【必見】古物商許可が必要な取引・不要な取引の境界線!メルカリ不用品は?行政書士が解説

メルカリやフリマアプリで物を売っていると、

「不用品を売るだけでも古物商許可が必要なの?」
「中古品を仕入れて転売する場合は?」
「個人や副業なら許可はいらない?」

と迷うことがあります。

行政書士 小野
先に大切なポイントをお伝えすると、メルカリを使っているかどうかだけで古物商許可の必要・不要は決まりません。

自分で使っていた物や、自分で使うために購入したものの未使用だった物を売却するだけであれば、警察の公式案内では古物商許可は不要とされています。

一方、古物を買い取って販売する営業は、典型的に古物商許可が必要となるケースです。

ポイント

つまり、見るべきなのは「メルカリかどうか」ではなく、その商品をどう入手し、どのような取引をしているのかです。

この記事では、古物商許可が必要な取引・不要な取引の基本的な境界を整理し、自分の場合は何を確認すればよいのかまで解説します。

古物商許可が必要か不要かは「どこで売るか」だけでは決まらない

まず押さえておきたいのは、

メルカリで売る=古物商許可が必要

でも、

メルカリなら古物商許可は不要

でもないということです。

参考

警察庁の2026年5月14日付「古物営業法等の解釈運用基準」では、インターネット上のフリマサイトなどで行われる取引が古物営業に該当するかについて、取引の実態や営利性などに照らして個別具体的に判断する必要があるとされています。

そのため、最初から「メルカリ」「ヤフオク」「店舗」といった販売場所だけで考えると、判断を誤る可能性があります。

まずは大きく、

  • 何を売っているのか
  • その物をどのように入手したのか
  • 自分で使うための物だったのか
  • 販売するために古物を仕入れたのか
  • 営利目的で継続して行っている取引なのか

という順番で整理すると、自分のケースが見えやすくなります。

そもそも古物営業法の「古物」とは?

「古物」と聞くと、使い込まれた中古品をイメージするかもしれません。

しかし、古物営業法上の古物は、それだけではありません。

警察庁の解釈運用基準では、古物営業法上の「古物」には、

  • 一度使用された物品
  • 使用されていなくても、使用するために取引された物品
  • これらに本来の性質や用途を変えない程度の手入れをした物品

が含まれると整理されています。

特に注意したいのが未使用品です。

そもそも古物とは?こちらの記事で説明しています。

未使用・未開封だから「古物ではない」とは限らない

警察庁は、「使用のために取引されたもの」について、自分で使う、または他人に使わせる目的で購入等された物と説明しています。

そして、小売店などから一度でも一般消費者の手に渡った物は、まだ実際に使われていなくても古物に該当するとしています。

つまり、

未使用=必ず新品扱い=古物商許可とは無関係

とはいえません。

ここで重要なのは、さらにもう一段階あります。

「その物が古物であること」と、「その物を売るために古物商許可が必要であること」は別の問題です。

古物に該当する物を売ったからといって、それだけで直ちに古物商許可が必要になるわけではありません。

参考古物とは?古物営業法上の意味と中古品との違いをわかりやすく解説

「古物」と聞くと、古くなった中古品や骨董品をイメージするかもしれません。 しかし、古物営業法でいう「古物」は、単に古い物や一度使われた物だけを指すわけではありません。 ココに注意 まだ使用されていない ...

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古物商許可が必要な取引・不要な取引を比較

警察の公式案内をもとに、大きな違いを整理すると次のようになります。

取引の例古物商許可の考え方
自分で使っていた物を売る原則として不要
自分で使うために買ったが、未使用のまま売る原則として不要
古物を買い取って販売する営業必要
買い取った古物を修理して販売する営業必要
古物を買い取り、部品を取り出して販売する営業必要
古物の販売を委託され、販売後に手数料を受け取る営業必要
古物を買い取ってレンタルする営業必要
無償でもらった物を売る公式案内上は不要
自分自身が海外で買ってきた物を国内で売る公式案内上は不要

愛知県警は、これらを許可が必要なケース・必要ないケースとして具体的に案内しています。インターネット上で行う場合についても、古物を買い取って販売するなどの営業であれば、オンラインだから許可が不要になるわけではありません。

ただし、この表だけを見て自分の取引を機械的に判断するのはおすすめできません。

特に「自分の物」と「販売するために仕入れた物」の境界が重要です。

メルカリで自分の不用品を売るだけなら古物商許可は基本的に不要

メルカリを利用している人が最も気になるのは、

「家にある不用品を売っているだけでも許可が必要なのか?」

という点ではないでしょうか。

警察の公式Q&Aでは、

  • 自分で使用していた物
  • 自分で使うために購入したものの、結局使わなかった物

を売却するだけの場合には、古物商許可は必要ないと説明されています。

たとえば、自宅にある、

  • 着なくなった服
  • 買い替えで不要になったスマートフォン
  • 遊ばなくなったゲーム
  • 使わなくなった家電
  • 自分用に買ったものの使わなかった品物

