古物商許可について調べていると、
「欠格事由に該当すると、古物商許可を受けられない」
という説明を目にすることがあります。
特に不安になりやすいのが、
- 過去に自己破産した
- 前科がある
- 罰金刑を受けたことがある
- 執行猶予付きの判決を受けた
- 事件から5年以上たっている
- 過去に古物商許可を取り消された
- 法人の役員に気になる経歴がある
- 自分や家族を営業所の管理者にしてよいか分からない
といったケースです。
古物商許可の欠格事由は、古物営業法第4条に定められています。
ただし、
「前科がある」
「罰金を払った」
「自己破産した」
「もう5年以上前のことだ」
という情報だけで、古物商許可を受けられる・受けられないと判断できるとは限りません。
ココに注意
たとえば、罰金刑はすべてが同じ扱いではありません。「5年」という期間についても、事件が起きた日や判決を受けた日から単純に数えるとは限りません。
刑の全部の執行猶予についても、執行猶予期間が満了した後、さらに5年間待たなければならないという仕組みではありません。
大切なのは、
誰について確認するのか
→ どの欠格事由が関係するのか
→ 何の事実・日付・状態を見るのか
→ 分からない部分をどう確認するのか
という順番で整理することです。
この記事では、古物商許可の11の欠格事由を確認したうえで、前科・自己破産・罰金・執行猶予・管理者・法人役員など、特に判断に迷いやすいポイントを詳しく解説します。
現行情報について
本記事は2026年9月時点の現行法令と、2026年5月14日付の警察庁「古物営業法等の解釈運用基準」を基礎に整理しています。
警察庁「古物営業法等の解釈運用基準」
この記事のポイント
1.自己破産したことがあるだけで、一生許可を受けられないわけではありません
重要なのは、現在「復権を得ていない」状態にあるかどうかです。
2.前科・罰金刑がある人すべてが第2号に該当するわけではありません
刑の種類や罪名、執行状況、時期を分けて確認する必要があります。
3.「5年」は事件の日から数えるとは限りません
欠格事由によって起算点が異なります。実刑、仮釈放、許可取消しなどを同じ数え方にしてはいけません。
4.法人は代表者だけ、個人は本人だけ確認すればよいわけではありません
法人役員や営業所の管理者についても、それぞれ該当する規定を確認する必要があります。
古物商許可の欠格事由は11項目|まず全体像を確認
まず、古物営業法第4条の全体像を確認しておきましょう。
| 条文 | 主な欠格事由 | 気になるケース |
|---|---|---|
| 第1号 | 破産手続開始の決定を受け、復権を得ていない | 自己破産したことがある |
| 第2号 | 拘禁刑以上、または一定の犯罪による罰金刑について所定期間を経過していない | 前科・実刑・罰金・執行猶予がある |
| 第3号 | 暴力的不法行為等を行うおそれがあると認める相当な理由がある | 暴力団関係等が気になる |
| 第4号 | 暴対法上の一定の命令・指示から3年を経過していない | 一定の命令・指示を受けた |
| 第5号 | 住居が定まっていない | 固定した生活拠点がない |
| 第6号 | 古物営業許可の取消しから5年を経過していない等 | 過去に許可取消しを受けた |
| 第7号 | 一定の取消手続中に許可証を返納してから5年を経過していない | 取消手続中に許可証を返した |
| 第8号 | 心身の故障により業務を適正に実施できないと規則で定める状態にある | 業務遂行能力との関係が気になる |
| 第9号 | 営業について成年者と同一の行為能力を有しない未成年者 | 未成年者本人が申請する |
| 第10号 | 適切な管理者を選任すると認められない相当な理由がある | 管理者が決まっていない・実際に勤務できない |
| 第11号 | 法人役員に第1号〜第8号の該当者がいる | 法人で申請する |
一覧を見たら、次に「自分はどこを確認すればよいか」を絞ります。
自分の場合はどこを見る?欠格事由の確認早見
| 気になる事情 | まず見る規定 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| 自己破産 | 第1号 | 現在、復権しているか |
| 前科・実刑 | 第2号 | 罪名・刑の種類・執行終了等 |
| 罰金刑 | 第2号 | 何の罪による罰金か |
| 執行猶予 | 第2号 | 全部・一部、現在の状態、満了時期 |
| 許可取消し | 第6号・第7号 | 取消し・返納の経緯と日付 |
| 法人 | 第11号 | 対象となる役員 |
| 管理者 | 第10号・第13条第2項 | 選任できるか/本人が管理者になれるか |
この表で関係しそうな規定を絞ったうえで、以下の詳しい説明を確認してください。
欠格事由だけでなく、営業所・管理者を含めた古物商許可の要件全体を先に整理したい方は、古物商許可の要件とは?営業所・管理者・欠格事由をわかりやすく解説をご覧ください。
自己破産・前科・罰金・執行猶予はどう確認する?
