古物商許可でできること・できないこと|中古品ビジネスの具体例と注意点

「古物商許可を取ると、具体的にどんな商売ができるのだろう?」

「メルカリやネットショップで中古品を売ることもできる?」

古物商許可というと、中古品を仕入れて販売するための許可というイメージが強いかもしれません。

実際には、中古品の仕入れ・販売だけでなく、古物の委託販売、中古品を仕入れて行うレンタル、修理・手入れした中古品の販売など、さまざまな事業に古物商許可を活用できます。

一方で、古物商許可を持っていれば、中古品に関係する事業なら何でもできるわけではありません。

たとえば、家庭から廃棄物を回収する事業や質屋営業、古物市場そのものの運営などは、古物商許可とは別に考える必要があります。

この記事では、古物商許可でできることと、古物商許可だけではできないこと・別の確認が必要なことを具体例から整理します。

大切なのは、単に「できる・できない」を覚えることではありません。

自分が「何を扱い」「どう仕入れ」「どう売る・提供するのか」を具体化し、その事業に古物商許可以外のルールが関係しないか確認することがポイントです。

古物商許可を取得するとできること

古物営業法では、古物を売買・交換する営業だけでなく、委託を受けて古物を売買・交換する営業も「古物営業」に含まれます。

そのため、古物商許可は中古品の仕入れ・販売を中心として、さまざまな事業に活用できます。

代表的な例を見ていきましょう。

中古品を仕入れて販売できる

古物商許可の代表的な使い方が、中古品を仕入れて販売するビジネスです。

中古品を買い取り、それを別の顧客へ販売するといった形が基本です。

ここで重要なのは、「中古品を売る」という行為だけを見るのではなく、中古品を仕入れて営業として販売するという一連の取引を見ることです。

自宅にある自分の不用品を売ることと、中古品を仕入れて販売する事業は同じではありません。

これから中古品販売を始めるのであれば、まずは次の3点を具体化してみるとよいでしょう。

  • 何を仕入れるのか
  • どこから仕入れるのか
  • どこで販売するのか

ここが具体的になると、自分の事業で古物商許可がどのように関係するのかも整理しやすくなります。

メルカリ・ネットショップなどでも中古品を販売できる

古物商の営業は、実店舗だけに限られません。

インターネットを利用して古物を取り扱うこともできるため、ネットショップやフリマアプリなどを使った中古品販売も考えられます。

ただし、「ネットなら古物商許可さえあれば自由に売買できる」という意味ではありません。

古物商がインターネットオークションやフリマアプリなどを利用して古物を買い受ける場合にも、取引相手の確認が必要です。対面せずに取引する場合には、法令で定められた方法による確認が必要になります。

また、インターネットを利用して古物取引を行う場合には、営業形態に応じて許可情報の表示やURLに関する手続なども確認する必要があります。

つまり、ネットを利用する場合は、

「ネットで売れるか」だけでなく、「ネットでどう仕入れ、どう取引するか」まで考える

ことが大切です。

中古品の委託販売ができる

古物商は、自分で中古品を買い取って販売する方法だけでなく、古物の販売を他人から委託されて行う営業もできます。

たとえば、所有者から中古品を預かって販売し、販売後に手数料を受け取るような形です。

古物営業法では、古物の売買・交換だけでなく、委託を受けて売買・交換する営業も古物営業に含まれています。

そのため、

「中古品ビジネス=自分で商品を買い取って転売するもの」

と限定して考える必要はありません。

自分で商品を仕入れるのか、所有者から販売を委託されるのかによって、事業の組み立ても変わってきます。

中古品を仕入れてレンタルできる

中古品を買い取り、それをレンタルする事業にも古物商許可を活用できます。

ここでは、何をレンタルするかだけでなく、その商品をどう調達したかを見ることがポイントです。

古物を買い取ってレンタルに使用する場合には、古物商許可が必要です。

一方、メーカーなどから新品を直接購入し、その新品をレンタルするだけであれば、「古物を買い取った」という理由で古物商許可が必要になるわけではありません。

レンタル事業を考えているなら、まず、

中古品を仕入れて貸すのか、新品を仕入れて貸すのか

を整理すると、古物商許可との関係を判断しやすくなります。

修理・手入れした中古品を販売できる

仕入れた中古品は、必ずしも買い取った状態のまま販売する必要はありません。

買い取った古物を修理して販売する営業も、古物商許可が必要となる営業の一例です。

また、古物営業法上の「古物」には、使用された物などに本来の性質・用途を変えない程度の手入れをしたものも含まれます。

そのため、中古品を修理したり、状態を整えたりして再販売するビジネスも考えられます。

ただし、大きな加工によって元の物とは異なる性質・用途のものにする場合まで、一律に同じ扱いになるとは限りません。

「加工した物なら何でも古物商許可で販売できる」と広く考えるのではなく、ここでは修理・手入れした中古品の再販売として理解しておきましょう。

古物市場から中古品を仕入れることができる

古物商になると、古物市場を中古品の仕入先として利用するという選択肢もあります。

古物市場とは、古物商間で古物を売買・交換するための市場です。

一般消費者からの買取やネットでの仕入れだけでなく、古物商同士の市場から商品を仕入れて販売するという事業の組み立ても考えられます。

ただし、ここで区別しておきたいのが、

古物市場を利用すること

古物市場そのものを運営すること

です。

市場を仕入先として利用することと、自分で市場を開くことは別の話です。

ここまでのように、古物商許可はさまざまな形の中古品ビジネスに活用できます。

「許可を取ったら、実際にどんな商売を始められるのか具体的に知りたい」という方は、「古物商でできるビジネス7選」もあわせてご覧ください。 古物商許可を活かした具体的なビジネスの選択肢を比較しながら、自分に合った事業を考えられます。

