楽天市場で中古品を販売しようとして、
「古物商許可を取れば、そのまま楽天市場で中古品を売れるのでは?」
と考えている方もいるでしょう。
結論からいうと、古物商許可を取得しただけで、楽天市場で中古品を販売できるとは限りません。
楽天市場では、中古品を取り扱う前に商材審査が必要です。現在公表されている条件では、中古品取扱い実績1年以上が申請条件とされ、申請する商材区分について一定時期の販売実績と、それに対応する仕入実績を示す資料も求められています。
つまり確認すべきなのは、
「古物商許可があるか」だけではなく、「楽天で中古品を販売できる状態まで何がそろっているか」
です。
※楽天市場の審査条件は2026年9月15日時点の公開情報を確認しています。申請時には最新の楽天公式情報も確認してください。
この記事のポイント
1.古物商許可と楽天市場の中古品審査は別です
古物商許可を持っていても、楽天市場で中古品の販売が自動的に認められるわけではありません。
2.楽天市場では「中古品取扱い実績1年以上」が申請条件です
「古物商許可を取得してから1年以上」という意味ではありません。
3.販売実績だけでなく、同一商品の仕入実績も確認されます
直近と1年以上前の販売・仕入資料を準備できるかが重要です。
4.条件を満たしても審査通過が保証されるわけではありません
楽天は取扱実績だけでなく、取扱商材や実店舗の有無なども含めて総合的に判断するとしています。
まず確認|楽天市場の中古品審査セルフチェック
まず、自社が現在どこまで準備できているか確認してみてください。
| 確認ポイント | チェックすること |
|---|---|
| 取扱実績 | 中古品取扱い実績が1年以上あるか |
| 直近の販売 | 申請日より6か月以内の販売を資料で示せるか |
| 過去の販売 | 申請日より1年以上2年未満の販売を資料で示せるか |
| 仕入実績 | 上記の販売商品と同一商品の仕入資料があるか |
| 商材区分 | 今回申請する商材区分についての実績になっているか |
| 個別条件 | 販売予定商品に追加資料・個別審査がないか |
これらは、審査通過を判定するチェックリストではありません。
楽天のガイドラインでは、中古品の取扱実績、取扱商材、実店舗の有無などから総合的に判断し、実績が十分でも商材の種類や仕入方法によっては不許可となる場合があるとされています。
一方、最初の「中古品取扱い実績1年以上」を満たしていない場合は、少なくとも現在公表されている申請条件を満たしません。
古物商許可と楽天市場の中古品審査は別に考える
楽天市場で中古品販売を始めるときは、次の3つを分けると整理しやすくなります。
| 確認するもの | 主な役割 |
|---|---|
| 古物商許可 | 中古品を仕入れて販売する営業についての法律上の許可 |
| 楽天市場への出店審査 | 楽天市場へ出店するための審査 |
| 中古品の商材審査 | 楽天市場で中古品を取り扱うための審査 |
楽天市場のFAQでも、中古品やブランド品は、事前の商材審査を通過した後に販売できると案内されています。
したがって、
古物商許可を取得した
=楽天市場へ出店できる
=中古品を販売できる
という関係ではありません。
法律上必要な許可と、楽天市場側で必要になる審査をそれぞれ確認する必要があります。
楽天市場の中古品審査では「1年以上の実績」と証明資料が重要
「古物商許可取得後1年以上」ではない
楽天市場が公表している申請条件は、
中古品の取り扱い実績が1年以上あること
です。
ここは特に誤解しやすいポイントです。
古物商許可証を取得してからの経過期間ではなく、実際に中古品を取り扱ってきた実績を確認します。
そのため、
「古物商許可を取って1年経てば楽天へ申請できる」
と単純に判断することはできません。
販売と仕入れを4つの資料で確認する
楽天市場の現在の案内では、申請する商材区分ごとに、主に次の4つの資料が求められています。
- 申請日より6か月以内に中古商材を販売したことを証明する書類
- その販売商品と同一商品の仕入れを証明する書類
- 申請日より1年以上2年未満に中古商材を販売したことを証明する書類
- その販売商品と同一商品の仕入れを証明する書類
販売資料として販売伝票、売上伝票、古物台帳など、仕入資料として仕入伝票、買取伝票、古物台帳などが例示されています。
したがって、確認するのは単なる「営業歴」ではありません。
いつ、何を販売し、その商品をどのように仕入れたのかを資料で対応させられるか
まで確認する必要があります。
申請する商材区分の実績になっているか
過去に中古品を販売していても、それだけで十分とは限りません。
楽天市場では、今回申請する商材区分についての販売実績が必要です。
たとえば楽天公式ページでは、中古ブランド品を申請する場合には、中古ブランド品についての実績という例が示されています。
「中古品販売歴は長い」ではなく、
楽天でこれから販売したい中古商材について実績を示せるか
まで確認しましょう。
古物商許可証以外にも資料が必要
中古品販売時の主な資料として、楽天市場は、
- 古物商許可証に相当する書類の写し
- 取扱予定の中古商材写真
- 販売実績を証明する資料
- 仕入実績を証明する資料
などを案内しています。
なお、楽天公式ページでは「古物商免許証の写し」という表現が使われていますが、警察の手続上の名称は「古物商許可証」です。
また、2020年3月31日以前に許可証を取得した場合には、「主たる営業所等の届出の証明」についても楽天公式ページに案内があります。
古物商許可を取ったばかりで中古品の実績がない場合は?
