「古物商許可証って、古物商許可と何が違うの?」
「お店に飾る青いプレートが許可証?」
「許可証はいつも持ち歩かないといけない?」
古物商許可を申請している方や、これから古物ビジネスを始めようとしている方には、このあたりが少し分かりにくいかもしれません。
最初に整理すると、「古物商許可」と「古物商許可証」は同じものではありません。
ココがポイント
古物営業を行うために公安委員会から受けるのが古物商の許可で、その許可を受けた後に交付される書面が古物商許可証です。
さらに、営業所に掲示する「古物商プレート(標識)」や、インターネット上に表示する許可情報、従業員が行商するときに携帯する「行商従業者証」も、それぞれ別のものです。
この記事では申請方法や必要書類をもう一度最初から説明するのではなく、古物商許可証そのものを中心に、似ているものとの違いと、受け取った後に確認しておきたいことを整理します。
古物商許可証とは?まず「許可」と「許可証」の違いを整理しよう
古物営業法では、古物営業を営もうとする場合、都道府県公安委員会の許可を受けることが定められています。
そして公安委員会が許可をした場合、その人や法人に交付されるのが「許可証」です。
つまり、簡単に整理すると次のようになります。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 古物商許可 | 古物営業を行うために公安委員会から受ける許可 |
| 古物商許可証 | 許可を受けた後に公安委員会から交付される書面 |
| 許可証番号 | 許可証などに記載される許可を識別する番号 |
| 古物商標識 | 営業所などに掲示する標識、いわゆる古物商プレート |
| 行商従業者証 | 従業員などが行商をするときに携帯する証票 |
特に間違えやすいのが、「古物商許可証」と「古物商プレート」は別物という点です。
古物商許可証が交付されたからといって、その許可証そのものを営業所の壁に掲示するわけではありません。
営業所などで掲示するものについては、後ほど詳しく整理します。
なお、「そもそも自分には古物商許可が必要なのか」「古物商許可をどうやって取るのか」という段階の方は、古物商許可全体を解説した記事から確認した方が分かりやすいでしょう。
古物商許可証には何が書かれている?
古物商の許可証は、古物営業法施行規則で様式が定められています。
現在の古物商許可証には、主に次のような情報が記載されます。
- 許可証番号
- 交付年月日
- 公安委員会名
- 氏名または名称
- 生年月日
- 住所または居所
- 法人の場合は代表者に関する事項
- 行商をするか、しないか
- 異動事項や異動年月日
許可証を受け取ったら、しまい込む前に、氏名・名称や住所、行商の別などが自分の申請内容と合っているか確認しておくとよいでしょう。
「扱う古物の13品目」が全部書かれているわけではない
ここは誤解しやすいところです。
古物商許可の申請では、美術品類・衣類・時計宝飾品類など、取り扱う古物の区分を考える必要があります。
ココに注意
しかし、だからといって、古物商許可証の券面に「申請した13品目がすべて一覧で印刷されている」と考えるのは正確ではありません。
申請時に決める古物の区分と、許可証そのものに記載される事項は分けて考えましょう。
取り扱う古物の区分をどう選べばよいかについては、品目を解説した別記事で確認する方が迷いません。
古物商許可証はいつ、どこでもらう?
古物商許可の申請をしたその日に、許可証を受け取れるわけではありません。
申請後に審査が行われ、公安委員会から許可を受けると、古物商許可証が交付されます。
ここで注意したいのは、実際の受取方法や案内方法まで全国すべての警察署で同じとは限らないことです。
許可が出た後の連絡方法や、許可証をどこでどのように受け取るかについては、申請した警察署など管轄の案内に従ってください。
まだ申請前で、
「どこの警察署へ行けばいい?」
「何を準備すればいい?」
「申請当日はどう進む?」
という段階であれば、許可証の受け取りより先に、古物商許可申請の流れを確認しておく方がよいでしょう。
古物商許可証と古物商プレートは別物
古物商許可証について調べている方が、特に混同しやすいのが「古物商プレート」です。
営業所などに掲示するのは、古物商許可証そのものではありません。
古物営業法では、古物商に対して、営業所や一定の場合の仮設店舗ごとに、公衆の見やすい場所へ標識を掲示することを定めています。
一般に「古物商プレート」と呼ばれているものです。
整理すると、
公安委員会から交付されるもの → 古物商許可証
営業所などに掲示するもの → 古物商の標識(プレート)
です。
この2つを分けて覚えるだけでも、許可取得後に何を準備すればよいのかがかなり分かりやすくなります。
古物商プレートについては、サイズや色、記載内容、掲示場所などにもルールがあります。ここで全部説明すると「許可証」の記事から外れてしまうため、プレートを準備するときは古物商標識の記事を確認してください。
古物商許可証はいつ持ち歩く?従業員が行商するときは?