検索者の方が特に不安を感じやすいのが、第1号と第2号です。
ここは「経験があるか、ないか」だけでなく、制度上どこを見るのかを分けて考えます。
第1号|自己破産したことがある場合
第1号で問題になるのは、
破産手続開始の決定を受けて、復権を得ていない状態
です。
ココに注意
したがって、過去に自己破産したことがある人を、一律に永久に排除する規定ではありません。
確認すべきなのは、
現在、復権を得ているか
です。
「自己破産したのは何年前か」だけで判断しないようにしてください。
古物商許可申請では、本籍地の市区町村が発行する身分証明書が必要になる場合があります。
ここでいう身分証明書は、運転免許証などの一般的な本人確認書類とは別のものです。
警察庁の現行の解釈運用基準では、第4条第1号への該当性について、原則として市区町村長の証明書による書面審査で判断するとされています。
そのため、自己破産歴が気になっている場合は、
「昔破産した」ではなく、「現在の復権状態はどうなっているか」
という視点で確認しましょう。
第2号|前科や刑事処分がある場合
前科や刑事処分がある方にとって、特に重要なのが第2号です。
ただし、
「前科がある=古物商許可を受けられない」
という単純な規定ではありません。
第2号では、大きく、
拘禁刑以上の刑
と、
古物営業法や刑法上の一定の犯罪についての罰金刑
が問題になります。
したがって「前科」という言葉だけで判断するのではなく、
- 何の罪だったのか
- どの種類の刑だったのか
- 刑はいつ確定したのか
- 実刑だったのか
- 執行猶予が付いていたのか
- 刑の執行はいつ終了したのか
などを整理する必要があります。
「5年」は事件の日や判決の日からとは限らない
古物商の欠格事由では「5年」という数字が何度も出てきます。
ここで非常に重要なのが、
何の日から5年を数えるのか
です。
刑の執行を終えた場合について、警察庁の現行解釈運用基準では、5年間の起算について受刑の最終日の翌日から数える考え方が示されています。
したがって、
- 事件が起きた日
- 逮捕された日
- 判決を受けた日
から単純に5年を数えるとは限りません。
「5年以上前の出来事か」ではなく、「この欠格事由では、何の日から期間を数えるのか」
を見ることが重要です。
仮釈放された場合
仮釈放がある場合にも、日付の考え方に注意が必要です。
警察庁の現行解釈運用基準では、仮釈放された人は、仮釈放期間が終了したときに刑の執行を受け終わったことになるとされています。
そのため、
刑務所を出た日=当然に5年の起算点
というわけではありません。
仮釈放歴がある場合は、
- 仮釈放された日
- 仮釈放期間が終了した日
を分けて確認してください。
刑の全部の執行猶予の場合
執行猶予についても、よく誤解が生じます。
刑の全部の執行猶予が付いた場合、猶予期間中は第2号との関係で「刑に処せられた者」に含まれます。
一方、執行猶予を取り消されずにその期間を満了した場合は、「刑に処せられた者」には該当しないものとして扱われます。
つまり、
ココに注意
全部執行猶予が満了した後、そこからさらに5年間待たなければならないという仕組みではありません。
ここは、
実刑について「刑の執行終了等から5年」と考える場合
と、
全部執行猶予を取り消されず期間満了した場合
を混同しないことが大切です。
一部執行猶予は、全部執行猶予と同じ説明を当てはめない
「執行猶予」という言葉が同じでも、刑の全部の執行猶予と刑の一部の執行猶予は仕組みが異なります。
