古物商許可は海外仕入れでも必要?海外現地買付・海外EC・国内業者経由を整理

※制度情報は2026年9月時点の公的・公式情報を確認しています。

海外から古着やアンティーク、ブランド品などを仕入れて日本で販売したいとき、

「海外仕入れなら古物商許可はいらない?」
「eBayなど海外サイトから買う場合も同じ?」
「日本の輸入業者や購入代行を使ったらどうなる?」

と迷う方もいるでしょう。

結論からいうと、「海外仕入れ」という言葉だけで古物商許可の要否を一律に判断することはできません。

警察の公式Q&Aでは、

  • 販売者自身が外国で買い付け、国内に輸入したものだけを販売する場合は、古物商許可は不要
  • 他の業者が輸入したものを日本国内で仕入れて販売する場合は、古物商許可が必要

と明確に分けられています。大阪府警察と千葉県警察の公式情報はいずれも同じ内容です。

一方、海外EC、海外オークション、購入代行・輸入代行については、今回確認できた公開中の警察資料から、サービス名だけで「必要」「不要」と一律に分類できるところまでは確認できませんでした。

そのため大切なのは、

「海外の商品か」ではなく、自分が誰から、どのような取引で商品を仕入れるのかを見ること

です。

この記事のポイント

自分の仕入れ方現時点で確認できる扱い
自分自身が外国で買い付け、国内へ輸入したものだけを販売警察の公式Q&Aでは古物商許可は不要
他の業者が輸入したものを、日本国内で仕入れて販売警察の公式Q&Aでは古物商許可が必要
海外EC・海外オークション等で海外から購入「海外サイトだから」という理由だけでは一律判断しない
購入代行・輸入代行を利用「代行」という名称だけでは一律判断しない

まず、公式情報で結論が明確なケースと、取引実態を整理して個別確認した方がよいケースを分けると、自分の場合を考えやすくなります。

自分自身が外国で買い付けて輸入する場合は、公式Q&Aでは許可不要

大阪府警察の古物営業法Q&Aには、

「外国に行って雑貨などを買ってきて、日本で売る場合は、許可が必要ですか?」

という質問があります。

回答では、販売者自身が外国で買い付けをして国内に輸入したものを売るのみであれば、古物商許可は必要ないと明示されています。

千葉県警察にも同趣旨の回答があります。

ここで重要なのは、条件を広げすぎないことです。

公式Q&Aで直接確認できるのは、

販売者自身が外国で買い付ける
↓
国内へ輸入する
↓
その商品を販売する

というケースです。

したがって、

「商品が海外から来たから許可不要」

という意味ではありません。

また、このQ&Aだけを根拠として、

「海外のECサイトで購入すればすべて同じ」

とまで一般化することも避けた方が安全です。

大阪府警察「古物営業法Q&A」

他の業者が輸入したものを国内で仕入れる場合は許可が必要

一方、他の業者が海外から輸入した商品を、日本国内で仕入れて販売するケースは扱いが異なります。

大阪府警察と千葉県警察は、他の業者が輸入したものを日本国内で買い取って(仕入れて)販売する場合には、古物商許可が必要と案内しています。

たとえば、

  1. 日本の輸入業者が海外からアンティークを輸入する
  2. あなたが日本国内でその輸入業者から仕入れる
  3. 仕入れた商品を販売する

というケースです。

商品そのものは海外由来でも、あなた自身の取引は国内の業者からの仕入れです。

したがって、海外仕入れを判断するときは、

「商品はどこの国のものか」ではなく、「自分自身は誰から仕入れるのか」

を見ることが重要です。

海外ECやeBayなら古物商許可は不要、とまでは言えない

実務上、最も迷いやすいのがオンラインで海外から仕入れるケースです。

たとえば、

  • 海外ショップのECサイト
  • eBayなどの海外プラットフォーム
  • 海外のオンラインオークション
  • 海外在住の個人出品者

から中古品を購入し、日本へ発送してもらうケースがあります。

この場合、「海外サイトを使った」という事実だけで許可不要と判断するのは避けましょう。

大阪府警察・千葉県警察の公開Q&Aで明示されているのは、「販売者自身が外国で買い付けて国内へ輸入したもの」というケースです。今回確認した公開中の公的資料では、海外ECによる非対面購入をすべて同じ扱いにできるとまでは確認できませんでした。

eBay自身も、eBayポリシーとして古物商許可取得の必要性を定めているわけではなく、詳しくは申請先の警察署または公安委員会へ問い合わせるよう案内しています。つまり、eBayを使っていること自体が古物商許可の要否を決めるわけではありません。