これから中古品販売を始める方にとって、ここが特に重要です。
たとえば、
- 中古販売を始めるために古物商許可を取得した
- まだ中古品の販売実績がない
- すぐ楽天市場へ出店したい
というケースです。
楽天市場の現在の申請条件は中古品取扱い実績1年以上です。
さらに、申請日より1年以上2年未満の販売実績と、その販売商品と同一商品の仕入実績を示す資料も求められます。
したがって、これから初めて中古品販売を始めるため、過去1年以上の取扱実績がない事業者は、現在公表されている申請条件を満たしません。
ただし、
「古物商許可を取得してから1年間待てばよい」
という意味ではありません。
確認するのは、
- 1年以上の中古品取扱実績があるか
- 申請する商材区分についての実績があるか
- 指定された時期の販売資料があるか
- その販売商品と同一商品の仕入資料があるか
です。
法人化や事業承継などで、過去の実績の名義と現在の申請者が異なる場合に、その実績をどのように扱えるかは公開情報だけでは一律に判断できません。
このような場合は、実績を利用できると自己判断せず、楽天市場へ個別に確認してください。
中古ブランド品・中古パソコンなどは追加条件にも注意
すべての中古品が同じ審査になるわけではありません。
楽天市場の現在の案内では、たとえば次の追加資料が示されています。
| 中古商材 | 追加資料の例 |
|---|---|
| 中古ブランド品 | 真贋マニュアル |
| 中古パソコン | 個人情報消去に関する情報 |
| 中古医療機器 | 中古医療機器事前通知に関する受領書 |
さらに楽天のガイドラインでは、中古ブランド品、中古ブランドノベルティ品、中古医療機器、中古パソコン等、中古携帯通信端末、中古特定小型原動機付自転車などについて、個別申請が必要な商材として案内されています。
一般的な「中古品」の条件だけを見て判断せず、販売する商品そのものに個別条件が設定されていないかまで確認してください。
最新の対象商材と必要資料は、楽天市場公式ページで確認できます。
楽天店舗には古物商の表示も必要
楽天市場のガイドラインでは、楽天市場で古物を販売する場合、
- 店舗トップページ
- 会社概要ページ
に古物商の表記を記載することが求められています。
記載項目は、
- 氏名または名称
- 許可公安委員会名
- 許可証番号
です。個人許可の場合は本人氏名、法人許可の場合は法人の正式名称を記載し、屋号や略称だけでは足りないと案内されています。
これは審査資料を準備することとは別に、実際に楽天店舗を運営する際に確認しておきたい項目です。
警視庁も、インターネットを利用して古物取引を行う場合には、許可公安委員会名、許可証番号、氏名または名称をホームページ上へ表示する必要があると案内しています。
楽天店舗のURLについても現在の届出状況を確認する
古物商許可を取得した後、新たにホームページを利用した古物取引を行う場合、URL等に関する変更届出が必要と警察の公式情報で案内されています。
URL変更時には、そのURLを使用する権限があることを疎明する資料が必要とされています。
ただし、
「楽天へ出店する人は全員、同じ新規届出を必ず行う」
と一律に考えないでください。
すでにどのURLを届け出ているかなど、現在の許可・届出状況によって確認すべき内容が変わります。
楽天出店前に、
- 現在届け出ているURL
- 楽天店舗で使用するURL
- 追加・変更届出が必要な状態か
を確認しておくとよいでしょう。
必要な条件をそろえても審査通過が保証されるわけではない
セルフチェックですべて「はい」になったとしても、
審査に通ると断定することはできません。