「古物商になったら、許可証を財布のように毎日持ち歩く必要があるの?」
という疑問もよく起こります。
古物営業法上、古物商本人について許可証の携帯が問題になるのは、行商をするときや競り売りをするときです。
そのため、「古物商になったら、いつでもどこでも許可証を携帯しなければならない」と考える必要はありません。
重要なのは、どこで、どのような形で古物営業をするのかです。
従業員が行商する場合は「行商従業者証」
古物商本人ではなく、代理人や従業員などに行商をさせる場合は、許可証とは別に行商従業者証があります。
つまり、
- 古物商本人が行商する
- 従業員などが行商する
では、携帯するものを同じように考えない方がよいということです。
取引相手から提示を求められる場面もありますので、出張買取や営業所以外での取引を予定している方は、行商のルールを事前に確認しておきましょう。
なお、この記事では「許可証のコピーを持っていれば原本の代わりになる」といった説明はしません。少なくとも、許可証と行商従業者証は制度上分けて考える必要があります。
出張買取や催事など営業所以外で古物を取り扱う予定がある方は、行商について解説した記事もあわせて確認してください。
ネット販売では古物商許可証の写真を掲載するの?
Amazon、eBay、自社ECサイトなどで中古品を販売する方は、
「ホームページに古物商許可証の写真を載せればいいの?」
と思うかもしれません。
ここでも、許可証そのものと、インターネット上に表示する許可情報を分けることが大切です。
法律上のウェブ表示として考えるべきなのは、許可証の画像を掲載することではなく、条件に応じて、
- 氏名または名称
- 許可をした公安委員会の名称
- 許可証の番号
などの情報を表示することです。
一方で、ウェブサイトの利用状況や古物取引の方法によって適用関係を確認する必要があります。
特に、インターネットを使って実際に古物取引をする場合と、単に事業紹介のホームページを持っている場合とを、同じものとして考えないことが重要です。
そのため、ネット販売を予定している方は、
「許可証の写真を載せれば終わり」ではなく、ネット上で何を表示し、どのような届出が関係するのか
まで確認しましょう。
URLの届出や、URLを使用する権限を示す資料などは別の記事で詳しく解説しています。
許可証の内容が変わったときは書換えが必要になることがある
許可証を一度受け取れば、その後ずっと何もしなくてよいとは限りません。
古物商として届け出ている事項に変更があり、その変更が許可証に記載されている事項に該当する場合は、許可証の書換えが関係します。
たとえば許可証には、
- 氏名・名称
- 住所・居所
- 法人の場合の代表者に関する事項
- 行商する・しない
といった情報が記載されています。
こうした情報に変更が生じた場合は、「許可証を持っているからそのままでよい」と考えず、どの変更手続が必要なのか確認してください。
ポイントは、事業上の変更すべてが同じ手続になるわけではないことです。
「届出だけの変更なのか」
「許可証の書換えまで必要なのか」
を分けて確認することが大切です。
古物商許可証をなくしたときは再交付の手続がある
許可証をなくしてしまったからといって、新規の古物商許可を最初から取り直すという話ではありません。
古物営業法には、許可証を亡失・滅失した場合の再交付の仕組みがあります。
亡失とは、紛失や盗難などによって許可証の所在が分からなくなったような場合。
滅失とは、焼失などによって許可証そのものが物理的になくなったような場合です。
このような場合には、主たる営業所または古物市場の所在地を管轄する公安委員会への届出と、許可証の再交付手続が関係します。
また、再交付を受けた後に、なくしたと思っていた元の許可証が見つかった場合には、その古い許可証をそのまま使い続けるのではなく返納が必要です。
許可証をなくした場合は放置せず、まず管轄警察署へ連絡して必要な手続を確認しましょう。
古物商許可証を受け取ったら「許可証だけ」で考えない
ここまで見てきたように、古物商許可証を受け取った後に大切なのは、許可証だけを見て終わらないことです。
自分の営業方法に合わせて、
- 許可証の記載内容に間違いがないか確認する
- 営業所で必要となる標識を確認する
- 営業所以外で取引するなら、行商に関するルールを確認する
- ネット販売をするなら、ウェブ上の表示や届出を確認する