一部執行猶予では、刑の一部を実際に執行し、残りの部分について執行を猶予します。
したがって、
「執行猶予が満了したから、全部執行猶予とまったく同じように考えればよい」
とは一律に判断しない方が安全です。
一部執行猶予が関係する場合は、
- 判決内容
- 実際に執行された刑
- その執行が終わった時期
- 執行を猶予された部分
- 猶予期間
などを整理したうえで、古物営業法第4条第2号との関係を個別に確認してください。
罰金刑はすべて第2号の対象ではない
「罰金刑を受けたことがあります」という場合も、罰金刑だったという事実だけでは結論を出せません。
第2号では、古物営業法第31条に規定される一定の罪や、刑法上の特定の犯罪について罰金刑を受けた場合が対象になります。
たとえば、公式解説では、
- 窃盗
- 背任
- 遺失物等横領
- 盗品等の運搬
- 盗品等の保管
- 盗品等の有償譲受け
- 盗品等の有償処分のあっせん
- 無許可営業
- 不正な手段による許可取得
- 名義貸し
- 営業停止中の営業
などが示されています。
そのため、
「罰金を払ったから5年間古物商になれない」
と一律に考えるのではなく、
まず罪名を確認する
ことが必要です。
なお、第2号の対象となる罰金刑ではない場合でも、それだけで古物商許可上のすべての確認が終わるとは限りません。第3号などは、第2号とは別の欠格事由だからです。
身分証明書と前科照会は別の確認です
ここは特に混同しやすいポイントです。
第1号の破産関係等については、申請者等が提出する市区町村の身分証明書が審査資料になります。
一方、第2号の刑に関する欠格事由について、警察庁の現行解釈運用基準では、申請者の本籍地の市区町村長に対する前科照会によって判断する運用が示されています。
つまり、
第1号等の確認
→ 申請者側が提出する身分証明書
第2号の刑に関する確認
→ 公安委員会側の審査における前科照会
というように、仕組みが異なります。
少なくとも警視庁が現在公開している通常の古物商許可申請の添付書類一覧に、申請者が提出する「犯罪経歴証明書」は掲げられていません。
ココがポイント
「身分証明書=前科を証明する書類」ではない
ことも覚えておきましょう。
制度上の細かな解釈を確認したい場合は、警察庁「古物営業法等の解釈運用基準」で現行の取扱いを確認できます。
第3号から第9号までの欠格事由も確認しておこう
前科や破産以外にも、古物営業法第4条には欠格事由があります。
中心論点ではありませんが、自分に関係する項目を見落とさないよう確認しておきましょう。
第3号|暴力的不法行為等を行うおそれがある場合
第3号は、単純に「前科があるか」を見る規定ではありません。
警察庁の解釈運用基準では、
- 暴力団員
- 暴力団員でなくなった日から5年を経過していない人
- 一定の犯罪的組織の構成員
- 過去の一定の暴力的不法行為等について、動機・背景・手段・日常の素行等から強いぐ犯性が認められる人
などが例示されています。
そのため、
第2号の対象となる刑ではなかった
ということだけで、第3号との関係まで自動的に問題がないと判断することはできません。
第4号|一定の命令・指示から3年を経過していない場合
第4号では、暴力団対策法上の一定の命令・指示を受けた人について、
その命令・指示を受けた日から3年
という期間が定められています。
欠格事由には5年という期間が複数ありますが、すべてが5年ではありません。
第5号|「住居の定まらない者」とは?
