「宅配買取なら、免許証のコピーを送ってもらえば本人確認になる?」
「ネットで身分証の画像をアップロードしてもらえば大丈夫?」
「非対面本人確認の方法が多すぎて、結局どれを使えばいいのか分からない」
宅配買取、郵送買取、インターネットを利用した買取など、相手と直接会わずに古物を買い取る場合は、対面取引とは異なる本人確認方法を検討する必要があります。
ココに注意
特に重要なのは、本人確認書類を受け取ることと法令上の本人確認が成立することは同じではない、という点です。
免許証のコピーや住民票の写しを送ってもらうだけでは、非対面本人確認としては足りません。
一方で、コピーや画像そのものが使えないわけでもありません。
注意ポイント
郵送・到達確認・本人名義口座への入金・リアルタイム撮影・ICチップなどを、法令で認められた方式の条件に従って組み合わせる必要があります。
この記事では、2026年9月時点の古物営業法・古物営業法施行規則・警察庁の現行解釈をもとに、
自社の宅配・ネット買取では、どの非対面本人確認方法を候補にすればよいのか
まで判断できるように整理します。
この記事で最初に押さえたいポイント
- 免許証コピーや住民票の写しを受け取るだけでは足りない
- コピー・画像そのものが禁止されているわけではなく、法定方式の一部として利用できる
- 警視庁は現在、非対面本人確認を15の実務的なパターンに分けて案内している
- 15個を暗記するより、郵送・口座・オンライン確認など、自社で使える仕組みから候補を絞る方が分かりやすい
- 画像・ICチップを使う方式でも、郵送・到達確認が必要な方式と、容貌画像等を組み合わせて確認する方式がある
- 「口座振込している」「集荷している」「eKYCを使っている」だけで判断しない
- 採用する法定方式について、必要な条件が一式そろっているかを確認する
- 本人確認後は、方式に応じた資料保存と古物台帳への記録まで確認する
非対面本人確認は、どの書類をもらうかではなく、どの法定方式として本人確認を成立させるかから考えるのがポイントです。
古物商の非対面本人確認は「免許証コピーだけ」では足りない
警視庁は、非対面取引について、免許証等のコピーや住民票の写しを送ってもらうだけでは本人確認にならないと案内しています。
したがって、
免許証コピーだけ
住民票の写しだけ
本人確認書類画像を送ってもらうだけ
で本人確認を完了させることはできません。
ただし、
コピーや画像そのものが使えない
という意味でもありません。
たとえば本人確認書類のコピー等を利用する方式では、
コピー等を受け取る
→
転送しない取扱いの郵便物等を送る
→
相手方へ到達したことを確認する
→
本人名義口座への代金入金を組み合わせる
といった条件があります。
つまり重要なのは、
「免許証をもらったか」ではなく、その取引が法定の確認方法として成立しているか
です。
非対面でも確認する基本事項は住所・氏名・職業・年齢
古物営業法上、相手方について確認する基本事項は、
- 住所
- 氏名
- 職業
- 年齢
です。
非対面だから、この4事項そのものが別になるわけではありません。
違うのは、
相手と直接会えない状態で、どの方法によって相手方の真偽を確かめるか
です。
古物営業法第15条では相手方確認について定められ、具体的な方法は古物営業法施行規則第15条にも定められています。
この記事では本人確認全体を繰り返し説明するのではなく、ここから非対面で使う具体的な方法に絞ります。
自社ではどの非対面本人確認方法を選べばいい?
