個人が古物商許可を取る3つのメリットと意外なデメリット【2026年版】

行政書士 小野

こんにちは

行政書士の小野馨です。

開業20年以上・実績5000件以上の経験から、

今回は「個人が古物商許可を取るメリット・デメリット」についてお話しします。

ココがポイント

結論から言うと、あなたが本気で稼ぎたいなら、古物商許可は「最強の投資」になります。

単なる「逮捕されないための免許」だと思っていませんか?

それは大きな間違いです。

この許可証は、プロだけが立ち入れる「利益の源泉」への通行手形であり、あなたを「転売ヤー」から「社会的信用のある経営者」へと進化させる魔法の杖なのです。

今からそのお話をします。

■この記事のポイント

  • 秘密の仕入れルート「古物市場」への参加権が得られる
  • 「転売ヤー」卒業。銀行や世間からの信用が劇的に変わる
  • アカウント停止の恐怖から解放される「最強の保険」になる
  • 面倒な義務こそが、あなたを本物の経営者に育てる(後編)

個人でも古物商許可を取るべき3つのメリット・理由

ポイント

古物商許可を取得するメリットとは、一言で言えば「プロフェッショナルとしての特権階級入り」を果たすことです。

多くの人は「警察に捕まりたくないから」という消極的な理由で申請します。

もちろんそれも重要ですが、それ以上に「攻めのメリット」が凄まじいのです。

19,000円の手数料など、一瞬で回収できるほどの「3つの特権」について、現場の裏話を交えて解説しましょう。

秘密の仕入れルート「古物市場」への参加権

もし、あなたが現在、リサイクルショップのワゴンセールや、メルカリの値下げ交渉で仕入れをしているなら、ハッキリ言います。あなたは「カモ」にされています。

なぜなら、そこは「一般消費者向けの価格(高い値段)」で売られている場所だからです。

古物商許可を取ると、「古物市場(こぶついちば)」という、一般人が絶対に立ち入れないプロ専用のオークション会場に参加する資格が得られます。

ここがまさに、我々プロにとっての「秘密の宝の山」なのです。

想像してみてください。あなたが普段1万円で仕入れているブランドバッグが、ここでは山積みで千円、二千円で取引されています。

「競り(せり)」と呼ばれる独特の符丁が飛び交う会場では、リサイクルショップの店長たちが、店頭に並べる商品を「業者価格(原価)」で大量に仕入れています。

つまり、あなたが普段店で買っている値段の「3分の1以下」で物が買える場所、それが古物市場です。

私のクライアントのAさん(30代男性・副業)の事例をお話ししましょう。

彼は許可を取る前、週末に何店舗もリサイクルショップを回って(いわゆる店舗せどり)、足を使ってようやく利益3万円を稼いでいました。ガソリン代も時間もかかり、疲弊していました。

しかし、許可を取得して地元の古物市場に参加した途端、世界が変わりました。

ポイント

たった半日、市場の椅子に座っているだけで、ダンボール3箱分の家電や雑貨を激安で落札。

それをネットで売るだけで、初月から利益が10万円を超えたのです。

「先生、今まで自分は何をやっていたんでしょうか…」とAさんが呟いた言葉が忘れられません。

情報の非対称性こそが利益の源泉です。

許可証一枚で、あなたも「仕入れられる側」から「仕掛ける側」へと回ることができる。

これこそが最大のメリットです。

社会的信用の獲得とプラットフォーム対策

近年、Amazonやメルカリなどのプラットフォームは、転売行為に対する規制を急速に強めています。あなたも聞いたことがあるでしょう。

「真贋調査(しんがんちょうさ)」や「アカウント停止祭り」の恐怖を。

ある日突然、Amazonからメールが届きます。

「あなたの出品した商品に偽造品の疑いがあります。

正規品であることを証明する請求書を提出してください。

提出できない場合、アカウントを閉鎖し、売上金は没収します」

この時、単なる個人の転売ヤーだと手も足も出ません。

注意ポイント

リサイクルショップのレシートでは証明能力が弱く、アカウントは永久BAN。数百万円の売上金が凍結され、倒産した人を私は何人も見てきました。

しかし、古物商許可を持っていれば話は別です。

「私は公安委員会の許可を受けた正規の古物商です。許可番号は〇〇号。古物台帳に基づき、適法に本人確認を行って仕入れています」

このように主張し、許可証の写しを提出することで、プラットフォーム側の対応は劇的に変わります。「どこの誰かわからない不審なセラー」から、「国の審査を通った信頼できるビジネスパートナー」へと格上げされるのです。

また、この「信用」は銀行融資でも絶大な効果を発揮します。

ポイント

創業融資を申し込む際、「副業で転売やってます」と言うと銀行員は渋い顔をしますが、「古物商許可を取得し、リユース事業を行っています」と言えば、「事業実態がある」と判断されやすくなります。

