中古品販売に古物商許可は必要?自分のケースを判断するポイントを解説

中古品を販売しようとしたとき、「古物商許可を取らないといけないのだろうか」と迷う方は少なくありません。

結論からいうと、中古品を売るからといって、すべての場合に古物商許可が必要になるわけではありません。

自分で使っていた物を不要になって売る場合と、転売するために古物を買い取って販売する場合では、扱いが異なります。

また、

  • メルカリで売る
  • 個人や副業で売る
  • 未使用・未開封の商品を売る

といった一つの条件だけで、許可が必要・不要と判断することもできません。

自分の場合を考えるときは、**「どこで売るか」より先に、「その物をどう取得し、何の目的で持っていたのか」**を確認することがポイントです。

この記事では、中古品販売と古物商許可の関係を、自分の取引に当てはめながら判断できるように整理します。

この記事のポイント

1.自分で使っていた不用品を売るだけなら、古物商許可は不要です。
自己使用していた物や、自分で使うために購入したものの未使用だった物を売却するだけの場合は、警察の公式FAQで許可不要とされています。

2.転売するために古物を買って販売する場合は、古物商許可が必要になります。
「不用品販売」という名前ではなく、実際にどのように商品を取得しているかを見ることが重要です。

3.メルカリ・個人・副業・未使用というだけでは判断できません。
販売場所や肩書き、商品の状態だけではなく、取得経緯や取引内容を確認します。

4.迷ったら「何を・どう取得し・何のために・どう売るか」を整理します。
この4点を整理すると、自分で公式情報を確認するときや警察へ問い合わせるときにも、状況を説明しやすくなります。

中古品販売に古物商許可が必要かは「売る物」だけでは決まらない

古物商許可について考えるとき、最初に押さえておきたいのが「古物」の意味です。

古物営業法上の「古物」は、すでに誰かが使った中古品だけではありません。

使用されていない物でも、いったん使用する目的で取引された物などは「古物」に含まれることがあります。

そのため、

「未使用だから古物ではない」
「未開封だから古物商許可は関係ない」

とは一律に判断できません。

一方で、古物に当たる物を売ったからといって、その売却すべてに古物商許可が必要になるわけでもありません。

重要なのは、その物をどのように取得したのか、何の目的で取得したのか、どのような取引をするのかです。

まず、代表的なケースを整理すると次のようになります。

販売するケース古物商許可の基本的な考え方
自分で使っていた物を売る売却するだけなら許可不要
自分で使うために購入したが、使わなかった物を売る売却するだけなら許可不要
転売するために古物を買って販売する許可が必要
全く無償で譲り受けた古物を販売する警察の公式FAQでは許可不要
メルカリなどインターネットで販売するネット販売かどうかではなく、取引内容で判断
個人・副業として中古品を販売する個人・副業というだけでは許可不要にならない

ここから、それぞれの違いをもう少し具体的に見ていきましょう。

自分で使っていた不用品を売るだけなら古物商許可は不要

自宅にある衣類、家具、家電など、自分で使っていた物を不要になったため売却する場合は、警察の公式FAQで古物商許可は必要ないとされています。

たとえば、自分で使っていた物をフリマアプリやインターネットオークションに出品するようなケースです。

また、自分で使用するために購入したものの、結局使わなかった物を売る場合についても、売却するだけであれば許可不要とされています。

ここで注目したいのは、

「売る時点で使用済みか、未使用か」よりも、「もともと何のために取得したのか」

という違いです。

自分で使うために買った物を不要になって売る場合と、最初から転売するために古物を購入する場合は、同じ未使用品であっても前提が異なります。

したがって、「新品だから」「未開封だから」と商品状態だけで判断するのではなく、取得目的まで確認しましょう。

転売するために古物を買って販売する場合は許可が必要

一方、転売するために古物を買い取り、それを販売する営業には古物商許可が必要です。

警察の公式案内では、許可が必要となるケースとして、たとえば次のような取引が挙げられています。

  • 古物を買い取って売る
  • 古物を買い取って修理などをして売る
  • 古物を買い取り、使える部品などを売る
  • 古物の販売を依頼され、販売後に手数料を受け取る
  • 古物を別の物と交換する
  • 古物を買い取ってレンタルする

中古品販売を事業や副業として始める方は、**「何を売るか」だけでなく、「商品をどのように仕入れるのか」**を確認することが重要です。

たとえば、見た目には同じ商品を販売していても、

  • 自分で使用するために買ったが不要になった
  • 最初から転売するために古物を購入した

では前提が違います。

「不用品として出品する」という呼び方だけで判断せず、実際の取得目的と取引内容を見る必要があります。

無料でもらった物を売る場合はどうなる?