非対面本人確認には複数の方法があります。
しかし、最初から法令の号数や15パターンを一つずつ比較する必要はありません。
まず、
自社で本人確認に何を利用できるのか
から考えると候補を絞りやすくなります。
| 自社で利用できる仕組み | 検討する方式の方向 |
|---|---|
| 電子署名・電子証明書を利用できる | 電子署名・電子証明書を使う方式 |
| 郵送を業務へ組み込める | 本人限定受取郵便、転送しない郵便+到達確認等 |
| 本人名義口座への支払いを使う | 住民票等・本人確認書類等と口座を組み合わせる方式 |
| スマホ・Webで本人確認したい | 本人確認書類画像・ICチップ・容貌画像等を利用する方式 |
| 過去に適法な本人確認をした顧客がいる | 本人を安全に再識別する継続取引方式 |
これは法令上の正式分類ではありません。
自社でどの方法を検討するかを絞るための整理です。
まず初回取引か、本人確認済みの相手かを分ける
初めて取引する相手なのか、過去に適法な本人確認を行った相手なのかで検討できる方式が変わります。
過去に取引したことがあるだけで本人確認が不要になるわけではありません。
継続取引の方式を利用するには、今回の相手が以前本人確認した本人だと安全に識別できる仕組みが必要です。
次に自社で利用できる仕組みを整理する
たとえば、
- 郵送
- 本人名義口座への振込
- リアルタイム撮影
- 本人確認書類のICチップ
- 電子署名・電子証明書
のうち、実際に利用できるものを整理します。
最後に候補となる方式の条件を一式確認する
ここが最も重要です。
本人名義口座へ振り込んでいるから大丈夫
ではありません。
宅配業者が集荷しているから大丈夫
でもありません。
eKYCサービスを契約したから大丈夫
とも限りません。
採用する法定方式について、
必要な資料
+
郵送・到達確認
+
口座・画像・ICチップ等の必要な措置
+
必要な保存
まで、成立条件がそろっているかを確認します。
警視庁は非対面本人確認を15の実務パターンに分けて案内している
自社で検討する方向が見えてきたら、法定方式の全体像を確認します。
警視庁は、現在の非対面本人確認について、実務上15のパターンに分けて案内しています。
ただし、
「法律に独立した15個の本人確認方法が並んでいる」
という意味ではありません。
古物営業法第15条第1項第3号の電子署名による方法と、同項第4号を受けた古物営業法施行規則第15条第3項の各方法を、警視庁が実務上分かりやすく整理したものです。
| 警視庁の案内 | 方法の概要 |
|---|---|
| 1 | 一定の電子署名がされた4事項の電磁的記録を利用 |
| 2 | J-LISの一定の電子証明書と電子署名を利用 |
| 3 | 特定認証業務の電子証明書と電子署名を利用 |
| 4 | 印鑑登録証明書と登録印を押した書面を利用 |
| 5 | 本人限定受取郵便物等を送り、到達を確認 |
| 6 | 本人限定受取郵便物等で代金を送付する契約 |
| 7 | 住民票の写し等+転送しない郵便等+到達確認 |
| 8 | 住民票の写し等+本人名義口座への代金入金 |
| 9 | 本人確認書類コピー等+転送しない郵便等+到達確認+本人名義口座 |
| 10 | 過去に本人確認済みの本人を安全に識別 |
| 11 | 異なる本人確認書類2点等+転送しない郵便等+到達確認 |
| 12 | ソフトウェアで撮影した本人確認書類画像+転送しない郵便等+到達確認 |
| 13 | 本人確認書類のICチップ情報+転送しない郵便等+到達確認 |
| 14 | リアルタイムの容貌画像+写真付き本人確認書類画像 |
| 15 | リアルタイムの容貌画像+写真付き本人確認書類のICチップ情報 |
この15個を同じ深さで覚える必要はありません。
自社で採用候補となる方式を絞り、その方式の条件を詳しく確認すればよい、という考え方です。
郵送を使う方法では「送った」だけで終わらない
郵送型の本人確認では、
何を送るか
だけでなく、
どの方法で送り、どこまで確認するか
が重要です。
