トレカ販売に古物商許可は必要ですか?仕入れ方別に判断基準を解説

「集めていたトレカを売るだけでも古物商許可が必要?」
「メルカリなどでカードを仕入れて転売する場合は?」
「未開封BOXなら新品だから許可はいらない?」

このような疑問をお持ちの方も多いんではないでしょうか?

トレーディングカードの販売では、同じ「トレカを売る」という行為でも、古物商許可が必要になるケースと、そうではないケースがあるんです。

実は、トレカを売る人すべてに古物商許可が必要なわけではありません。

それを見極めるポイントは、

  • 自分で使う・集めるために取得したカードを、使用後に売るのか
  • 販売するために古物を買い受け、継続して売るのか

という違いです。

注意ポイント

愛知県警は、自己使用していた物や自己使用のために購入した未使用品を売却するだけなら古物商許可は必要ない一方、自己使用を名目にしていても、実際には転売目的で古物を買っている場合には許可が必要と案内しています。

まずは、自分の取引が次のどれに近いか確認してください。

予定しているトレカ取引古物商許可を考える方向
趣味で集めていたカードを整理して売る自己使用・コレクション目的で取得した物の売却として考える
自分用に買った未使用品を後から売る自己使用目的で取得した物なら、原則として許可不要の方向
一般の人から中古カードを買い取り、再販売する古物商許可を検討すべき中心的なケース
フリマ・オークション・中古店などから古物を仕入れ、再販売する古物の買受けを伴う営業に当たるか確認する
メルカリなどで販売するサービス名ではなく、仕入れと販売の実態で判断する
未開封BOX・未開封パックを扱う「未開封」という状態だけでは判断しない
個人・副業で継続的に売買する個人・副業だから許可不要とは限らない
オリパを販売するオリパという名称ではなく、封入カードの仕入れから確認する

大切なのは、「トレカだから」「メルカリだから」「未開封だから」という一つの条件だけで結論を出さないことです。

古物商許可が必要かどうかについては、次の順番で整理すると判断しやすくなります。

1.その商品は法律上の「古物」に当たるのか
2.その商品をどこから、何の目的で取得したのか
3.それをどのような取引で継続するのか

これらを詳しく見ていきましょう!

