古物商のホームページ表示義務|5人以下でも許可番号等が必要なケース

「古物商はホームページに許可番号を載せる必要がある」と聞く一方で、「従業員が5人以下なら表示しなくてもよい」という情報を見て、どちらが正しいのか迷う方もいるでしょう。

結論からいうと、常時使用する従業者が5人以下でも、ウェブサイトを利用して古物取引をする場合は、5人以下を理由とする表示義務の免除は適用されません。

そのため、最初に確認するべきなのは従業者数ではなく、

「そのウェブサイトを古物取引に利用しているか」

です。

警察庁の2026年5月14日付「古物営業法等の解釈運用基準」でも、一般的なウェブサイト上の氏名等表示については5人以下等の免除がある一方、ウェブサイトを利用して古物取引をする場合、その免除を適用しないことが明記されています。

この記事では、「5人以下なら表示不要」という情報の意味から、自社が表示対象になるか、何をどこへ表示すればよいか、URL届出とは何が違うかまで順番に整理します。

この記事のポイント

1.5人以下なら必ず表示不要、ではありません
一般的なウェブサイト表示義務には5人以下の場合の免除があります。しかし、ウェブサイトを利用して古物取引をする場合は免除されません。

2.人数より先に「サイトをどう使っているか」を確認します
古物に関する情報を掲載し、電話・電子メール・郵便などの非対面手段で取引の申込みを受ける使い方かどうかが重要です。

3.表示するのは許可番号だけではありません
氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号を確認します。個人許可の場合、屋号だけの表示では足りません。

4.ホームページ表示とURL届出は別です
サイトへ必要事項を表示しても、URLに関する必要な手続まで済んだことにはなりません。

最初に判定|自社はどのケース?

まず、自社がどこに当てはまるか確認すると分かりやすくなります。

自社の状況ホームページ上の氏名等表示
ウェブサイトを利用して古物取引をしている必要。5人以下でも免除されない
古物取引には利用していない・管理サイトあり・常時使用する従業者6人以上必要
古物取引には利用していない・常時使用する従業者5人以下一般的な表示義務は免除
管理するウェブサイトを有していない一般的な表示義務は免除

警察庁は、一般的なウェブサイトへの氏名等表示について、①常時使用する従業者が5人以下、または②管理するウェブサイトを有していない場合には免除するとしています。

一方、ウェブサイトを利用して古物取引をする古物商については、これらの免除は適用されません。

つまり、

「5人以下か?」より先に「ウェブサイトを古物取引に利用しているか?」を確認する

のが判断の基本です。

なぜ「5人以下なら不要」と「5人以下でも必要」の両方の情報がある?

検索結果を見ると、

  • 5人以下なら表示不要
  • ネット取引なら5人以下でも表示必要

という、一見矛盾する情報が出てきます。

これは、異なる2つの場面を説明しているためです。

2024年4月1日施行の改正によって、インターネット取引をしていない古物商等についても、原則としてウェブサイト上に氏名等を掲載する制度が設けられました。ただし、常時使用する従業者5人以下などの除外があります。

これに対して、ウェブサイトを利用して古物取引をする「特定古物商」については、小規模事業者等の除外にかかわらず表示が必要です。警視庁もこの2つを明確に分けて案内しています。

したがって、「5人以下」という条件だけを切り取らないことが重要です。

「ウェブサイトを利用して古物取引をする」とは?

では、自社サイトがウェブサイト利用取引に当たるかをどう確認すればよいのでしょうか。

警察庁の解釈運用基準では、ウェブサイトに取り扱う古物に関する事項を掲載し、取引相手と対面せずに使える通信手段で取引の申込みを受ける方法が対象になります。

非対面の通信手段には、

  • 電話
  • 電子メール
  • 郵便

などが含まれます。

そのため、

「サイト内で決済できないから対象外」

とは限りません。

自社サイトで確認する3つのポイント

まずは次の3点を見てください。

  1. 古物に関する情報をウェブサイトへ掲載しているか
  2. 古物の売買・交換等の申込みを誘引しているか
  3. 電話・メール等の非対面手段でその申込みを受けているか

警察庁は、古物の売買・交換等について申込みの誘引を行っていないウェブサイトは、URL届出の対象となるウェブサイト利用取引には当たらないとしています。

つまり、「ホームページ」「ECサイト」といった名称で決めるのではなく、何を掲載し、どう申込みを受けているかという実態を確認します。

会社案内だけのホームページなら表示不要?