本人限定受取郵便物等を使う方法
本人限定受取郵便物等を利用する方法があります。
受取時に一定の本人確認を行う仕組みを利用するものです。
したがって、
通常の宅配便を本人宛に送った
というだけで同じ扱いになるわけではありません。
「転送しない取扱い」と「到達確認」を組み合わせる方法
住民票の写し等や本人確認書類を利用する方式には、
記載住所へ転送しない取扱いの郵便物等を送り、相手方へ到達したことを確認する
ものがあります。
ここでは、
発送したこと
と
相手方へ到達したこと
を分けて考えます。
警察庁の現行解釈では、到達確認の例として、
- 受付番号等を相手方から連絡させる
- 送付した受付票等を古物と一緒に返送させる
- 専用の梱包材等を返送に利用させる
などが示されています。
全国共通の現行解釈を確認する場合は、警察庁の最新通達から確認できます。
住民票の写し・本人確認書類コピー・口座は単独で考えない
「住民票の写し」はコピーのことではない
非対面本人確認でいう「住民票の写し」は、
住民票を自分でコピーしたもの
という意味ではありません。
市区町村が発行する住民票の写し等を指します。
ただし、その住民票の写し等を受け取っただけで本人確認が終わるわけではありません。
方式によって、
- 転送しない郵便等と到達確認
- 本人名義口座への代金入金
などを組み合わせます。
免許証コピーを利用できる方式もある
本人確認書類のコピー等を使う方式もあります。
この場合も、
コピーだけ
では足りません。
たとえば、
本人確認書類コピー等
+
転送しない郵便等
+
到達確認
+
本人名義口座への代金入金
を組み合わせる方式があります。
十分に鮮明な写真画像やスキャンデータ等が、本人確認書類のコピー等として扱われる場合もあります。
したがって、
画像を使えるか使えないか
で判断するのではなく、
その画像を、どの法定方式の一部として使うのか
を見ることが重要です。
宅配業者の集荷サービスを使える場合も条件がある
宅配買取では、
「売主の住所へ宅配業者が集荷に行けば、住所確認になるのでは?」
という疑問もあります。
一定の方式では、宅配業者の集荷サービスを利用できます。
ただし、
宅配業者が集荷しただけで本人確認になるわけではありません。
利用する場合には、
- 古物商側が集荷を依頼する
- 宅配業者が申告された住所地へ実際に赴く
- 別の場所での集荷を認めない
- その住所地で集荷した記録が残る
といった条件に加え、採用する方式に応じた本人確認書類や本人名義口座への入金等の条件を確認します。
つまり、
集荷サービスを利用しているか
ではなく、
その集荷が採用する法定方式の条件として機能しているか
を見る必要があります。
画像・ICチップを使う方式は「郵送確認あり」と「容貌画像を組み合わせる方式」を分けて考える
オンライン本人確認で特に混同しやすいのが、
画像やICチップを使えば、すべて郵送なしで完結する
という考え方です。
警視庁が案内する方法12〜15を見ると、同じ画像・ICチップを利用する方式でも仕組みが異なります。
| 方式の方向 | 主な確認内容 | 郵送・到達確認 |
|---|---|---|
| 本人確認書類をその場で撮影する方式(警視庁12) | ソフトウェアで撮影した本人確認書類画像を利用 | 転送しない郵便等+到達確認を組み合わせる |
| ICチップ情報を使う方式(警視庁13) | 本人確認書類の真正なICチップ情報を利用 | 転送しない郵便等+到達確認を組み合わせる |
| 容貌画像+写真付き本人確認書類画像(警視庁14) | リアルタイムの本人の容貌と写真付き本人確認書類を照合 | この方式では転送しない郵便等を組み合わせる構成ではない |
| 容貌画像+写真付き本人確認書類のIC情報(警視庁15) | リアルタイムの容貌と真正なIC情報を利用 | この方式では転送しない郵便等を組み合わせる構成ではない |
この違いは、自社の方法を選ぶうえで重要です。
本人確認書類画像を使う=郵送不要
でも、
ICチップを使う=郵送不要
でもありません。
どの法定方式として利用するのかを確認してください。