許可証は、あなたのビジネスを守る「最強の盾」であり、社会的なステータスを証明する「印籠」なのです。

堂々と節税!経費計上と青色申告の道

3つ目のメリットは、お金(税金)の話です。

古物商許可を取るということは、税務署に対しても「私はこれを事業としてやっています」という強力なアピールになります。

多くの副業セラーが「雑所得」として処理し、経費もあまり認められずに高い税金を払っています。

しかし、許可を取って開業届を出し、「事業所得」として認められれば、世界が変わります。

家賃の一部、電気代、スマホ代、パソコン代、そして仕入れのための交通費やガソリン代。これらを堂々と「経費」として計上できるようになります。

以下の表を見てください。「ただの個人」と「許可持ち個人事業主」の差は歴然です。

項目許可なし(雑所得・趣味)許可あり(事業所得・プロ)
経費の範囲直接要した費用のみ
(売れた商品の仕入れ値など)
幅広い経費が認められる
(家賃按分、PC、交際費等)
青色申告控除なし(0円)最大65万円の控除
赤字の繰越不可(その年で切り捨て)3年間繰り越せる
(将来の黒字と相殺可能)

特に大きいのが「青色申告特別控除(最大65万円)」です。

これは、売上から経費を引いた利益から、さらに65万円を「なかったこと(非課税)」にしてくれる制度です。税率が20%だとしたら、これだけで年間13万円の節税です。10年続ければ130万円。

古物商許可の手数料19,000円なんて、この節税効果の前では誤差のようなものです。

「でも、帳簿をつけるのが難しそう…」

そう思いましたか?安心してください。

最近はfreeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使えば、銀行口座と連携して自動で帳簿を作ってくれます。

面倒くさがらずに「事業」として取り組む覚悟。

それさえあれば、手元に残るお金は確実に増えていくのです。

💡 メリットまとめ:あなたが手にする3つの武器

  • 仕入れ革命: プロ専用市場で、原価での仕入れが可能になる。
  • 信用爆増: アカウント停止リスク激減&銀行融資の対象に。
  • 最強節税: 経費計上と青色申告で、手残りのキャッシュが増える。

これだけのメリットを捨ててまで、
無許可のリスクを背負い続けますか?

覚悟はいいか?許可の裏にあるデメリット

ポイント

光があれば、必ず影があります。古物商許可という強力な武器を手にする以上、あなたには法的な「義務」と「責任」が課せられます。

「メリットばかり聞いて申請したけど、こんなに面倒だとは思わなかった…」

そんな後悔をしてほしくありません。

ここからは、多くのコンサルタントが口を濁す「面倒な現実」にスポットライトを当てます。

しかし恐れる必要はありません。これらはすべて、対策を知っていれば十分にコントロール可能なリスクです。

警察の立ち入り検査?「三大義務」の真実

古物商許可を取得した瞬間から、あなたは一般市民ではなく、警察の監督下にある「防犯の最前線」に立つことになります。そこで課せられるのが、古物営業法上の**「三大義務」**です。

  1. 本人確認義務(誰から買ったか?)
  2. 不正品申告義務(盗品じゃないか?)
  3. 帳簿記録義務(取引の記録)

特に皆さんが嫌がるのが、3つ目の「帳簿記録(台帳)」と、それをチェックするための「警察の立ち入り検査」です。

「えっ、警察が家に土足で入ってくるんですか!?」

ご安心ください。

ドラマのようなガサ入れではありません。年に一回あるかないか、担当の刑事が「最近どうですか~?」と世間話ついでにやってきて、「ちょっと台帳見せてね」と言われる程度です

(※地域や担当者によります)。事前に電話があることがほとんどです。

問題は、その時に台帳(エクセルでOK)が真っ白だった場合です。

「忙しくて書いてませんでした」は通用しません。最悪の場合、営業停止処分や許可取り消しになります。

ここだけの話ですが… 多くの個人事業主がここで挫折します。

しかし、逆に考えれば、日々の取引(品目、日付、相手の住所氏名、金額)さえエクセルに入力しておけば、警察はあなたの最強の味方になってくれるのです。

「面倒くさい」と感じるか、「これで身の潔白を証明できる」と感じるか。

それがプロとアマチュアの分かれ目です。

プライバシーの壁!住所公開のリスク

個人的に、これが最大のデメリットだと考えています。

それは「自宅住所の公開リスク」です。

古物商許可を取得すると、法令により以下の2箇所であなたの氏名(または屋号)と住所が公開される可能性があります。

  1. 公安委員会のホームページ: 各都道府県のHPにある「古物商URL届出一覧」等のPDFファイルに、許可番号とともに氏名・住所が掲載される場合があります(※自治体により掲載基準が異なります)。
  2. 自分の販売サイト: あなたがネットショップやAmazonストアを運営する場合、特定商取引法および古物営業法に基づき、許可番号と氏名をトップページ等に表示する義務があります。