ここでは2つのルールを混同しないことが大切です。

古物の売買・交換等について申込みを誘引していない会社案内サイトであれば、ウェブサイト利用取引とは別に考えることになります。

ただし、

ウェブサイト利用取引ではない
=
ホームページへの表示が必ず不要

ではありません。

その場合は一般的なウェブサイト表示義務に戻り、

  • 常時使用する従業者が5人以下か
  • 管理するウェブサイトを有しているか

を確認します。

たとえば、古物取引には利用していなくても、管理するウェブサイトがあり、常時使用する従業者が6人以上であれば、一般的な氏名等表示の対象になります。

「5人以下」の5人には誰を数える?

ここでいう5人は、会社に関係する人を単純に全員数えた人数ではありません。

基準は**「常時使用する従業者」**です。

警察庁は「常時使用する従業者」を、労働基準法第20条にいう「あらかじめ解雇の予告を必要とする者」としています。

このため、

  • 会社役員
  • 個人事業主本人

は、常時使用する従業者には該当しないとされています。

一方、正社員、パート、アルバイトといった名称だけで一律に人数へ入る・入らないを決めるものではありません。

5人前後で結論が変わる場合は、雇用関係を確認したうえで判断する必要があります。

表示するのは古物商の許可番号だけではない

表示する「氏名等」は次の3点です。

  1. 氏名または名称
  2. 許可をした公安委員会の名称
  3. 許可証の番号

この3項目については、大阪府警「ウェブサイト上における氏名等の掲載義務について」でも確認できます。

さらに、これらは明瞭かつ通常人が読める大きさで表示する必要があります。

個人許可の場合は屋号だけでは足りない

個人で古物商許可を受けている場合には、許可を受けた本人の氏名を表示します。

警視庁「古物商許可申請をされる方へ」では、個人許可の場合に本人の氏名に代えて営業所の名称だけを掲載することは認められないと案内しています。

たとえば、

表示イメージ

氏名:山田太郎
許可公安委員会:〇〇県公安委員会
許可証番号:第[許可証に記載された番号]号

のように、実際の許可内容どおりに確認します。

※上記は説明用の仮例です。

ウェブサイト利用取引では「古物に関する事項と共に」表示する

特定古物商の場合、法令上は3つの氏名等だけを単独で表示するというより、取り扱う古物に関する事項と共に氏名等を表示することが求められます。

そのため、警察庁は取り扱う古物を掲載する個々のページへの表示を原則としています。

この点まで理解しておくと、「3項目だけを書いたページをどこかに作ればよい」という誤解を避けやすくなります。

許可番号等はホームページのどこに表示する?

個々の商品等のページへの表示が原則ですが、それ以外の方法も認められています。

警察庁は、

  • 古物を取り扱うウェブサイトのトップページに表示する
  • トップページ以外のページに表示し、そのページへのリンクをトップページに設定する

方法も認めています。

ただし、別ページへ置く場合は、法令に基づく表示をしているページへのリンクだと分かるものである必要があります。

そのため、

「会社概要のどこかに許可番号を書いたから大丈夫」

とだけ考えるのではなく、トップページから法定表示へ適切に到達できるかまで確認しましょう。

リンク名も、「こちら」などではなく、「古物営業法に基づく表示」のようにリンク先の内容が分かる表現にすると理解しやすくなります。

ECモール・フリマ・オークションなら対象外?