本人確認書類をその場で撮影する方式
一部の方式では、古物商が提供するソフトウェアを利用して本人確認書類を撮影し、その画像を送信させます。
この場合には、
- 撮影後すぐ送信できる
- あらかじめ撮影した画像を利用しない
- 画像加工ができない仕組みになっている
などの条件があります。
なお、「古物商が提供するソフトウェア」は、古物商自身が一から開発しなければならないという意味ではありません。
第三者が開発した仕組みを利用することもできます。
ただし、警視庁の方法12では、この画像確認だけで終了するのではなく、転送しない取扱いの郵便等と到達確認も組み合わせます。
ICチップ情報を使う方式
本人確認書類のICチップ情報を利用する方式もあります。
警視庁の方法13では、ICチップ情報だけで終了するのではなく、その情報に記録された住所への転送しない郵便等と到達確認を組み合わせます。
また、ICチップ情報が真正なものであることを確認する必要があります。
単にスマートフォンのNFC機能で情報を読み取れることと、法令上の本人確認方式が成立することは別です。
本人の顔と本人確認書類画像を確認する方式
本人の容貌画像と、写真付き本人確認書類の画像を利用する方式があります。
この方式では、本人確認書類にある顔写真と本人の容貌が同じ人物であることを確認します。
あらかじめスマートフォンへ保存しておいた自撮り画像を送信するだけではなく、リアルタイム性を確保する仕組みが必要です。
顔画像と写真付き本人確認書類のIC情報を確認する方式
本人の容貌画像と、写真を含む本人確認書類のICチップ情報を利用する方式もあります。
この場合も、ICチップ情報が真正なものであることを確認する必要があります。
オンライン上で完結させたい場合は、
単に画像やICチップを使えるか
ではなく、
容貌画像との組合せを含め、警視庁の方法14・15等の条件を満たす仕組みになっているか
まで確認することが重要です。
マイナンバーカードは裏面画像を取得しない
非対面本人確認でマイナンバーカードの画像を利用する場合、警視庁は個人番号が記載された裏面画像を送信させないよう注意しています。
本人確認に必要だからといって、必要のない個人番号まで取得する運用にしないことが重要です。
電子署名・電子証明書を使う方法もある
非対面本人確認には、一定の電子署名や電子証明書を利用する方法があります。
たとえば、
- 一定の電子署名がされた住所・氏名・職業・年齢の電磁的記録を利用する方法
- J-LISが発行する一定の電子証明書を利用する方法
- 特定認証業務の電子証明書を利用する方法
などです。
ただし、
「電子方式だから郵送より簡単」
と一律には判断できません。
たとえば、警視庁が案内するJ-LISの電子証明書を利用する方式では、この方式を行う古物商側にも条件があります。
そのため、
「マイナンバーカードを使えるから、この方法を採用できる」
とだけ考えず、実施する側の要件や電子証明書の検証方法まで確認してください。
導入を検討するときは、
今使っている仕組み、または導入予定の仕組みが、法定方式のどの方法に該当するのか
から確認しましょう。
同じ相手との2回目以降も「以前確認したから」で省略しない
リピーターとの非対面取引には、過去に行った本人確認を利用する方式があります。
ただし、
「以前取引した人だから、もう本人確認は不要」
という仕組みではありません。
過去に適法な本人確認を行った本人について、
今回の相手がその本人であることを識別でき、第三者がなりすますことが困難な方法
で確認する必要があります。
ID・パスワード等を利用した会員ページなどが考えられますが、
メールや申込書へ会員番号やパスワードを書かせるだけ
では足りません。
考えるべきなのは、
2回目かどうか
ではなく、
前回確認した本人を今回も安全に識別できるか
です。
非対面本人確認で避けたいNG例
現在の本人確認方法を見直す場合は、次のような状態になっていないか確認しましょう。