楽天のガイドラインでは、中古品の取扱実績、取扱商材、実店舗の有無などから総合的に判断するとされています。
さらに、実績が十分でも、商材の種類や仕入方法によっては不許可となる場合があると案内されています。
したがって、この記事で判断できるのは、
「現在公表されている申請条件・準備事項をどこまで満たしているか」
までです。
公開されている条件を満たすことと、審査結果を保証できることは分けて考えてください。
あなたの状況別|次にすること
| 現在の状況 | 次に確認すること |
|---|---|
| 古物商許可がない | まず自分の取引に古物商許可が必要か確認する |
| 許可はあるが取扱実績1年未満 | 現在公表されている楽天の申請条件を満たしていない |
| 1年以上の実績がある | 指定時期の販売・仕入資料を確認する |
| 実績・資料がそろっている | 商材区分と個別審査・追加資料を確認する |
| 楽天審査条件が不明 | 楽天市場へ確認する |
| 古物商許可・表示・URL届出が不明 | 警察・公安委員会の公式情報を確認し、必要に応じて専門家へ相談する |
楽天側の問題と古物営業法側の問題を分けると、確認先も明確になります。
楽天独自の審査条件
→ 楽天市場
古物商許可・表示・URL届出
→ 警察・公安委員会、必要に応じて行政書士
と考えると整理しやすいでしょう。
よくある質問
古物商許可があれば楽天市場で中古品を販売できますか?
古物商許可があるだけでは、楽天市場で中古品を販売できるとは限りません。
楽天市場では中古品について事前の商材審査があり、審査通過後に販売可能と案内されています。
古物商許可を取得して1年以上経てば申請できますか?
条件は「古物商許可取得から1年以上」ではなく、中古品取扱い実績1年以上です。
許可証の取得日だけではなく、申請する商材について必要な期間の実績と、それを証明する販売・仕入資料を確認してください。
必要資料を全部そろえれば審査に通りますか?
保証はされません。
楽天は取扱実績、取扱商材、実店舗の有無などから総合的に審査し、実績が十分でも商材の種類や仕入方法によって不許可となる場合があるとしています。
自分で海外から直接仕入れた中古品も同じ扱いですか?
ここは重要な例外があります。
警察の公式Q&Aでは、販売者自身が外国で買い付けて国内へ輸入した物だけを販売する場合、古物商許可は不要と案内されています。一方、他の輸入業者が輸入した物を国内で買い取って販売する場合は別です。
楽天市場のガイドラインでも、店舗自身が海外から直接輸入した中古品を販売する場合は、古物商許可と商材追加審査申請は不要と案内されています。ただし、商品ページで海外から直接輸入した中古品であることが分かる表示を求めています。
国内仕入れの中古品と同じ前提で判断しないようにしてください。
楽天市場の中古品審査は「許可があるか」ではなく「販売できる状態まで何がそろっているか」で考える
楽天市場で中古品を販売するときは、
古物商許可を持っているかだけで判断しないこと
が重要です。
基本的な確認順序は、
古物営業法上の前提
↓
中古品取扱い実績1年以上
↓
指定された時期の販売・仕入資料
↓
申請する商材区分との一致
↓
商材固有の追加条件
↓
楽天店舗での古物商表示・必要な届出の確認
です。
特に古物商許可を取ったばかりの方は、許可証の取得日ではなく、中古品取扱い実績と、それを証明できる資料を確認してください。
一方、実績や資料がそろっている方は、「これなら必ず通る」と考えるのではなく、商材別条件を楽天市場の最新公式情報で確認したうえで申請へ進みます。
このように整理すれば、
自分は今どこまで準備できていて、次に何を確認すればよいのか
を判断しやすくなります。