古物商許可があっても、それだけではできないこと・別の確認が必要なこと

古物商許可を取得すると、中古品を使ったさまざまな事業を検討できます。

しかし、

古物に関係する商売=古物商許可だけでできる

というわけではありません。

予定している事業によっては、別の許可や法律を確認する必要があります。

不用品回収を自由にできるわけではない

古物商許可があれば、家庭から不要になった物を何でも回収できるわけではありません。

特に区別したいのが、

  • 中古品として買い取る
  • 廃棄物として回収する

という2つの行為です。

家庭から出る廃棄物を業として収集・運搬する場合には、原則として市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可等が必要であり、古物商許可は家庭の廃棄物を回収するための許可ではありません。

そのため、

「古物商許可を取ったから、不用品回収事業も自由にできる」

と考えないようにしましょう。

不用品を扱う事業を検討しているなら、まず中古品として買い取る事業なのか、廃棄物として回収する事業なのかを整理することが重要です。

質屋営業は古物商許可とは別

中古品や貴金属などを扱う仕事として、質屋をイメージする方もいるでしょう。

しかし、質屋営業は古物商許可だけで行うものではありません。

質屋営業については、古物営業法とは別に質屋営業法による許可制度があります。

つまり、

  • 中古品を仕入れて販売する
  • 品物を担保として金銭を貸し付ける質屋営業をする

では、確認する制度が異なります。

「どちらも中古品などを扱うから同じ許可でできる」と考えず、実際に行う営業内容から必要な制度を確認することが大切です。

古物市場を運営するには別の許可が必要

古物商は、古物市場を仕入先として利用できます。

一方、自分で古物市場を経営する場合には「古物市場主」の許可が必要です。

分かりやすく整理すると、

市場で取引する側なのか
それとも
市場そのものを開く側なのか

という違いです。

古物市場を利用して商品を仕入れることと、自分で業者間市場を運営することは同じではありません。

取扱商品によっては別の法律や規制も確認する

古物商許可を取得したからといって、取扱商品に関係するほかの法律まで考えなくてよくなるわけではありません。

たとえば、古物である貴金属等を売買する一定の古物商は「特定古物商」として、犯罪収益移転防止法上の義務が関係します。

ここで重要なのは、商品ごとの法律をすべて覚えることではありません。

中古品ビジネスを考えるときに、

「古物商許可を取れば、この商品を扱うための確認はすべて終わり」と考えないこと

です。

取り扱う商品が決まったら、その商品について古物営業法以外の規制が関係しないかも確認しましょう。

古物商許可を活かして商売を始める前に確認すること

ここまで見てきたように、古物商許可でできることは「中古品を買って売る」だけではありません。

一方で、許可を取得しただけでは、自分の商売に必要な確認がすべて終わるわけでもありません。

実際に事業を考えるときは、「何をするか」だけでなく「どうやるか」まで具体化することが大切です。

まず「何を扱うか」を決める

最初に整理したいのは、取り扱う商品です。

古着なのか、家電なのか、貴金属なのか。

扱う商品が決まれば、古物営業法以外に確認すべき規制がないかも調べやすくなります。

反対に「何か中古品を売りたい」という段階では、必要な確認事項もまだ絞れません。

次に「どう仕入れるか」を決める

同じ中古品販売でも、

  • 自分で買い取る
  • 販売を委託される
  • 古物市場から仕入れる
  • インターネットを利用して仕入れる

など、仕入れ方法によって取引の形が変わります。

特にネットを利用して古物を買い受ける場合は、相手方確認などのルールも関係します。

そのため、販売方法だけを見るのではなく、商品が自分の手元に入るまでの流れも整理しておきましょう。

最後に「どう売る・提供するか」を決める

仕入れた商品を、

  • 店舗で販売する
  • ネットで販売する
  • レンタルする
  • 修理・手入れして販売する

といった形で、提供方法まで具体化します。

ここまで整理すると、

何を扱うか

どう仕入れるか

どう売る・提供するか

古物商許可以外の許可・規制が関係しないか

という順番で、自分の事業に必要な確認ができるようになります。

古物商許可で「できること一覧」を覚えるだけでなく、自分の商売をこの順番に当てはめて考えることが、実際の事業準備では役立ちます。

古物商許可でできることを考えるときは「商売の中身」まで具体化しよう

古物商許可を取得すると、中古品の仕入れ・販売をはじめ、古物の委託販売、中古品を仕入れて行うレンタル、修理・手入れした中古品の販売、古物市場からの仕入れなど、さまざまな事業を検討できます。

一方、不用品回収、質屋営業、古物市場の運営など、古物商許可だけではできないことや、別の許可・制度を確認しなければならない事業もあります。

自分のケースを考えるときは、

何を扱うか → どう仕入れるか → どう売る・提供するか → 別の許可・規制が関係しないか

の順番で整理してみてください。

この流れが見えてくると、「古物商許可で何ができるか」という疑問から一歩進んで、自分が始めたい事業では何を確認すればよいのかが分かりやすくなります。

古物商許可の取得そのものを検討している方は、自分が予定している取引内容を一度整理したうえで、警察の公式情報を確認する方法があります。

「自分の事業では古物商許可が必要なのか」「別の許可も関係するのか」「申請まで含めて整理したい」といった個別判断が難しい場合には、行政書士などの専門家へ相談することも選択肢の一つです。

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