「人からもらった物を売る場合はどうなるのか」と迷うこともあります。

警察の公式FAQでは、全く無償で引き取った古物を販売する場合は、古物商許可は必要ないと案内されています。

ここは、転売目的で古物を「買い取って」販売する場合との重要な違いです。

つまり、「販売するために手に入れたか」だけでは十分ではありません。

有償で買い取ったのか、全く無償で譲り受けたのかまで分けて考える必要があります。

反対に、実際には買い取りや交換など別の取引が含まれているのであれば、「もらった物だから許可不要」と単純には整理できません。

取得経緯が複雑な場合は、どのようなやり取りによってその物を取得したのかを整理して確認しましょう。

メルカリなどで中古品を販売する場合も「何を売るか」より取引実態を見る

「店舗ではなくメルカリで売るだけなら、古物商許可はいらないのでは?」と考える方もいるでしょう。

しかし、販売場所がインターネットだからという理由だけで、古物商許可が不要になるわけではありません。

警察の公式案内でも、古物を買い取って販売するなど、許可が必要となる古物営業をインターネット上で行うケースが示されています。

一方、自分で使用していた不用品をフリマアプリなどで売却するだけなら、インターネットを利用していることだけを理由に古物商許可が必要になるわけでもありません。

したがって、確認すべきなのは、

「メルカリを使うかどうか」ではなく、「メルカリでどのような物を、どのような経緯で取得して販売するのか」

です。

これはネットショップやインターネットオークションなどを利用するときも同様です。

なお、古物営業法上の許可とは別に、利用するフリマアプリやECサービス独自の利用規約・出品ルールが設けられている場合があります。

法律上の許可要否と、サービス側のルールは別の問題として確認してください。

個人や副業でも古物商許可が不要になるわけではない

「会社ではなく個人だから大丈夫」「本業ではなく副業だから許可はいらない」と考えるのも避けた方がよいでしょう。

古物商許可には個人で申請する仕組みもあるため、個人であること自体は許可が不要になる理由ではありません。

同様に、今回確認した警察等の公式情報では、

  • 副業なら不要
  • ○円以下なら不要
  • ○件以下なら不要
  • 1回だけなら必ず不要

といった一律の許可不要基準で説明されているわけではありません。

したがって、

「少額だから」
「副業だから」
「まだ数回しか売っていないから」

という点だけで判断するのではなく、何をどのように取得し、どのような取引をしているのかに戻って確認することが重要です。

自分に古物商許可が必要か迷ったときの4ステップ

ここまでの説明を読んでも、「結局、自分の場合はどう考えればよいのだろう」と迷うことはあるでしょう。

その場合は、次の4つを順番に整理してみてください。

1.何を販売するのか

まず、販売する物を整理します。

使用済みか未使用かだけでなく、古物営業法上の「古物」に当たり得る物なのかを確認します。

特に、「新品」「未使用」「未開封」という言葉だけでは判断しないことがポイントです。

2.その物をどうやって取得したのか

次に、取得経緯を確認します。

たとえば、

  • 自分で使用していた
  • 自分で使うために購入した
  • 転売するために古物を購入した
  • 全く無償で譲り受けた

などです。

中古品販売の許可要否を考えるうえで、この違いは重要です。

3.何の目的で取得したのか

自分で使うために取得したのか、最初から転売するためだったのかも整理します。

特に未使用品では、この違いを見落としやすいため注意してください。

4.どのように販売・取引するのか

店舗、フリマアプリ、ネットショップなど、販売方法も確認します。

ただし、販売場所だけを見て結論を出すのではありません。

買い取り、販売、交換、委託など、実際にどのような取引をするのかまで整理します。

判断するときはこの順番で考える

迷ったら、次の順番でメモしてみると整理しやすくなります。

何を売る?

どうやって手に入れた?

何のために手に入れた?

どんな方法・取引で売る?