- 許可証の記載事項に変更があれば、必要な書換え・届出を確認する
- 紛失した場合は、再交付の手続を確認する
というように整理すると分かりやすくなります。
「許可証をもらった=古物商として必要な準備がすべて終わった」ではなく、自分が実際にどのような営業をするのかから必要な対応を確認する。
これが、許可取得後に迷わないための基本的な考え方です。
これから古物商許可を取りたい方は、現在地に合わせて確認しよう
ここまで読んで、
「まだ許可証を持っていない」
「これから申請しようとしている段階だった」
という方もいると思います。
その場合は、許可証について細かく調べ続けるより、まず自分が今どの段階なのかを整理した方が早く進めます。
古物商許可そのものを最初から知りたい方
→ 古物商許可の総合解説へ
警察署への申請方法を知りたい方
→ 古物商許可を警察署で申請する手順へ
申請書や必要書類を準備したい方
→ 古物商許可の必要書類・申請書の解説へ
営業所に置く古物商プレートを知りたい方
→ 古物商標識(プレート)の解説へ
ネット販売を始めたい方
→ URL届出の解説へ
出張買取など営業所以外でも取引したい方
→ 行商・行商従業者証の解説へ
「古物商許可証」という一つの言葉から、申請・標識・ネット販売・行商まですべてを一度に覚える必要はありません。
今の自分に必要な手続から順番に確認することが、最も迷いにくい進め方です。
古物商許可の申請そのものに迷っている方へ
古物商許可証について理解できても、まだ許可を取得していない方には、
「自分のケースではどう申請すればいいのか」
「必要書類を正しくそろえられるか」
「警察署とのやり取りまで自分で進めるか」
という問題が残ります。
もちろん、自分で必要事項を確認しながら申請を進める方法もあります。
一方で、申請条件の整理や書類準備、警察署への手続に時間をかけたくない方は、行政書士による古物商許可申請サポートを利用する方法もあります。
サクセスファン行政書士事務所でも古物商許可申請のサポートを行っていますので、自分で申請するか依頼するかを含めて確認したい方は、サービス内容を確認したうえで自分に合う方法を選んでください。
古物商許可証についてよくある質問
古物商許可証と古物商プレートは同じものですか?
同じものではありません。
古物商許可証は、公安委員会から許可を受けた後に交付される許可証です。
一方、営業所などに掲示するのは、法律で定められた「標識」です。一般に古物商プレートと呼ばれています。
古物商許可証は店に掲示するのですか?
営業所で掲示するものとして法律上定められているのは、許可証そのものではなく古物商の標識です。
許可証とプレートを混同しないようにしましょう。
古物商許可証はいつも携帯する必要がありますか?
「古物商である以上、常に携帯」というルールではありません。
古物商本人については、行商をするときや競り売りをするときに許可証の携帯が関係します。
従業員などが行商する場合には、別に行商従業者証の制度があります。
ホームページには古物商許可証の写真を載せればよいですか?
許可証の写真を掲載すること自体が、法律上のウェブ表示の基本ではありません。
インターネットで古物取引を行う場合などは、氏名または名称、公安委員会名、許可証番号など、必要な許可情報の表示を確認する必要があります。
ネット販売をする場合は、ウェブ表示だけでなくURL届出等についても確認してください。
古物商許可証をなくしたら、許可を取り直しますか?
新規許可を最初から取り直すという制度ではなく、許可証の再交付手続があります。
紛失・盗難や焼失などで許可証がなくなった場合は、放置せず管轄警察署へ確認してください。
住所などが変わったら、古い許可証をそのまま使えますか?
変更内容によります。
変更した事項が許可証の記載事項に該当する場合は、許可証の書換えが必要になります。
「住所変更だから全部同じ手続」と考えるのではなく、自分の変更内容について必要な届出・書換えを確認してください。
古物商許可証は、単に「許可を取った証明書」とだけ覚えるより、
許可そのもの
許可証
標識(古物商プレート)
許可証番号
行商従業者証
ウェブ上の許可情報
を分けて理解すると、取得後に何をすればよいかが見えやすくなります。
すでに許可証を受け取った方は、まず記載内容と自分の営業方法を確認してください。
これから取得する方は、許可証の細部より先に、申請条件・必要書類・申請方法を確認するところから始めましょう。


