外国人でも古物商許可は取れる?在留資格との関係と確認する順番

「外国人でも日本で古物商許可を取れるの?」

「今持っている在留資格のまま、中古品販売を始めても大丈夫?」

日本でリサイクルショップ、中古車販売、中古ブランド品の売買などを始めようとすると、古物商許可と在留資格の2つが気になる方も多いでしょう。

結論からいうと、外国籍であること自体は、古物営業法上の欠格事由として挙げられていません。

古物営業法施行規則も、外国人について「国籍等」が記載された住民票を申請書類として定めており、外国人による申請を制度上想定しています。

ただし、外国人が日本で実際に古物営業を始めるには、もう一つ確認が必要です。

それが在留資格です。

古物商許可を取得できるかと、現在の在留資格でその事業活動を行えるかは別の問題です。

この記事では、単純に「この在留資格なら○、これは×」と分類するのではなく、自分の場合に何を確認すればよいのかまで分かるように解説します。

この記事のポイント

  • 外国籍であること自体は古物商許可の欠格事由ではない
  • 古物商許可と在留資格は別々に確認する
  • 在留資格の名前だけでなく、自分が古物事業で実際に何をするかを見る
  • 「経営・管理」は2025年10月16日の改正後の制度で確認する
  • 外国人の申請書類は管轄警察の最新案内まで確認する

特に大切なのは、「古物商許可が取れるか」と「その在留資格で古物営業を行えるか」を一つの問題として考えないことです。

在留資格別|まず何を確認すればよい?

最初に自分がどこに当てはまるかを見ると、この記事を読み進めやすくなります。

現在の在留資格など最初に見るポイント主な次の確認
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者就労活動の種類に制限がない古物商許可側の条件・書類
経営・管理自分が古物事業を経営・管理する形か最新の「経営・管理」基準と古物商許可
技術・人文知識・国際業務などの就労資格自分の実際の仕事内容が在留資格の活動範囲に入るか経営活動との区別、必要に応じて入管確認
留学・家族滞在など資格外活動が必要か、許可された活動の範囲はどこまでか許可内容と実際の古物事業の内容

この表は「古物商をできる・できない」を機械的に判定する表ではありません。

自分が最初に何を確認するべきかを見つけるための表です。

在留資格によっては、本人が実際に行う仕事や事業内容によって判断が変わるためです。

外国人でも古物商許可を申請できる

古物営業を営もうとする場合は、古物営業法に基づいて都道府県公安委員会の許可を受ける必要があります。

古物営業法第4条には許可を受けられない場合が定められていますが、外国籍であること自体は欠格事由として列挙されていません。

また、古物営業法施行規則では、外国人について「国籍等」が記載された住民票の写しが申請書類として規定されています。

したがって、

「外国人だから古物商許可を申請できない」

という理解は適切ではありません。

ただし、外国人・日本人を問わず、古物営業法上の許可基準を満たす必要があります。

さらに外国人の場合は、古物営業法とは別に、在留資格上その活動を行えるかも確認します。

古物商許可と在留資格は別の制度

この区別が、今回の記事で最も重要なポイントです。

確認する制度主に確認すること
古物商許可古物営業法上、古物営業に必要な許可を受けられるか
在留資格本人が日本で予定している活動を行えるか

つまり、

古物商許可が取れた
=
現在の在留資格でもその事業を行える

とは限りません。

反対に、在留資格上その活動を行えるとしても、古物営業法上、古物商許可が必要な営業であれば別途許可が必要です。

そのため、自分の場合を調べるときは、

① 古物営業法側ではどうか

② 在留資格側ではどうか

に問題を分けると判断しやすくなります。

在留資格は「名前」より、本人が実際に何をするかを見る

外国人の古物商について調べていると、

「○○のビザなら大丈夫」

「○○なら古物商はできない」

といった情報を見かけることがあります。

しかし、活動内容によって認められる在留資格では、在留資格名だけでなく本人が実際に何をするのかが重要です。

たとえば、

  • 個人事業として自分で中古品を仕入れて販売する
  • 法人を設立して古物事業を経営する
  • 会社役員として経営や管理を行う
  • 古物を扱う会社に従業員として勤務する