独自ドメインの自社ホームページでなければ関係ない、とも限りません。

実際に公安委員会が公表している古物商のURL一覧には、独自サイトだけでなく、外部プラットフォーム上のプロフィール・ショップ等のURLが掲載されている例があります。

ただし、

「このサービスを使えば必ず届出対象」
あるいは
「このサービスなら対象外」

とサービス名だけで一律判断することはできません。

固定的に利用するURLの状況や、古物情報の掲載方法、申込みの受け方など、実際の利用形態で確認する必要があります。

ホームページ表示とURL届出は別に確認する

ウェブサイトを利用して古物取引をする場合、サイト上への氏名等表示とは別に、URLについての手続も確認します。

警察庁の解釈運用基準では、古物商許可を申請する時点でウェブサイト利用取引をしようとする場合、そのURLを申請事項として届け出ます。

また、すでに許可を受けた古物商が、

  • 新たにウェブサイト利用取引を開始した
  • 届出済みのURLを変更した

場合にも届出が必要です。

つまり、

サイトに許可番号等を表示すること
と
URLについて必要な申請・届出

は別です。

「表示したからネット取引に必要な対応はすべて終わった」と判断しないようにしましょう。

実際の届出様式や記載例は、警視庁「申請届出様式等一覧」から確認できます。

自社サイトはどう確認する?4ステップで整理

迷った場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

STEP1 サイトを古物取引に利用しているか

古物に関する情報を掲載し、売買・交換等の申込みを電話・メール等を含む非対面手段で受けているか確認します。

STEP2 利用しているなら氏名等の表示を確認する

ウェブサイト利用取引をしている場合、5人以下を理由とする免除は適用されません。

氏名または名称、公安委員会名、許可証番号が適切に表示されているか確認します。

個人許可なら、屋号だけになっていないかも見てください。

STEP3 利用していないなら一般的な免除条件を確認する

ウェブサイト利用取引でない場合は、

  • 常時使用する従業者が5人以下か
  • 管理するウェブサイトを有しているか

を確認します。

STEP4 ウェブサイト利用取引ならURL手続も確認する

氏名等の表示とは別に、URLについて必要な申請・届出が済んでいるか確認します。

判断に迷ったら、警察へ確認する前にここを整理する

外部ECモール、オークション、フリマサービス、問い合わせフォームなどを利用している場合は、自分だけでは結論を出しにくいこともあります。

その場合は、次の情報を整理しておくと管轄警察署へ状況を伝えやすくなります。

  • 古物商許可を受けている個人・法人
  • 使用しているウェブサイトやページのURL
  • そのページに掲載している内容
  • 古物の購入・買取り・交換等の申込み方法
  • 電話・メール・フォーム等をどう使用しているか
  • 常時使用する従業者の人数
  • 現在表示している氏名・公安委員会名・許可証番号
  • URLに関する届出状況

特に外部サービスの場合は、

「○○を使っています」

だけではなく、

「このURLで、この情報を掲載し、この方法で申込みを受けています」

まで説明できる状態にしておくと確認しやすくなります。

まとめ|5人以下かより先に「サイトをどう使っているか」を確認する

古物商のホームページ表示義務では、

「従業員5人以下なら表示不要」

という情報だけで結論を出さないことが重要です。

一般的なウェブサイト表示義務には、常時使用する従業者5人以下の場合などの免除があります。

しかし、ウェブサイトを利用して古物取引をする場合、その免除は適用されません。

迷ったら、

  1. サイトを古物取引に利用しているか
  2. 利用しているなら必要な氏名等を表示しているか
  3. 利用していないなら一般的な免除条件に該当するか
  4. ウェブサイト利用取引ならURLについての手続も確認したか

の順番で確認してください。

自社サイトの使い方が境界的で判断しにくい場合は、URL、掲載内容、申込み方法、従業者の状況を整理したうえで管轄警察署へ確認するとよいでしょう。

ホームページ表示・URL届出で判断に迷っている方へ

「従業者は5人以下だけれど、本当に表示しなくてよいのか」
「自分のサイトがウェブサイト利用取引に当たるのか分からない」
「許可番号の表示だけでなく、URLの届出も必要なのか確認したい」

このような場合は、サイトのURL・掲載内容・申込み方法・従業者数を整理したうえで確認することが大切です。

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