海外ECで判断に迷った場合は、少なくとも次の事項を整理しておくと確認しやすくなります。

  • 実際の売主は誰か
  • 売主はどこにいるのか
  • 商品はどこから発送されるのか
  • 誰に代金を支払うのか
  • 日本国内の事業者が間に入るのか
  • 国内事業者が入る場合、どのような役割なのか

ただし、この中の一項目だけで許可要否が決まるという意味ではありません。

あくまで、自分の取引実態を公的窓口へ正確に説明するための整理材料です。

ネット取引の本人確認ルールと「許可が必要か」は別の問題

ここは混同しやすいため、分けて考えてください。

警視庁は、古物商がインターネットオークションやフリマアプリなどを利用して古物を買い受ける場合にも、相手方確認が必要であることを案内しています。

非対面取引では、法令で定められた方法による本人確認が必要です。

ただし、これは古物商として古物を買い受ける場合に課される義務の説明です。

このルールがあることだけを理由に、

「海外ECで買えば古物商許可が必要」

と結論づけることはできません。

反対に、

「海外ECだから古物商許可は不要」

とも言えません。

許可が必要かという問題と、許可を受けた古物商が非対面で買い受けるときの義務は、分けて考える必要があります。

この区別をしておくと、インターネット取引に関する警察資料を読んだときにも混乱しにくくなります。

購入代行・輸入代行も「代行」という名前だけで判断しない

購入代行や輸入代行を利用すると、

「海外の売主から直接買ったことになるのか」
「日本の代行会社から買ったことになるのか」

が分かりにくくなることがあります。

ここでも、サービス名だけで結論を決めるのは避けましょう。

「購入代行」「輸入代行」と呼ばれるサービスでも、実際の関与方法は同じとは限りません。

たとえば、

  • 海外売主との購入手続だけを代行する
  • 決済や国際発送を代行する
  • 商品をいったん国内事業者自身が取得し、その後あなたへ販売する

など、取引の形が異なる可能性があります。

今回確認できた公的な公開資料からは、

購入代行なら一律に必要
輸入代行なら一律に不要

といったルールまでは確認できませんでした。

そのため、代行サービスを利用する場合は、

誰が売主なのか
誰との間で商品を購入する契約になっているのか
代行会社がどのような立場で取引へ関与するのか

を確認してください。

それでも公式Q&Aのどちらのケースに当たるか判断しにくければ、取引関係を具体的に示して管轄の警察署へ確認するのが安全です。

「新品」「未使用品」なら古物ではない、とは限らない

海外仕入れでは、そもそも扱う商品が古物営業法上の「古物」に当たるのかも確認する必要があります。

古物営業法第2条では、「古物」を一度使用された物だけに限定していません。

使用されていない物品でも、使用のために取引されたものなどは「古物」に含まれます。

そのため、

  • 未使用
  • 新品同様
  • タグ付き

といった商品表示だけを理由に、「古物ではない」と判断することはできません。

まず商品が古物営業法上の「古物」に当たるのかを確認し、そのうえで仕入れ方法を見る、という順番が分かりやすいでしょう。

e-Gov法令検索「古物営業法」

自分の場合は5つの順番で整理する

ここまで読んでも自分のケースが分からない場合は、次の順番で整理してみてください。

1.仕入れる商品を確認する

まず、その商品が古物営業法上の「古物」に関係するものかを確認します。

「中古」「未使用」などの商品名だけでなく、どのような経緯で取引された商品なのかを見ることが重要です。

2.自分の直接の仕入れ相手を確認する

次に、

自分は誰から商品を取得するのか

を確認します。

海外現地の販売者なのか、海外EC上の売主なのか、日本国内の輸入業者なのか、代行会社等が関係するのかを整理します。

3.公式Q&Aで明確なケースに当たるか確認する

まず、

自分自身が外国で買い付けて国内へ輸入するケース

なのか、

他業者が輸入したものを日本国内で仕入れるケース

なのかを確認します。

ここで明確に分類できれば、公式Q&Aから判断しやすくなります。

4.分類しにくければ、実際の取引の流れを書き出す

海外ECや代行サービスなどで判断しにくい場合は、

売主
↓
決済
↓
代行・仲介
↓
発送
↓
自分が商品を取得

という流れを一度書き出してみましょう。

契約内容、注文画面、利用規約などから分かる範囲を整理しておくと、公的窓口にも状況を説明しやすくなります。

5.それでも分からない部分だけ管轄警察署へ確認する

公開されている公式情報だけでは判断できない場合、無理に自分で結論を作る必要はありません。