自宅兼事務所で申請する場合、あなたの自宅住所がネット上に晒されることになります。

  • 「ストーカー被害が怖い」
  • 「家族に迷惑をかけたくない」

という方には、これは高いハードルです。

「じゃあ、バーチャルオフィス(住所貸し)を使えばいいのでは?」

いい質問です。

しかし、実は多くの警察署では、実体のないバーチャルオフィスでの古物商許可申請を認めていません。「盗品が持ち込まれた時、そこに誰もいなかったら困るから」というのが警察の理屈です。

ただし、最近は「個室があり、契約期間が長く、常駐に近い形態」であれば認める地域も増えてきています

(※完全に担当者の裁量によります)。

どうしても自宅住所を出したくない場合は、実家を営業所にするか、月数万円払ってでも格安のレンタルオフィス(物理的な個室がある場所)を借りる覚悟が必要です。

ここはプライバシーとコストのトレードオフになります。

費用と時間の手間は「未来への投資」

最後に、コストの話です。

許可を取るには、警察への手数料「19,000円」のほか、住民票などの取得費がかかります。行政書士に頼めばさらに4~5万円。

そして、申請から許可が下りるまで「約40日(1ヶ月半)」という長い待ち時間が発生します。

「お金もかかるし、時間もかかる。やっぱり面倒だな…」

そう思いましたか? でも、ちょっと待ってください。

この「面倒くささ」こそが、実は最大のメリットなのです。

なぜなら、世の中の9割の人は面倒なことを嫌うからです。

「許可が必要」と聞いた瞬間に、ライバルの9割は脱落していきます。

つまり、この19,000円と40日間というハードルは、「本気じゃないライバルをふるい落とすための参入障壁」として機能しているのです。

誰でも今日から始められるビジネスは、すぐに飽和して稼げなくなります。

しかし、古物商のような「許認可ビジネス」は、入り口が狭い分、中に入ってしまえばライバルが少なく、長期的に安定して稼げる「聖域」となります。

この手間は、コストではなく「将来の独占利益を守るための防壁」への投資だと考えてください。

【決断サポート】あなたは許可を取るべきか?

graph TD
A[スタート: 副業で稼ぎたい?] -->|Yes| B{転売・せどりをする?}
A -->|No| Z[許可不要] B -->|Yes| C{プライバシーのリスクは許容できる?}
B -->|No: 不用品処分のみ| Z
C -->|Yes: 自宅OK or オフィス借りる| D{事務作業(帳簿)はできる?}
C -->|No| E[許可取得は難しい
※リスク対策が必要] D -->|Yes: エクセル等で管理| F[★結論: 今すぐ許可を取るべき!] D -->|No| G[税理士等を雇うか覚悟を決める]

よくある質問(FAQ)

Q. 許可を取ったら、確定申告は必須になりますか?

A. 許可の有無に関わらず、副業所得(利益)が年間20万円を超えれば確定申告は必須です。むしろ許可を取って開業届を出し「青色申告」にした方が、65万円控除などの節税メリットが大きくなるため、手元に残るお金は増えます。

Q. 「古物プレート(標識)」は絶対に作らないといけませんか?

A. はい、絶対義務です。営業所(自宅など)の見える場所に紺色のプレートを掲示する義務があります。これはAmazonなどで3,000円程度で作れます。「家の中に掲示してもいいですか?」とよく聞かれますが、原則は「公衆から見える場所(玄関等)」です。ただし、マンション等で規約上難しい場合は、玄関の内側等でも許容されるケースがあります。

Q. 許可を取った後、商品を一つも売買しなかったらどうなりますか?

A. 正当な理由なく「6ヶ月以上」営業実態がない場合、許可を取り消される可能性があります(古物営業法第6条)。「とりあえず取っておく」のではなく、「取ったらすぐに活動する」のが鉄則です。

小野馨の予言:3年後のあなたへ

古物商許可という「パスポート」を手に入れた3年後、あなたの姿が私には見えます。

あなたはもう、リサイクルショップのワゴンセールを漁るだけの「転売ヤー」ではありません。
古物市場で堂々とプロと渡り合い、独自のルートで良質な商品を仕入れ、顧客から「あなたから買いたい」と信頼される、本物の「商人(あきんど)」になっています。

その時、最初に払った19,000円の手数料や、書類作成の苦労は、笑い話になっているはずです。
「あの時、勇気を出して申請して本当によかった」。

そう思える未来が、必ず待っています。

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本記事の情報の信頼性と参照元について

当事務所では、経営者の皆様に責任ある情報を提供するため、以下の厳格な基準に基づき情報を精査しています。

  • 一次情報の重視: 省庁・自治体の最新の手引き・法令・ガイドライン
  • 実務家の知見: 実務歴5年以上の国家資格者・専門家による事例
  • 匿名情報の排除: 運営者不明のまとめサイト等は参照していません

■ 主な参照資料・根拠法令:

記事監修:行政書士 小野馨(兵庫県行政書士会所属 登録番号05300280号)


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