では、本人の活動内容が異なります。

したがって、確認するときは、

現在の在留資格
↓
古物事業で本人が実際に行う活動
↓
その活動が在留資格の範囲に入るか

という順番で考えるのが基本です。

永住者などは就労活動の種類に制限がない

出入国在留管理庁は、入管法別表第二に掲げる在留資格について、就労活動に制限がないと案内しています。

該当するのは主に、

  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者

です。

したがって、在留資格上の就労活動の種類という点では、「技術・人文知識・国際業務」などの活動資格とは考え方が異なります。

ただし、

就労活動に制限がない
=
古物商許可が不要

ではありません。

古物商許可が必要な営業を行うのであれば、古物営業法上の許可は別途確認します。

自分で古物事業を経営するなら「経営・管理」を確認する

外国人が自ら会社等を経営し、中古品販売などの事業を行う場合は、在留資格「経営・管理」が関係することがあります。

「経営・管理」は、日本で貿易その他の事業を経営したり、その事業の管理に従事したりする活動を対象とする在留資格です。

ここで注意したいのが制度改正です。

「経営・管理」の許可基準は2025年10月16日に改正されました。

2026年9月現在は改正後の基準を前提に確認する必要があります。出入国在留管理庁の案内も2026年6月に更新されています。

また、現在の「経営・管理」の提出書類では、事業を営むために必要な許認可の取得等を証する資料も挙げられています。

古物事業であれば、古物商許可との関係も無視できません。

そのため、

「必ず在留資格を先に取ればよい」

「必ず古物商許可を先に取ればよい」

と一律に決めるのではなく、

  • 現在の在留資格
  • 予定する事業
  • 取得する必要がある許認可
  • 現在の準備状況

を整理して、両方の手続の関係を確認することが重要です。

「技術・人文知識・国際業務」は実際の仕事内容を見る

「技術・人文知識・国際業務」は、日本の公私の機関との契約に基づき、専門的な知識等を必要とする業務などに従事するための在留資格です。

現在の出入国在留管理庁の説明では、その活動から**「経営・管理」に該当する活動は除外**されています。

したがって、

「中古品を扱う会社で働いているから、古物事業に関係することは全部できる」

とも、

「中古品を扱う会社だから全部できない」

とも一律には判断できません。

確認するのは業種名ではなく、

  • 会社でどの業務を担当するのか
  • 雇用されて働くのか
  • 自分で事業を経営するのか
  • 経営・管理に実質的に関わるのか

という本人の活動です。

自分が行おうとする就労活動が現在の在留資格で認められるか具体的に確認したい場合には、就労資格証明書という制度もあります。

就労資格証明書は、その外国人が行うことのできる就労活動を証明する文書です。ただし、証明書自体が新しく就労を許可するものではありません。

留学・家族滞在などは資格外活動許可の内容まで確認する

「留学」や「家族滞在」などで在留している方が、現在の在留資格で認められた活動とは別に、収入を伴う活動を行う場合は、資格外活動許可との関係を確認します。

資格外活動許可には、活動内容や許可の種類による違いがあります。

出入国在留管理庁は、「家族滞在」について、一定の場合に1週28時間以内の収入を伴う事業運営等を包括許可の対象として案内しています。一方、個人事業主としての活動など、稼働時間を客観的に確認しにくい活動では個別の確認が必要になる場合があります。

したがって、

「週28時間以内なら古物事業は何でもできる」

と判断するのは避けてください。

確認するのは、

  • 現在の在留資格
  • 資格外活動許可を受けているか
  • どのような内容で許可されているか
  • 実際にどのような古物事業をするのか

です。

外国人が古物商許可を申請するときの必要書類

外国人が古物商許可を申請するときは、必要書類についても確認が必要です。

住民票は「国籍等」の記載を確認する

古物営業法施行規則では、外国人について、国籍等を記載した住民票の写しが規定されています。

警視庁の現在の古物商許可申請案内でも、外国人について国籍等が記載された住民票を案内しています。

法人申請の場合には、役員や営業所の管理者についても書類が必要になる場合があります。

身分証明書などは管轄警察署の最新案内を見る

必要書類の扱いについては、申請先の公式案内を確認してください。

たとえば福岡県警の現在の添付書類一覧では、外国人について、市区町村の「身分証明書」は取得できないため誓約書で代用すると案内しています。外国居住の外国人については、住民票の写しに代わる書面の提示が必要ともされています。