主たる営業所の所在地を管轄する警察署が古物商許可申請の窓口となる案内が、警視庁などから公表されています。

地域によって担当部署の名称等は異なることがあるため、所在地を管轄する警察署へ古物営業の担当窓口を確認するとよいでしょう。

警察へ問い合わせる前に整理しておきたいこと

「海外仕入れですが、許可は必要ですか?」

だけでは、実際の取引内容が十分伝わらない可能性があります。

問い合わせ前に、次の内容を整理しておくとよいでしょう。

  • どのような商品を仕入れるのか
  • 新品・中古・未使用品など、商品の状態や取引経緯
  • 誰から購入するのか
  • 売主はどこにいるのか
  • 商品はどこから発送されるのか
  • 誰へ代金を支払うのか
  • 購入代行・輸入代行・仲介業者等が入るのか
  • 入る場合、その業者は具体的に何をするのか
  • 仕入れ後、日本国内でどのように販売する予定なのか

重要なのは、「eBayです」「輸入代行です」とサービス名だけを伝えるのではなく、取引の流れを説明できる状態にしておくことです。

そうすれば、「何が分からないのか」も明確になり、確認すべき範囲を絞れます。

海外仕入れと古物商許可で迷ったときの結論

海外仕入れだからといって、古物商許可の扱いをすべて同じにすることはできません。

公的情報から明確に確認できるのは、

販売者自身が外国で買い付け、国内に輸入したものだけを販売する場合
→ 古物商許可は不要。

他の業者が輸入したものを日本国内で仕入れて販売する場合
→ 古物商許可が必要。

という区別です。

一方、

  • 海外EC
  • eBay等の海外プラットフォーム
  • 海外オークション
  • 購入代行
  • 輸入代行

などは、その名称だけで一律に判断するのではなく、自分が誰から、どのような取引で商品を取得しているのかを整理してください。

この記事で最も持ち帰ってほしいのは、

「海外か国内か」というラベルだけで考えるのではなく、自分自身の仕入れ取引を見る

という考え方です。

取引を整理したうえで公式Q&Aと照らし合わせ、それでも判断できない部分だけ公的窓口へ確認する。

この順番なら、不必要に迷いを増やさず、自分の場合に必要な確認へ進めます。

自分の取引を整理しても判断しにくい場合

海外ECや代行サービスなどでは、売主・決済・発送・仲介など複数の関係者が入り、公式Q&Aのどちらに該当するのか自分だけでは整理しにくい場合があります。

その場合は、まず管轄警察署へ具体的な取引内容を示して確認する方法があります。

また、

  • 自分の仕入れ方法を整理すること自体が難しい
  • 許可が必要な場合、そのまま申請準備まで進めたい
  • 複数の仕入れ方法を予定しており、事業開始前に整理しておきたい

といった場合は、古物商許可を扱う行政書士へ相談することも選択肢です。

専門家への相談を唯一の出口にする必要はありません。

自分で確認できる人は公的窓口へ確認し、個別整理や申請支援が必要な人は専門家を利用する。

自分に合う方法で、事業開始前に必要な確認を済ませることが大切です。

よくある質問

海外の商品を仕入れれば、古物商許可は不要ですか?

一律には判断できません。

販売者自身が外国で買い付けて国内に輸入したものだけを販売する場合は、警察の公式Q&Aで古物商許可は不要とされています。

一方、他の業者が輸入したものを日本国内で仕入れて販売する場合は、許可が必要とされています。

eBayや海外ECから直接買えば古物商許可は不要ですか?

「eBayだから」「海外サイトだから」という理由だけで、一律に許可不要とは判断できません。

今回確認した公開中の警察資料では、海外EC取引をすべて一律に分類できるところまでは確認できませんでした。

実際の売主、取引関係、国内事業者の関与などを整理し、公式Q&Aに当てはめにくければ管轄警察署へ確認してください。

日本の輸入業者から海外の中古品を仕入れる場合は?

他の業者が輸入したものを日本国内で仕入れて販売する場合について、警察の公式Q&Aでは古物商許可が必要とされています。

商品が海外由来かどうかではなく、自分自身が誰から仕入れるのかが重要です。

購入代行・輸入代行を使う場合は?

「代行」という名称だけでは一律判断できません。

誰が売主なのか、代行会社が何をするのか、商品を誰から取得する契約になっているのかを整理してください。

公開情報だけで判断できなければ、具体的な取引内容を管轄警察署へ伝えて確認するのが安全です。

未使用品なら古物商許可は関係ありませんか?

未使用というだけでは判断できません。

古物営業法上の「古物」には、一度使用された物品だけでなく、使用されていなくても使用のために取引された物品なども含まれます。