| NGになりやすい考え方 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 免許証コピーをもらったから完了 | コピーを利用する法定方式の条件を一式満たしているか |
| 住民票の写しをもらったから完了 | 郵送・到達確認または本人名義口座等、採用方式の条件を満たしているか |
| 身分証画像をアップロードしてもらったから完了 | コピー等として使うのか、画像+郵送型なのか、容貌画像と組み合わせる方式なのかを区別する |
| ICチップを読み取ったから完了 | 郵送確認を組み合わせる方式なのか、容貌画像と組み合わせる方式なのかを確認する |
| 宅配業者が集荷したから完了 | 住所地での集荷等、採用方式の条件を満たしているか |
| 本人名義口座へ振り込んだから完了 | 口座だけでなく、その方式に必要な他の確認条件を満たしているか |
| eKYCを導入したから完了 | 実際の確認フローが古物営業法上の方式に該当するか |
| リピーターだから省略 | 過去の本人確認済み本人を安全に識別できる仕組みがあるか |
重要なのは、
確認手段をいくつ使っているか
ではありません。
採用する法定方式について、
成立条件が途中で欠けずにそろっているか
です。
法人から非対面で買い取る場合は取引担当者も確認する
取引相手が法人の場合、
法人の登記事項証明書を確認すれば本人確認が終わる
わけではありません。
警察庁の現行解釈では、古物営業法第15条の「相手方」は、現に取引の任に当たっている自然人とされています。
したがって、契約上の相手が法人でも、実際の取引担当者について本人確認を行います。
法人との非対面取引では、
法人に関する確認
と
実際の取引担当者の確認
を分けて考える必要があります。
具体的な法人確認・担当者確認・委任関係等については、法人取引の記事で詳しく整理しています。
フリマ・オークションから仕入れる場合も本人確認を確認する
ネット仕入れでは、
「フリマアプリやオークションサイト側が利用者確認をしているなら、古物商側の本人確認は不要では?」
と思うかもしれません。
しかし、フリマ・オークションを利用した取引であっても、古物商自身に本人確認義務がある取引では、古物商として必要な確認を行います。
つまり、
プラットフォームを利用していること自体が、古物商の本人確認義務を自動的に免除するわけではありません。
警視庁も、インターネットオークションやフリマアプリを利用する取引について相手方確認義務を案内しています。
警視庁でインターネット・フリマ取引の相手方確認義務を確認する
ただし、そもそも本人確認義務があるかは、
- 取引金額
- 古物の種類
- 買戻し等の例外
によって変わります。
1万円未満なら非対面本人確認は不要?
通常の買受けでは、対価の総額が1万円未満の場合、原則として本人確認義務の免除があります。
ただし、現在は7区分について、1万円未満でもこの免除がありません。
そのため、
「宅配買取で1万円未満だから本人確認は不要」
と金額だけで判断しないようにします。
また、一度に持ち込まれた物品の合計額で判断し、警察庁の現行解釈では1万円の判定に消費税を含めません。
具体的な7区分、2025年10月改正、金額の判定については別記事で詳しく整理しています。
1万円未満でも本人確認が必要になる7区分と判断方法を確認する
なお、未成年との取引には、古物営業法上の本人確認とは別に、地域の青少年保護に関する条例等の問題があります。
全国一律の本人確認ルールとして混同せず、未成年から買い取る場合は所在地のルールも別に確認してください。
非対面本人確認の後は、保存と古物台帳への記録まで確認する
本人確認方法を正しく選んでも、その後の保存・記録が残ります。
採用した方式によっては、
- 本人確認書類のコピー
- 本人確認書類の画像
などを取引記録とともに保存する必要があります。
一方、
すべての非対面本人確認で、本人確認書類のコピー保存が一律に必要
というわけでもありません。
保存対象は、採用する方式ごとに確認します。
また、記録対象となる取引では、古物台帳等へ、
どの本人確認措置を採ったのか
を記録します。