トレカの古物商許可で、大事なのは「どこで売るか」より「どう取得したか」

トレカ販売について調べていると、

  • メルカリならどうなるのか
  • ネットショップならどうか
  • 個人ならどうか
  • 副業ならどうか

といった点が気になりやすいと思います。

もちろん販売方法も無関係ではありません。

しかし、その前に確認したいのが、カードをどこから、何の目的で取得したのかです。

古物営業法では「古物」と「古物営業」をそれぞれ定義しています。

また、古物を売却することだけを行う営業など、古物営業の規制対象から除かれる取引も定められています。

つまり、

「トレカを売った」という結果だけでは、古物商許可の要否までは決まりません。

たとえば、

  • 趣味で集めていたカードを売る
  • 他人から中古カードを買って再販売する

では、どちらも表面的には「トレカを売る」行為ですが、許可を判断する前提が異なります。

そのため、自分のケースを考えるときは、まず仕入れ・取得の入口を整理するのが分かりやすい方法です。

「未開封=古物ではない」とは限らない

古物というと、「誰かが実際に使った中古品」をイメージするかもしれません。

しかし、古物営業法上の「古物」はそれだけではありません。

警察庁の現行の解釈運用基準では、「使用のために取引されたもの」について、自己が使用したり、他人に使用させたりする目的で購入等された物をいうとしています。

そして、小売店などから一度でも一般消費者の手に渡った物品は、まだ使用されていなくても「古物」に該当すると明示しています。

これは、未開封BOXや未開封パックを扱う場合に特に重要です。

たとえば、

  • シュリンクが付いている
  • 一度も開封されていない
  • 出品画面で「新品・未使用」と表示されている

という事情だけで、

「古物ではない」

と判断することはできません。

一方で、未開封品がすべて古物になるという意味でもありません。

重要なのは商品の見た目ではなく、その商品がどのような流通・取引を経て現在の所有者へ渡ったのかです。

トレカの入手方法を4つに分けると古物商許可がいるか判断しやすい

自分の場合に古物商許可が必要なのか迷ったら、まず扱うトレカを次の4つに分けてみてください。

A.自分用・コレクション用として取得したカード

たとえば、

  • 趣味で集めていたカードを整理する
  • トレカを引退するためコレクションを売る
  • 自分用として購入したものの、使用しなかった商品を売る

といったケースです。

愛知県警は、

  • 自己使用していた物
  • 自己使用のために購入したが未使用だった物

を売却するだけの場合には、古物商許可は必要ないと案内しています。

ここで重要なのは、

「現在、自分が所有しているか」だけではなく、「何の目的で取得したか」

です。

自分名義で購入したカードであっても、実態として最初から転売目的で古物を買い受けているのであれば、単なるコレクション整理と同じようには考えられません。

B.一般の人から中古カードを買い取り、再販売する

カードショップやトレカ買取事業などで、

一般の人からカードを買う
→ そのカードを販売する

という取引を行うケースです。

これは古物商許可を検討すべき代表的な取引です。

愛知県警も「古物を買い取って売る営業」を許可が必要なケースとして明示しており、インターネット上で同様の営業をする場合も含めています。

そのため、一般消費者から中古カード等を買い取り、販売する事業を予定しているのであれば、営業開始前に古物商許可との関係を確認する必要があります。

C.フリマ・オークション・中古市場などから仕入れて再販売する

メルカリなどのフリマサイト、ネットオークション、中古カード店などから商品を購入して再販売するケースです。

ここでも見るべきなのは、

「どのサイトを使ったか」ではなく、古物を買い受けて再販売する営業なのか

という点です。

警察庁の解釈運用基準は、リサイクルショップ、バザー、フリーマーケット、インターネット上のフリマサイト等で行われる取引について、取引の実態や営利性等に照らして個別具体的に判断する必要があるとしています。

したがって、

「メルカリだから許可不要」

という判断はできません。

反対に、

「メルカリで一度カードを売ったら許可が必要」

という話でもありません。

自分が、

  • 何を取得しているのか
  • どこから取得しているのか
  • 何の目的で取得しているのか
  • その売買をどの程度継続しているのか

を確認する必要があります。

D.一般消費者への使用目的の取引を経ていない新品流通から仕入れる

新品流通から仕入れる物については、一般消費者の手に渡った未使用品と区別して整理する必要があります。

警察庁が古物として説明している未使用品は、**「使用のために取引されたもの」**です。

つまり、

未開封かどうか

ではなく、

その商品が「使用のための取引」をすでに経ているのか

を見ることになります。

ただし、このDに当てはまるように見えるからといって、個別の仕入れ形態について自動的に「古物商許可は不要」と結論づけるものではありません。

新品と二次流通品を両方扱う場合や、仕入れ経路が複数ある場合は、それぞれを分けて整理しておく方が安全です。

トレカの仕入れを整理したら「営業として行うのか」を確認する

次に確認したいのが、取引を「営業」として行っているかです。

警察庁の解釈運用基準では、「営業」について、一般に営利目的で同種類の行為を反復継続して行うこととし、その判断は行為の実情に即して客観的に行うとしています。

また、本業だけではなく、臨時的な副業や内職などであっても「営業」と認められ得ることが明示されています。

したがって、

  • 個人だから
  • 副業だから
  • 売上がまだ小さいから

という事情だけで許可不要とは判断できません。

一方、警察庁の基準は、

「年間○回売ったら営業」

「売上○円以上なら営業」

といった単一の回数や金額だけで線引きする考え方でもありません。

取引の目的や継続性などを含めた実態を見ることが重要です。

メルカリやネット販売でも、判断の中心は同じ

メルカリ等のフリマサイトやネットオークションを利用する場合も、基本的な判断方法は変わりません。

たとえば、

趣味で集めていたカードをメルカリで処分する

場合と、

メルカリ等から古物を仕入れ、営利目的で継続して再販売する

場合では、取引の実態が異なります。

警察庁も、インターネット上のフリマサイト等について、取引の実態や営利性等から古物営業への該当性を個別具体的に判断するとしています。

つまり、販売方法だけを見て、

「ネットなら不要」

「店舗なら必要」

と分けることはできません。

仕入れから販売までを一本の流れとして確認することがポイントです。

自分に古物商許可が必要か迷ったら、この5点を整理する

ここまで読んでも、自分のケースが明確に分からないことはあります。

その場合は、「古物商許可が必要ですか?」とだけ考えるより、次の5点を具体化してください。

1.何を扱うのか

  • シングルカード
  • BOX
  • パック
  • 未開封商品
  • その他の商品

2.誰から取得するのか

  • 一般消費者
  • フリマサイトの出品者
  • 中古カード店
  • 新品流通
  • その他の事業者

3.何の目的で取得するのか

  • 自分で使うため
  • コレクションするため
  • 最初から販売するため

4.どのような取引をするのか

  • 自分の所有品を売るだけ
  • 一般の人から買い取る
  • 古物を仕入れて再販売する
  • 新品と二次流通品の両方を扱う

5.どのように事業を行うのか

  • 店舗で販売する
  • ECサイトで販売する
  • フリマサイトを利用する
  • ネットオークションを利用する
  • 買取も行う
  • 複数の販売・仕入れ方法を組み合わせる

ここまで整理すると、

「トレカを販売したいのですが許可は必要ですか?」

という抽象的な質問から、

「一般消費者から中古カードを買い取り、ネットで継続的に販売する予定です」

という具体的な確認に変わります。

管轄警察署や専門家へ確認する場合も、取引の流れを具体的に説明できる方が、確認すべきポイントが明確になります。

古物商許可が必要そうなら、次は申請について確認する

取引を整理した結果、

一般消費者や二次流通から古物を買い受け、それを販売する営業に当たりそう

という場合は、次に古物商許可の申請について確認します。

この記事では、申請方法や必要書類まで詳しく扱いません。

申請段階では、

  • どこへ申請するのか
  • 営業所をどう整理するのか
  • どの古物区分を取り扱うのか
  • どのような書類を準備するのか

などを、自分の営業形態に応じて確認していくことになります。

反対に、趣味で集めたコレクションを手放すだけの人まで、最初から申請手続を調べる必要はありません。

まず、自分の取引が許可を必要とする古物営業に当たりそうかを整理する。
そのうえで、必要なら申請へ進む。

この順番の方が、不要な調査や手戻りを減らしやすくなります。

よくある質問

未開封BOXなら古物商許可は不要ですか?