一方、警視庁のページでは必要書類の掲載方法が異なります。

このように、全国向けの記事だけを見て必要書類を決めるより、実際に申請する地域の警察署・都道府県警の最新案内を確認する方が安全です。

古物商を始める前に、この順番で確認する

情報を知っただけで終わらないよう、自分の場合の確認手順に整理すると次のようになります。

1.現在の在留資格を確認する

まず、自分が現在どの在留資格で日本に在留しているかを確認します。

2.古物事業で自分が何をするのか整理する

「中古品ビジネスをする」というだけでなく、

  • 自分で個人事業を経営する
  • 法人を設立して経営する
  • 役員として経営・管理する
  • 従業員として働く

など、自分の立場を具体化します。

3.その活動を現在の在留資格で行えるか確認する

身分・地位に基づく在留資格なのか、活動内容による在留資格なのかを確認します。

判断しにくい場合は、出入国在留管理庁の在留資格別案内、地方出入国在留管理官署、必要に応じて就労資格証明書などを利用して確認します。

4.古物商許可側の条件と必要書類を確認する

次に、

  • 古物商許可が必要な営業か
  • 古物営業法上の許可条件を満たすか
  • 管轄警察ではどの書類が必要か

を確認します。

古物商許可の申請窓口は、各都道府県警の案内を確認してください。たとえば福岡県警では営業所所在地を管轄する警察署の防犯係を申請窓口としています。

5.両方が関係する場合は、手続全体を整理する

在留資格の変更と古物商許可の両方が関係する場合は、一つずつ無関係に進めるのではなく、両者の関係を確認してから進めます。

特に「経営・管理」では、事業に必要な許認可の取得状況が申請資料にも関係します。

「どちらを先にするか」だけを考えるのではなく、両方の手続をどう成立させるかを見ることが重要です。

自分の場合が分からないときは、まず3つ整理する

「制度は分かったけれど、自分の場合はどうなのか分からない」

という場合は、まず次の3点を整理してください。

1.現在の在留資格

2.古物事業で自分が実際に行うこと

3.個人事業・会社経営・役員・従業員のどの立場なのか

この3点が分かれば、

  • 在留資格側で何を確認するのか
  • 古物商許可側で何を確認するのか
  • 両方の手続が必要なのか

を切り分けやすくなります。

行政機関や専門家へ相談するときも、

「外国人ですが古物商をできますか?」

だけではなく、この3点を伝えると確認しやすくなります。

よくある質問

永住者なら古物商を始められますか?

「永住者」は、在留資格上、就労活動に制限がありません。

ただし、これは在留資格上の話です。

古物商許可が必要な営業をする場合は、別途、古物営業法上の許可を確認します。

古物商許可を取れば「経営・管理」も取得できますか?

いいえ。古物商許可と在留資格「経営・管理」は別の制度です。

古物商許可を取得しただけで「経営・管理」が認められるわけではありません。

反対に、「経営・管理」の在留資格を持っていても、古物商許可が必要な営業について許可が不要になるわけではありません。

技術・人文知識・国際業務のまま古物関係の仕事はできますか?

在留資格名だけで一律には判断できません。

本人の実際の職務内容が「技術・人文知識・国際業務」の活動に該当するかを確認します。自ら事業を経営・管理する活動とは区別が必要です。

具体的な就労活動が現在の在留資格で認められるかを確認する制度として、就労資格証明書もあります。

「ビザ」と「在留資格」は同じですか?

日常会話では「就労ビザ」などの表現が広く使われますが、厳密には査証(ビザ)と在留資格は異なります。

今回重要なのは、日本でどのような活動を行うことができるかに関係する在留資格です。

古物商について調べるときも、「ビザ」という言葉だけではなく、自分の在留資格と実際の活動内容を確認しましょう。

まとめ|外国人の古物商は「許可」と「在留資格」を分ければ整理しやすい

外国人だからという理由だけで、古物商許可を申請できないわけではありません。

ただし、日本で実際に古物事業を行うためには、

古物営業法上、古物商許可を受けられるか

と、

現在の在留資格で、その事業における活動を行えるか

を分けて確認する必要があります。

迷ったら、

現在の在留資格
→ 自分が実際にすること
→ 在留資格上その活動が可能か
→ 古物商許可の条件・書類
→ 必要な個別確認

の順番で整理してください。

自分で確認できる部分は、出入国在留管理庁や管轄警察の最新公式情報を確認しながら進められます。

一方、

  • 在留資格変更と古物商許可の両方が関係する
  • 自分の仕事内容が現在の在留資格の範囲か判断しにくい
  • 法人の役員や管理者にも外国人がいる
  • どの手続から進めるか整理しにくい

といった場合は、個別確認を利用する方法もあります。

行政書士へ相談する場合は、現在の在留資格・予定する古物事業・自分の役割・個人か法人かを整理しておくと、相談を進めやすくなります。