それでも判断できない点だけ警察等へ確認する

この順番で考えると、「メルカリだから」「副業だから」といった一つの条件だけで判断してしまうのを避けやすくなります。

自分で判断できない場合は、取引内容を整理して警察へ確認する

古物商許可が必要かどうかは、個別の取引内容によって判断が変わることがあります。

典型的なケースに当てはめても結論が分からない場合は、推測したまま進めず、予定している取引内容を整理して警察へ確認する方法があります。

問い合わせる前に、少なくとも次の内容を整理しておくと状況を伝えやすくなります。

  • 何を販売する予定なのか
  • その物をどのように取得するのか
  • 自分で使用する目的があったのか
  • 転売するために買い取るのか
  • 無償で譲り受けた物なのか
  • どのような方法で販売するのか
  • 買い取り・交換・委託など、どのような取引をするのか

古物商許可を取得する場合、申請窓口は主たる営業所を管轄する警察署となります。

許可要否の判断で迷っている場合も、こうした取引内容を整理したうえで、管轄する警察署の生活安全担当窓口などへ確認するとよいでしょう。

許可が必要だと分かったら、次に申請について確認する

自分の取引には古物商許可が必要だと分かった場合、そこで初めて、

  • どこへ申請するのか
  • 何を準備するのか
  • どのような申請手続きになるのか

を確認していけばよいでしょう。

最初から申請書類などをすべて調べる必要はありません。

中古品販売をこれから始める段階なら、

許可が必要か確認する
→ 必要なら申請準備へ進む

という順番の方が、自分に必要な情報を整理しやすくなります。

自分で公式情報を確認しながら進めることもできます。

一方で、取引内容が複雑で許可要否を整理しにくい場合や、許可が必要と分かった後の申請準備まで自分で進めることに負担を感じる場合は、古物商許可を取り扱う行政書士へ相談することも選択肢の一つです。

中古品販売と古物商許可で迷ったら、まず「取得経緯」を確認しよう

中古品販売で古物商許可が必要か迷ったときは、

「メルカリだからどうか」
「副業だからどうか」
「未使用だからどうか」

と、一つの条件だけで判断しないことが大切です。

まず、

  1. 何を販売するのか
  2. どのように取得したのか
  3. 何の目的で取得したのか
  4. どのように販売・取引するのか

を整理してください。

特に、自分で使っていた物を売る場合と、転売するために古物を買って販売する場合は分けて考える必要があります。

また、全く無償で譲り受けた物の販売については、警察の公式FAQで許可不要とされているため、「販売目的で手に入れた」という一言だけで一括りにしないことも重要です。

自分のケースが典型例だけでは判断できない場合は、取引内容を整理したうえで管轄警察署へ確認しましょう。

制度を全部覚える必要はありません。

自分が何をしようとしているのかを正確に整理し、必要なところだけ確認する。

それが、中古品販売を始めるときの最初の一歩です。

よくある質問

1回だけ中古品を売る場合でも古物商許可は必要ですか?

「1回だけなら必ず許可不要」という一律の考え方ではなく、取得目的や取引内容を確認することが重要です。

たとえば、自分で使っていた不用品を売る場合と、転売するために古物を購入して販売する場合では前提が異なります。

回数だけで結論を出さず、何のためにその物を取得したのかまで確認してください。

未使用・未開封の商品なら古物商許可は不要ですか?

未使用・未開封という理由だけでは判断できません。

古物営業法上の「古物」には、使用されていなくても、使用する目的でいったん取引された物が含まれることがあります。

一方、自分で使用するために購入したものの使わなかった物を本人が売却するだけなら、警察の公式FAQでは古物商許可は不要とされています。

商品の状態だけではなく、取得目的を確認することがポイントです。

人から無料でもらった物を売る場合は古物商許可が必要ですか?

全く無償で引き取った古物を販売する場合については、警察の公式FAQで古物商許可は必要ないと案内されています。

ただし、実際には買い取りや交換など別の取引が含まれている場合は前提が変わります。

「もらった」という言葉だけではなく、どのような条件で取得したのかを確認してください。

メルカリで中古品を販売すると古物商許可が必要ですか?

メルカリを利用するという理由だけでは決まりません。

自分で使用していた不用品を売るのか、転売するために古物を買って販売するのかなど、実際の取引内容によって考える必要があります。

販売サービス名ではなく、取得経緯と取引実態を確認しましょう。

個人の副業なら古物商許可は不要ですか?

個人や副業というだけで古物商許可が不要になるわけではありません。

個人でも古物商許可を取得する制度があります。

「個人だから」「副業だから」という肩書きではなく、行っている取引がどのようなものなのかを確認してください。

少額の中古品販売なら古物商許可は不要ですか?

金額だけで判断するのは避けた方がよいでしょう。

今回確認した警察等の公式案内では、「○円以下なら許可不要」という一律基準で許可要否を説明しているわけではありません。

販売額だけではなく、商品をどう取得し、どのような取引として販売しているのかを確認してください。