第5号は、住居の定まらない者です。
ここでいう住居は、
- 持ち家である
- 本人名義である
ことを意味するものではありません。
もっと詳しく
さらに、住居を転々としておらず、他人の住居を中心に日常生活を送っていると認められる場合も、「住居の定まらない者」には該当しないとされています。
したがって、
「賃貸だから問題になる」
「家族名義の家だから問題になる」
ということではありません。
なお、これはその住宅を古物商の営業所として使えるかどうかとは別の問題です。
自宅を営業所として使えるかどうかは、欠格事由とは別の論点です。必要な場合は、営業所として利用できる条件や物件側の制約を別に確認してください。
第6号|過去に古物営業許可を取り消された場合
第6号では、古物営業法に基づいて許可を取り消され、
取消しの日から5年を経過していない人
などが対象となります。
法人の許可取消しが関係する場合は注意が必要です。
一定の場合には、取消しに係る聴聞の公示日前60日以内にその法人の役員だった人も、欠格事由との関係を確認する必要があります。
そのため、
「取消し時には役員を辞めていたから関係ない」
と一言で判断しないでください。
確認する場合は、
- 聴聞の公示時期
- 自分が役員だった期間
- 実際の許可取消日
を整理します。
第7号|取消手続中に許可証を返納した場合
第7号は、単に古物商を廃業して許可証を返した人すべてを対象とする規定ではありません。
許可取消しに関する聴聞の公示後、一定の手続の中で許可証を返納した場合について、古物営業を廃止したことに相当な理由がある場合を除き、
返納した日から5年
が問題となります。
したがって、
「昔、自分から廃業して許可証を返したことがある」
という情報だけでは、第7号に該当するとは判断できません。
第8号|病名だけで自動的に欠格事由になるわけではない
第8号では、
心身の故障により古物商等の業務を適正に実施できない者として、国家公安委員会規則で定める人
が対象となります。
古物営業法施行規則では、精神機能の障害により、古物商等の業務を適正に実施するために必要な、
- 認知
- 判断
- 意思疎通
を適切に行えない状態を基準としています。
したがって、
特定の病名や障害があるというだけで、自動的に欠格事由になる規定ではありません。
病名だけで一律に判断せず、法律・規則が定める業務遂行能力との関係を見る必要があります。
第9号|未成年者でも例外がある
第9号は、
営業について成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
を対象としています。
ただし、
「未成年者なら絶対に古物商許可を受けられない」
という意味ではありません。
警察庁の解釈運用基準では、親権者や後見人から営業を営むことについて許可を受けた未成年者は、この欠格事由には当たらないと整理されています。
その場合には未成年者登記が必要です。
また、古物商等の相続人である未成年者についても、法律上の例外があります。
未成年者本人が申請する場合は、通常の成人申請とは確認事項が異なるため、申請先の警察署等へ事前に確認した方がよいでしょう。
管理者と法人役員は誰まで欠格事由を確認する?
古物商許可では、申請者本人だけを確認すればよいとは限りません。
特に管理者と法人役員は、規定を分けて理解することが重要です。
第10号|適切な管理者を選任できるか
古物商は、営業所ごとに管理者を選任します。
第4条第10号では、
適切な管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある場合
を申請者側の欠格事由としています。
警察庁の解釈運用基準では、たとえば、
- 管理者候補が具体的に決まっていない
- その営業所等に勤務していない
- その営業所等で責任ある職に就いていない
- 管理者としての職務を適切に遂行できることが到底期待できない
場合などが例示されています。
つまり、
名前だけ管理者として登録しておけばよい
という制度ではありません。
管理者は、実際に営業所を管理できる人が必要
管理者は、営業所の業務を実質的に統括し、従業者等を指揮監督し、古物営業関係法令を守らせ、業務を適正に行わせられる立場である必要があります。
警察庁の解釈運用基準では、原則として各営業所等に常勤し、管理者業務に従事できる状態が必要とされています。
一方、複数の営業所等が近接していて、双方を実質的に管理できるなどの条件を満たす場合には、同一人物が複数営業所等の管理者を兼任できる場合もあります。
大切なのは、
「家族だから」
「役員だから」
ではなく、
その人が実際にその営業所を管理できるのか
という点です。
管理者本人の要件は第13条第2項で別に確認する
