点です。
「URLを届け出たから表示も完了している」と考えず、それぞれ確認してください。
URL届出が必要か迷ったときは、この順番で整理する
自分のケースが典型例に当てはまらないときは、次の順番で整理すると判断しやすくなります。
1.どのページで古物を見せるのか
まず、実際に中古品などを掲載するページを確認します。
会社トップページではなく、古物の商品情報を掲載するショップページやストアページが重要になる場合があります。
2.どのように申込みを受けるのか
次に、
- サイト上から注文を受ける
- メールで申込みを受ける
- 電話で申込みを受ける
- 店頭でのみ取引する
など、取引申込みの方法を整理します。
3.固定したショップなのか、商品ごとの個別出品なのか
外部サービスを使っている場合は、
- ストア・ショップとしてページを運営している
- 商品を1点ずつ個別に出品している
のどちらに近いかを確認します。
4.許可取得前か、取得後か
これから古物商許可を申請するのか、すでに許可済みで後からネット販売を始めるのかを確認します。
許可済みの場合は、変更日から14日以内の変更届が関係する可能性があります。
5.判断できなければ、この情報を持って管轄警察署へ確認する
問い合わせ前に、
- 利用するサイト・サービス
- 実際のURL
- 掲載する内容
- 申込みを受ける方法
- ショップ型か個別出品型か
- 古物商許可をすでに取得しているか
- 新規開設・追加・変更・閉鎖のどれか
を整理しておくと、自分のケースを説明しやすくなります。
「○○というサービスを使います。届出は必要ですか?」だけでなく、具体的な利用方法まで説明できる状態にしておくことがポイントです。
よくある質問
古物商のホームページがあれば、必ずURL届出が必要ですか?
必ずしも必要ではありません。
古物に関する情報を掲載していない単なる会社ホームページや、ホームページがあっても実際の取引を対面で行う場合など、URL届出の対象となるホームページ利用取引に当たらないケースがあります。
判断するときは、ホームページの有無ではなく、古物情報を掲載し、そこでどのように取引申込みを受けているかを確認してください。
フリマアプリやオークションサイトを使うと必ずURL届出が必要ですか?
サービスを利用しているという事実だけでは判断できません。
公式案内では、オークションサイトへストアを出店して古物取引を行う場合を届出必要例とする一方、商品を1点ずつ出品する場合を届出不要例としているものがあります。
ショップ・ストアとして利用しているのか、個別出品なのかなど、実際の利用方法を確認しましょう。
古物商許可を取った後にネットショップを始めた場合はどうなりますか?
URL届出の対象となる営業方法を新たに始めた場合は、変更届出を確認する必要があります。
URLに関する変更は、原則として変更の日から14日以内です。
URLを変更した場合も届出が必要ですか?
はい。届出済みURLの変更や追加についても、変更届を確認します。
新しいURLを使用する場合には、そのURLを使用する権限があることを疎明する資料も確認してください。
ネットショップを閉鎖した場合も届出が必要ですか?
届け出ていたウェブサイト等を閉鎖した場合も、変更届を確認します。
公式案内では、閉鎖の場合についてはURL使用権限を疎明する添付書類が不要とされている例があります。
まとめ|古物商のURL届出は「どのサイトか」より「どう使っているか」を見る
古物商のURL届出で最も大切なのは、
URLを持っているかではなく、そのURLを古物取引にどのように使っているか
を見ることです。
まず、
- 古物の情報をネット上に掲載しているか
- 非対面で取引申込みを受けているか
- ストア・ショップ型か、個別出品型か
を整理してください。
そのうえで、届出対象となる場合は、
- 許可申請時から利用するのか
- 許可取得後に追加したのか
- URL使用権限を何で疎明するのか
- 追加・変更・閉鎖がないか
- ウェブサイト上の許可情報表示はできているか
まで確認します。
すでに古物商許可を取得した後にURL関係の変更が生じた場合は、変更の日から14日以内という期限にも注意してください。
自分のケースで届出が必要か判断しにくい場合は、使用するURLと具体的な取引方法を整理したうえで、管轄警察署へ確認する方法があります。
手続きを自分で進めるか、専門家へ相談するか迷っている方へ
URL届出そのものの考え方が分かっても、
- 自分の販売形態が対象になるか判断しにくい
- 古物商許可とあわせて手続きを整理したい
- URL使用権限を示す資料が分からない
- 複数サイトの追加・変更をまとめて整理したい
という場合は、専門家への相談を検討する余地があります。
一方、自分のケースが明確で、必要な資料も確認できているのであれば、管轄警察署の案内を確認しながら自分で進めることもできます。
当事務所への相談を検討される場合は、まずURL届出・変更届等についての対応可否、サポート範囲、対応地域、報酬をご確認ください。