古物台帳については、本人確認とは別に、
- 記載事項
- 記入例
- 保存期間
- Excel管理
などを確認する必要があります。
自社の非対面本人確認フローはこの順番で点検する
最後に、自社の宅配・ネット買取へ当てはめて確認してみましょう。
STEP1 本人確認が必要な取引か確認する
まず、
- 何を買い取るのか
- 対価はいくらか
- 1万円未満でも例外となる古物ではないか
- 買戻し等の例外ではないか
を確認します。
STEP2 初回か、過去に適法な本人確認をした相手か確認する
単に「以前利用したことがある人」なのか、
法令上必要な本人確認を過去に済ませ、その本人を今回も安全に識別できる相手なのか
を分けます。
STEP3 自社で利用できる仕組みを整理する
たとえば、
- 郵送
- 本人名義口座への振込
- リアルタイム撮影
- ICチップ読み取り
- 電子署名・電子証明書
のうち、実際に利用できるものを整理します。
STEP4 候補となる法定方式を決める
利用できる仕組みから、
どの法定方式として本人確認を成立させるのか
を決めます。
STEP5 成立条件が一式そろっているか確認する
選んだ方式について、
- どの資料を受け取るか
- 郵便・集荷をどう行うか
- 到達をどう確認するか
- どの口座へ支払うか
- 画像・ICチップ等をどう取得・確認するか
- 郵送確認を必要とする方式か
- 何を保存するか
まで確認します。
STEP6 商品送付・査定・支払いとの順序をつなげる
本人確認方法を単独で作るのではなく、
申込み
→
本人確認
→
商品の送付・集荷
→
査定
→
代金支払い
→
記録・保存
までを、一つの買取フローとして整理します。
STEP7 不明点だけ所轄警察署へ具体的に確認する
自社の方法が法令上のどの方式に当たるか判断しにくい場合は、
「宅配買取をしたいのですが大丈夫ですか?」
という聞き方だけではなく、
- どの本人確認書類等を受け取るのか
- 郵送・集荷をどう使うのか
- 到達をどう確認するのか
- 代金をどの口座へ支払うのか
- 画像・ICチップ等を使うのか
- 何を保存するのか
まで整理して、所轄警察署の古物営業担当へ確認すると、自社の方法を具体的に説明しやすくなります。
まとめ|非対面本人確認は「何をもらうか」より「どの方式を成立させるか」で考える
古物商の非対面本人確認で重要なのは、
免許証・住民票・画像など、何を送ってもらうかだけで判断しないこと
です。
まず、
本人確認が必要な取引か
↓
初回か、本人確認済みの相手か
↓
自社で利用できる仕組みは何か
↓
どの法定方式を採用するか
↓
その方式の条件が一式そろっているか
↓
保存・古物台帳記録までできるか
という順番で考えます。
特に、
コピーだけ
画像だけ
ICチップだけ
口座だけ
集荷だけ
「eKYC」というサービス名だけ
で本人確認が成立したと判断しないことが重要です。
また、画像・ICチップを利用する方式でも、
郵送・到達確認を組み合わせる方式
と
容貌画像等を組み合わせて確認する方式
があります。
非対面本人確認の15パターンをすべて暗記する必要はありません。
自社で利用できる郵送・口座・オンライン確認等の仕組みから候補を絞り、
採用する法定方式について、必要条件を最初から最後まで満たせるか
を確認しましょう。
これから古物商許可を取得する方へ
これから古物商許可を取得し、宅配・ネット買取も予定している場合は、
許可を取得すること
と
許可取得後にどの本人確認方法で営業するか
を分けて考えておくと、営業開始後の準備を整理しやすくなります。
サクセスファン行政書士事務所では、古物商許可申請のサポートを案内しています。
申請書類の作成や古物商許可の申請手続について支援を利用したい場合は、サービス内容を確認したうえで、自分で申請するか専門家へ依頼するか検討してください。
すでに許可を取得して営業しており、現在の非対面本人確認方法を確認したい場合は、まずこの記事のSTEP1〜STEP6に沿って自社の取引フローを整理し、不明な条件を所轄警察署の古物営業担当へ確認する方法があります。