ここは非常に重要です。
第4条第10号は、
申請者が適切な管理者を選任できるか
という問題です。
一方、
その人自身が管理者になることができるか
については、古物営業法第13条第2項で別に規定されています。
現在の古物営業法では、管理者になることができない人として、
- 未成年者
- 第4条第1号〜第7号に該当する人
- 心身の故障により管理者業務を適正に実施できないと規則で定める人
が定められています。
つまり、
古物商本人として許可を受けられるか
と、
営業所の管理者になれるか
は、完全に同じ規定ではありません。
申請者本人が管理者を兼ねる場合
個人申請では、申請者本人が営業所の管理者を兼ねることも可能です。
ただし、
申請者本人だから管理者としての条件確認が不要になる
わけではありません。
本人が実際に営業所の業務を統括管理でき、管理者として必要な条件を満たすか確認する必要があります。
第11号|法人は代表者だけでなく役員を確認する
法人で古物商許可を申請する場合、
代表取締役だけ問題がなければよい
というわけではありません。
第11号では、法人の役員の中に、第1号から第8号までのいずれかに該当する人がいる場合、法人は許可を受けられません。
警察庁の解釈運用基準では、役員の例として、
- 株式会社の取締役・監査役
- 指名委員会等設置会社の執行役
- 持分会社の業務を執行する社員
- 一般社団法人・一般財団法人の理事・監事
などが示されています。
法人申請では、
「会社に問題があるか」ではなく、対象となる役員一人ひとりについて確認する
という考え方が必要です。
自分が欠格事由に該当するか確認する6つの手順
11項目を読んでも、
「結局、自分の場合はどうなのか分からない」
という方は少なくありません。
その場合は、最初から「許可が取れる・取れない」という結論を出そうとせず、次の順番で整理してください。
1.まず「誰について確認するか」を整理する
個人申請なら、まず、
- 申請者本人
- 営業所の管理者
を確認します。
法人申請なら、
- 法人の対象役員
- 営業所の管理者
を確認します。
ただし、役員と管理者に適用される規定は完全に同じではありません。
誰について、どの条文を見るのか
まで分けて考えるのがポイントです。
2.どの欠格事由が関係しそうかを絞る
次に、自分が心配している事情を、関係しそうな号へ結び付けます。
たとえば、
- 自己破産 → 第1号
- 刑事処分・前科・罰金・執行猶予 → 主に第2号
- 暴力団関係等 → 第3号・第4号
- 住居 → 第5号
- 過去の古物営業許可取消し → 第6号・第7号
- 心身の状態 → 第8号
- 未成年者本人の申請 → 第9号
- 管理者の選任 → 第10号
- 法人役員 → 第11号
という形です。
これだけでも、
「欠格事由が何となく不安」
という状態から、
「第2号について確認すればよさそうだ」
という状態へ進めます。
3.自分側の事実を正確にする
特に刑事処分については、記憶だけで判断しないことが重要です。
確認したいのは、たとえば次のような情報です。
- 罪名
- 刑の種類
- 刑が確定した時期
- 実刑か執行猶予か
- 全部執行猶予か一部執行猶予か
- 刑の執行終了時期
- 仮釈放の有無
- 仮釈放期間が終了した時期
判決書、略式命令、処分に関する書類等が手元にある場合は、まず正式な内容と日付を確認しておくと、その後の問い合わせもしやすくなります。
これは、それらの書類をすべて古物商許可申請時に提出するという意味ではありません。
自分のケースを正確に確認するための材料をそろえる
という意味です。

刑事処分なら、罪名・刑の種類・確定時期・執行終了等を一度書き出してから確認すると、自分で確認する場合も相談する場合も整理しやすくなります。
4.期間がある場合は「何の日から数えるか」を確認する
古物営業法第4条では「5年」という期間が複数出てきます。
しかし、起算点は同じではありません。
たとえば、
- 刑 → 刑の執行終了等との関係
- 古物営業許可取消し → 取消しの日
- 一定の許可証返納 → 返納の日
という違いがあります。
したがって、
「5年以上前の出来事だから大丈夫」
ではなく、
「この欠格事由では、何の日から期間を数えるのか」
を確認してください。
5.申請先の最新案内も確認する
申請書類を見ると、「誰について確認が必要なのか」が分かりやすくなる場合があります。
たとえば、警視庁の現在の案内では、個人申請の場合、本人と営業所の管理者について、
- 略歴書
- 本籍等が記載された住民票の写し
- 誓約書
- 身分証明書
などが案内されています。
法人の場合は、役員全員と営業所の管理者について同様の書類が案内されています。
ただし、これは東京都の現行案内です。