未開封という理由だけでは判断できません。

警察庁は、小売店などから一度でも一般消費者の手に渡った物品については、まだ使用されていなくても古物に該当すると説明しています。

シュリンクの有無など商品の状態だけではなく、どのような流通・取引を経て取得した商品なのかを確認してください。

トレカを1回売っただけでも古物商許可は必要ですか?

「1回だから必要」「1回なら不要」と取引回数だけで一律には判断できません。

自分用に取得したカードを売るのか、販売目的で古物を買い受けているのかなど、取引の目的や実態を確認する必要があります。

警察庁も「営業」について、営利目的で同種類の行為を反復継続して行うことを一般的な考え方とし、実情に即して客観的に判断するとしています。

メルカリでトレカを売る場合も古物商許可が必要ですか?

メルカリ等を利用すること自体では決まりません。

自分の不要なコレクションを売るケースと、古物を販売目的で買い受け、継続的に販売するケースは分けて考えます。

警察庁もインターネット上のフリマサイト等について、取引の実態や営利性等に照らして個別具体的に判断するとしています。

副業のトレカ転売でも古物商許可が必要になることはありますか?

あります。

警察庁の解釈運用基準では、本業だけでなく、副業や内職等として行う場合であっても、実態によって「営業」と認められ得るとされています。

副業という肩書だけではなく、何を仕入れ、どのような目的で継続して売買しているのかを確認してください。

オリパ販売には古物商許可が必要ですか?

「オリパ」という名称だけで一律に必要・不要を判断するのは避けた方がよいでしょう。

まず確認したいのは、オリパへ封入するカードをどこから、どのような目的で取得しているかです。

古物に当たるカードを二次流通などから販売目的で買い受けているのであれば、オリパを組む前の仕入れ段階から古物営業との関係を確認する必要があります。

具体的な営業モデルについて判断が難しい場合は、仕入れから販売までの流れを整理して管轄警察署などへ確認してください。

トレカは古物商許可では何の区分ですか?

古物は古物営業法施行規則により13区分に分類されています。

山梨県警の公式解説では、トレーディングカードは**「道具類」**の具体例として掲載されています。

全国法令そのものに「トレーディングカード」という名称が直接例示されているわけではないため、実際の申請では、自分が扱う商品と営業内容を整理したうえで管轄警察署にも確認するとよいでしょう。

トレカの古物商許可についてまとめ

トレカ販売で古物商許可が必要なのか迷ったときは、

「ポケカだから」
「メルカリだから」
「未開封だから」
「副業だから」

という一つの条件だけで結論を出さないことが重要です。

まず、

1.その商品がどのような流通を経ているのか
2.どこから、何の目的で取得したのか
3.古物を買い受けて再販売する取引を営業として行うのか

を整理してください。

特に、

自分で使う・集めるために取得した物を手放すケース

と、

一般消費者や二次流通から古物を買い受け、販売するケース

を最初に分けると、自分の状況を整理しやすくなります。

未開封BOX、メルカリ、副業、オリパといった個別の疑問も、まずこの取引の流れを整理してから考えると、確認すべき点が見えてきます。

自分のトレカ事業に許可がいるか判断しにくい場合は…

仕入れ先が一つだけなら整理しやすい一方、

  • 一般消費者からの買取も行う
  • フリマサイトからも仕入れる
  • 新品と二次流通品の両方を扱う
  • 未開封BOXも扱う
  • オリパ販売も予定している

といった事業では、単純な「必要・不要」の一覧だけでは判断しにくくなります。

その場合は、この記事で整理した、

「誰から何を取得し、何の目的で仕入れ、どのように販売するのか」

を書き出したうえで、管轄警察署へ確認する方法があります。

また、自分での整理が難しい場合や、許可が必要となった後の申請準備まで含めて進めたい場合には、古物商許可を取り扱う行政書士へ相談することも選択肢の一つです。

相談する場合も、「トレカを売りたい」とだけ伝えるのではなく、仕入れから販売までの流れを整理しておくことが、具体的な確認につながります。

主な公的資料

本記事の制度上の重要部分は、主に以下の公的資料を確認して作成しています。

  • 古物営業法(e-Gov法令検索)
  • 「古物営業法等の解釈運用基準について」(警察庁・令和8年5月14日)
  • 「古物営業法Q&A」(愛知県警察)
  • 「許可・届出の要否の確認」(愛知県警察)
  • 「古物営業関係解説」(山梨県警察)