などを整理する目的で売却するのであれば、典型的にはこの「自分の物を売る」ケースとして考えることになります。

未使用の不用品でも許可不要になることがある

ここは少し分かりにくいところです。

先ほど説明したように、一般消費者の手に渡った未使用品でも、古物営業法上は「古物」に当たることがあります。

しかし、自分で使うために買ったものの未使用だった物を、自分が売却するだけであれば、警察の公式案内では古物商許可は不要とされています。

つまり、

「古物かどうか」
と
「売却に古物商許可が必要かどうか」

を分けて考える必要があります。

この違いを理解しておくと、「未開封なのに古物なの?」「古物なら売るのに許可がいるの?」という混乱を整理しやすくなります。

不用品販売と転売・せどりの境界は「入手した目的」に注目

同じメルカリでの販売でも、

自分で使っていた物を処分すること

と、

販売するために古物を仕入れて売ること

では意味が違います。

愛知県警の公式Q&Aでも、自己使用品を売却するだけなら許可不要とする一方で、自己使用と言いながら実際には転売するために古物を買って保有している場合には、許可が必要と説明しています。

したがって、判断するときに特に確認したいのは、

「その物を手に入れた時点で、何のために取得したのか」

です。

不用品販売の典型

たとえば、

「自分で着るために服を買った」
「自分で使うためにスマホを買った」
「家で使っていた家電が不要になった」

という状態から売却するのであれば、不用品処分として整理しやすくなります。

転売・せどり側で確認が必要になる典型

一方、

「中古品を買って、別の人へ売ることを前提に仕入れる」

という取引を営利目的で継続して行うのであれば、古物商許可を検討すべき典型的なケースです。

警察の公式案内でも「古物を買い取って売る営業」は許可が必要なケースとして明示されています。

「せどり」という名称を使っているかどうかではなく、実際に何を買い、どう販売しているのかを見ることが重要です。

個人・副業なら古物商許可は不要?

「会社ではなく個人だから大丈夫」
「本業ではなく副業だから許可はいらない」

という考え方にも注意が必要です。

警察庁の解釈運用基準では、古物営業法上の「営業」は、一般に営利目的をもって同種類の行為を反復継続して行うこととされています。

さらに、本業として行う場合だけでなく、臨時的な副業・内職などでも「営業」と認められる場合があることが明記されています。

そのため、

個人だから不要
副業だから不要

という基準では判断できません。

見るべきなのは肩書ではなく、実際の取引内容です。

「1回だけ」「少額なら」古物商許可はいらない?

これもよく迷いやすいポイントです。

警察庁の解釈運用基準では、フリーマーケットやインターネット上のフリマサイト等の取引について、取引実態や営利性などから個別具体的に判断するとされています。

また、バザーやフリーマーケットについては、

  • 取引されている古物の価額
  • 開催頻度
  • 古物を買い受けた際の代価
  • 収益の使用目的

などを総合的に判断する考え方が示されています。

少なくとも、この警察庁の解釈運用基準に、

「○回売ったら許可が必要」
「○円を超えたら許可が必要」
「○円以下なら許可不要」

という全国一律の数値ラインは示されていません。

したがって、

「1回だから絶対に不要」
「少額だから大丈夫」

という単純な基準を自分で作るのは避けた方がよいでしょう。

取引全体の実態を見る必要があります。

自分に古物商許可が必要か迷ったら、この順番で整理する

代表例を見ても、自分の場合が完全には当てはまらないことがあります。

そのときは、次の順番で状況を整理すると、公的機関へ確認するときにも説明しやすくなります。

1.何を売っているのか

まず、商品そのものを整理します。

中古品なのか、未使用品なのか、自分で使っていた物なのかを確認してください。

2.その物をどうやって入手したのか

ここは特に重要です。

  • 自分で使うために購入した
  • 販売するために購入した
  • 他人から中古品を買い取った
  • 無償でもらった
  • 自分自身が海外で購入した

など、取得経緯によって考え方が変わることがあります。

3.取得したときの目的は何だったか

「使うために買ったが不要になった」のか、

「最初から売るために古物を仕入れた」のか、

を分けて考えます。

4.どのような販売をしているのか

販売回数だけを見るのではなく、

  • 営利目的か
  • 継続しているか、今後も続ける予定か
  • 古物の買い取りをしているか
  • 委託販売などを行っているか

など、取引の全体像を整理します。

5.分からないところだけ警察へ確認する

ここまで整理しても判断できなければ、曖昧なまま自己判断を続ける必要はありません。

たとえば、

「自分で使っていた物と、転売用に購入した物を同じアカウントで販売している」

といったケースでは、「メルカリを使っている」という情報だけでは判断できません。

どの商品を、どう入手し、何の目的で販売しているのかを整理して確認することが大切です。


古物商許可が必要か分からないときはどこへ確認する?

