古物商許可を取得したあと、
「許可証とは別にプレートも必要なのか」
「どこで買えばよいのか」
「何を記載して注文すればよいのか」
「自宅で営業する場合はどこに掲示すればよいのか」
と迷う方もいるでしょう。
まず押さえておきたいのは、古物商の許可証と、営業所などに掲示するプレート(標識)は別のものだという点です。
古物商は、営業所または仮設店舗ごとに、公衆の見やすい場所へ所定の標識を掲示する必要があります。
プレートは販売されているものを購入する方法があります。ただし、先に商品を探すよりも、
- 法定のサイズ・色・材質を確認する
- 許可番号・名義・取扱区分を整理する
- 条件に合うプレートを選ぶ
- 掲示場所を確認する
という順番で進める方が、注文後の手戻りを防ぎやすくなります。
以下、実際にプレートを準備するときの流れに沿って解説します。
古物商プレートは許可証とは別に用意する
古物商の営業所などに掲示するものは、法律上の「標識」です。
一般には「古物商プレート」「古物商許可プレート」などと呼ばれていますが、古物商許可証そのものを掲示すれば標識の代わりになるわけではありません。
ポイント
古物営業法では、古物商は営業所または仮設店舗ごとに、公衆の見やすい場所へ所定の標識を掲示することとされています。
そのため、許可を取得して営業を始める際は、許可証の内容を確認したうえで、標識も準備しておきます。
また、必要な枚数を考えるときは、「許可が1件だから1枚」とだけ考えるのではなく、営業所・仮設店舗ごとに掲示するものという点が重要です。
古物商プレートはどこで買える?
古物商プレートは、所定の様式に対応した標識を扱う販売事業者や関係団体などから購入する方法があります。
実際に、一般社団法人東京古物商防犯連盟の公式販売サイトでも古物商標識が販売されています。
ただし、購入先を探すときに重要なのは、「古物商プレート」と商品名に書かれていることだけではありません。
法定のサイズ・色・材質を満たしているか、自分の正しい許可情報を記載できるかを確認して選びます。
商品を比較するときは、次の点を見ると判断しやすくなります。
- 法定様式に対応しているか
- 名入れに対応しているか
- どの情報を注文時に入力するのか
- 表示価格に名入れ等が含まれているか
- 送料はいくらか
- ケースや取付用品が付属するか
- 発送までの期間はどの程度か
価格だけではなく、正しいプレートを完成させるために自分に残る作業まで含めて比較するのがポイントです。
購入前にプレートのサイズ・色・材質を確認する
通常の古物商用標識には、決められた様式があります。
主な仕様は次のとおりです。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 大きさ | 縦8cm・横16cm |
| 色 | 紺色地に白文字 |
| 材質 | 金属、プラスチック、またはこれらと同程度以上の耐久性を有するもの |
| 様式 | 古物営業法施行規則・別記様式第13号 |
通販などで商品を探す場合も、見た目だけで判断せず、この条件と照らし合わせてください。
紙へ印刷しただけのものでは足りない
材質は、単に文字が読めればよいというものではありません。
大阪府警察や愛知県警察の案内では、紙をベースとしたものや、表示内容を容易に変更できるものについて注意が示されています。
そのため、紙へ文字を印刷して貼り付けただけのものを、見た目が似ているという理由だけで使用できると判断するのは避けた方が安全です。
商品を選ぶ際は、サイズ・色・材質・耐久性・記載内容を一つずつ確認しましょう。
プレートへ記載する内容を注文前に整理する
規格を確認したら、次はプレートへ入れる情報を整理します。
主に確認するのは、次の4点です。
- 許可を受けた都道府県公安委員会名
- 12桁の許可証番号
- 主として取り扱う古物に対応する「○○商」の表記
- 個人の場合は許可を受けた本人の氏名、法人の場合は法人の正式名称