実際に申請する際は、主たる営業所所在地を管轄する都道府県警察の最新案内を確認してください。
東京都で申請する場合は、警視庁「古物商許可申請」および申請届出様式等一覧を確認できます。
必要書類をこれから準備する方は、古物商許可の必要書類一覧|個人・法人別もあわせて確認すると進めやすくなります。
6.分からない部分だけ警察署等へ確認する
公的資料と自分の事情を照らしても判断できない場合は、申請窓口となる警察署等へ確認します。
問い合わせる際、
「前科があります。古物商を取れますか?」
だけでは、必要な情報が不足していることがあります。
できれば、
関係する規定
+ 実際の処分内容
+ 時期
+ どこが分からないのか
を整理してから問い合わせましょう。
たとえば、
「古物商許可を申請予定です。第4条第2号との関係について、○年に○○罪で○○刑となり、○年○月に○○となっています。どの時点を基準に確認すればよいでしょうか」
というように整理できれば、確認したいポイントが伝わりやすくなります。
古物商許可の欠格事由で特に間違えやすいポイント
最後に、特に誤解しやすい点を整理します。
| よくある考え方 | 実際に確認するポイント |
|---|---|
| 自己破産したから古物商になれない | 現在、復権を得ているか |
| 前科があるから許可は取れない | 刑の種類、罪名、執行状況、時期 |
| 罰金刑なら全部5年間ダメ | 第2号の対象となる犯罪か |
| 執行猶予満了後さらに5年待つ | 刑の全部の執行猶予なら、その理解ではない |
| 一部執行猶予も全部執行猶予と同じ | 判決内容・実刑部分・期間等を個別確認 |
| 事件から5年たったから大丈夫 | 欠格事由ごとの正しい起算点 |
| 仮釈放された日から5年 | 仮釈放期間の終了時点を確認 |
| 個人申請だから本人だけ確認すればよい | 管理者についても確認する |
| 法人なら代表取締役だけ確認すればよい | 対象となる役員を確認する |
| 管理者も申請者とまったく同じ条件 | 第4条第10号と第13条第2項を分ける |
| 身分証明書で前科も確認する | 第1号等の書面審査と第2号の前科照会は別 |
まとめ|欠格事由は「過去に何があったか」だけで判断しない
古物商許可の欠格事由を確認するときに大切なのは、
過去に問題があったかどうかだけで結論を出さないこと
です。
自己破産なら、現在復権しているか。
刑事処分なら、罪名、刑の種類、執行状況、時期、執行猶予の内容はどうなっているか。
許可取消しなら、取消日や役員だった期間はどうか。
法人なら、対象となる役員について問題がないか。
営業所については、適切な管理者を選任できるかだけでなく、その人物自身が管理者になれるかも確認します。
特に前科・罰金・執行猶予などは、
何があったか
→ どの欠格事由が関係するか
→ 何の事実・日付を確認するか
→ 分からない部分をどこへ確認するか
という順番で整理すると、自分が次に何をすべきかが見えやすくなります。
「前科があるから無理」
「罰金だから大丈夫」
「自己破産したから無理」
「5年以上前だから問題ない」
と一言で判断しないことが、正確な確認への第一歩です。
欠格事由の確認が終わり、次に申請準備へ進む方は、古物商許可の取り方|申請の流れ・必要書類・費用で全体の進め方を確認できます。
欠格事由に不安がある方へ|自分で進めるか、代行を利用するか迷ったら
ここまで確認すると、古物商許可の欠格事由について、自分がどの規定・事実・日付を確認すればよいかはかなり整理できます。
そのうえで、
- 前科・罰金・執行猶予などの事情をどう整理すればよいか迷う
- 法人役員や管理者まで含めると、自分だけでは確認しにくい
- 欠格事由以外の営業所・管理者・必要書類も含めて申請準備を進めたい
- 自分で申請するか、行政書士へ任せるか比較したい
- 書類作成や申請準備に使う時間・手間を減らしたい
という場合は、申請前の段階でサポート内容を確認しておくと判断しやすくなります。
古物商許可の代行は、単に「頼むか・頼まないか」だけでなく、何を任せられるのか、何が自分の作業として残るのか、費用とのバランスをどう考えるかで比較することが大切です。
自分で進める場合と行政書士へ依頼する場合の違い、代行で確認したいポイント、費用の考え方を整理したい方は、次の記事をご覧ください。
▶ 古物商許可の代行は頼むべき?どこまで任せられるか・費用・自力申請との違い
自分で確認できる部分は自分で進め、個別事情の整理や申請準備で負担が大きい部分だけ専門家を利用するという選び方でも構いません。
欠格事由が気になる場合は、最初から「自分は無理だ」「きっと大丈夫だ」と決めつけず、必要な事実を整理したうえで次の行動を選んでください。
主な公式資料