古物商の許可は、都道府県公安委員会による許可です。古物営業法第3条に、古物営業を営もうとする者は公安委員会の許可を受けなければならない旨が定められています。

具体的な確認や申請については、営業所所在地を管轄する警察署の古物営業担当部署などへ問い合わせる方法があります。

都道府県によって部署名や案内方法が異なることがあるため、自分の営業所所在地を管轄する警察の最新案内を確認してください。

問い合わせる際は、先ほどの、

  • 売っている物
  • 入手経緯
  • 入手した目的
  • 販売方法
  • 販売を継続する予定
  • 古物を買い取っているか

を整理しておくと、自分のケースを説明しやすくなります。


無許可営業には罰則もあるため、境界ケースは確認しておく

必要以上に怖がる必要はありませんが、許可が必要な古物営業を無許可で行う場合には罰則があります。

現行の古物営業法第31条では、許可を受けずに対象となる営業を営んだ場合、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています。

だからといって、メルカリで不用品を一つ売っただけで直ちに心配する必要がある、という意味ではありません。

大切なのは、

自分の取引が「不用品の売却」なのか、「古物を仕入れて行う営業」なのか分からない場合に、そのまま曖昧にしないこと

です。

よくある質問

メルカリで家の不用品を売るだけでも古物商許可は必要ですか?

自分で使用していた物や、自分で使うために購入したものの未使用だった物を売却するだけであれば、警察の公式案内では古物商許可は不要とされています。

ただし、「不用品」と呼んでいても、実際には販売目的で古物を仕入れている場合は同じ扱いにはなりません。

個人でせどりをする場合も古物商許可が必要ですか?

「個人だから」という理由だけで許可不要にはなりません。

古物を買い取って販売する営業は許可対象となる代表例です。また、警察庁は副業であっても古物営業法上の「営業」と認められる場合があるとしています。

実際の仕入れ・販売内容から判断する必要があります。

未使用・未開封の商品なら古物商許可は関係ありませんか?

未使用だからといって、必ず古物に該当しないわけではありません。

一般消費者の手に渡った物は、未使用でも「使用のために取引されたもの」として古物に該当することがあります。

一方、自分で使う目的で買った未使用品を自分で売るだけであれば、警察公式案内では許可不要とされています。

「古物かどうか」と「売却に許可が必要か」は分けて考えましょう。

1回だけの転売なら古物商許可はいりませんか?

回数だけで一律に判断するのは適切ではありません。

警察庁は「営業」について営利目的と反復継続性を示し、フリマサイト等の取引については取引実態や営利性などから個別具体的に判断するとしています。

「1回なら絶対不要」という独自基準ではなく、取得目的や今後の取引予定を含めて確認してください。


古物商許可の境界で迷ったら「何を売るか」より「どう入手したか」まで確認しよう

古物商許可が必要か不要かを考えるときは、

「中古品を売ったか」
「メルカリを使ったか」

だけを見るのでは不十分です。

特に重要なのは、

  1. その物がどのような物なのか
  2. どうやって入手したのか
  3. 自分で使う目的だったのか
  4. 販売するために古物を仕入れたのか
  5. 営利目的で継続して行う取引なのか

という点です。

自分で使っていた不用品を売るだけなら、公式案内上、古物商許可は不要です。

一方、古物を買い取って販売する営業は、古物商許可が必要となる代表的な取引です。

そして、その中間にあって判断しにくいケースについては、回数や金額だけで自己判断するのではなく、取引の実態を整理することが重要です。

自分の取引だけでは判断しにくい場合

不用品と転売用の商品が混在している場合や、取得経緯・販売方法から許可要否を判断しにくい場合は、まず取引内容を整理し、管轄警察署へ確認する方法があります。

また、

  • 自分の取引について論点を整理したい
  • 許可が必要と考えられるので申請準備へ進みたい
  • 警察へ確認する前に状況を整理したい

という場合には、古物営業の許認可を扱う行政書士へ相談することも選択肢です。

相談するときも、「メルカリで売っています」だけではなく、何を・どこから・何の目的で入手し、どのように販売しているかを整理しておくと、必要な確認へ進みやすくなります。

参考となる公的情報

この記事では、古物営業法の現行法および警察庁の「古物営業法等の解釈運用基準について(通達)」、都道府県警察の古物営業に関する公式案内を基礎として整理しています。警察庁の現行解釈運用基準は2026年5月14日付です。

制度や運用は変更される可能性があるため、実際に許可要否を判断・申請する際は、営業所所在地を管轄する警察の最新情報も確認してください。