注文画面の記入例だけを見て入力するのではなく、許可証を手元に置き、実際の許可情報と照合しながら入力すると間違いを防ぎやすくなります。
個人なら本人氏名、法人なら法人の正式名称
プレート下部に記載する名称は、個人許可か法人許可かによって異なります。
個人で許可を受けている場合は、許可を受けた個人の氏名を記載します。
法人で許可を受けている場合は、法人の正式名称を記載します。
店舗名や屋号があっても、それをそのまま許可名義の代わりに使うものではありません。
注文するときは、
「普段どの名前で店を営業しているか」
ではなく、
「誰が古物商許可を受けているか」
を基準に確認してください。
許可証の交付前からプレートを探している場合は、商品や仕様の候補を決めるところまでにして、許可番号など正式な情報が分かってから注文内容を確定するとよいでしょう。
複数の品目を扱う場合は「主として取り扱う区分」を確認する
古物商許可では、複数の古物区分を扱う場合があります。
この場合でも、
「3区分を扱うから、区分ごとに3枚のプレートを作る」
と単純に考えるわけではありません。
二つ以上の区分の古物を取り扱う場合、プレートにはその営業所または仮設店舗で主として取り扱う古物に係る区分を表示します。
古物の区分と標識上の表記は次のとおりです。
| 古物の区分 | プレート上の表記 |
|---|---|
| 美術品類 | 美術品商 |
| 衣類 | 衣類商 |
| 時計・宝飾品類 | 時計・宝飾品商 |
| 自動車 | 自動車商 |
| 自動二輪車及び原動機付自転車 | オートバイ商 |
| 自転車類 | 自転車商 |
| 写真機類 | 写真機商 |
| 事務機器類 | 事務機器商 |
| 機械工具類 | 機械工具商 |
| 道具類 | 道具商 |
| 皮革・ゴム製品類 | 皮革・ゴム製品商 |
| 書籍 | 書籍商 |
| 金券類 | チケット商 |
ここで注意したいのは、古物の区分名と、プレートへ実際に表示する名称が一部異なることです。
たとえば、
- 自動二輪車及び原動機付自転車 → オートバイ商
- 金券類 → チケット商
と表示します。
複数区分を申請していて、どの区分を主として表示すればよいのか分からない場合は、申請時の内容を確認してください。
それでも判断できないときは、推測して注文せず、許可を受けた警察署へ確認してから発注すると安心です。
自作を考える場合も法定様式を基準にする
古物商プレートを自分で作りたいと考える方もいるでしょう。
ただし、本記事では**「自作であれば問題なく使用できる」とは断定しません。**
自作を検討する場合も、少なくとも次の条件を確認する必要があります。
- 縦8cm・横16cm
- 紺色地に白文字
- 必要な耐久性を有する材質
- 表示内容を容易に変更できない状態
- 所定の記載内容
特に、
「紙へ印刷してラミネートすればよい」
「プラスチック板へ紙を貼ればよい」
といった形で、作成方法を先に決めてしまわないことが大切です。
作成方法が法定様式に適合するか判断できない場合は、実際に作る前に管轄警察署へ確認してください。
購入と自作を比べるときは、材料費だけでなく、規格の確認、加工、文字入れ、取付けまで自分で行う手間も含めて考えると判断しやすくなります。
古物商プレートはどこに掲示する?
プレートが完成したら、掲示場所を確認します。
古物営業法では、営業所または仮設店舗ごとに、公衆の見やすい場所へ標識を掲示する必要があります。
警察庁の解釈運用基準では、営業所などの入口など、通常街路等を通行する一般公衆から、社会通念上見やすいと認められる場所という考え方が示されています。
そのため、
「自分から見える場所に置いている」
「営業所の中に入れば見える」
というだけで、必ず要件を満たすとは限りません。
掲示場所を考えるときは、営業所を利用する人だけではなく、一般の人からどのように見えるかを確認する必要があります。
自宅を営業所にする場合も掲示場所を個別に確認する
自宅を営業所として古物営業を行う場合、
「店舗ではないからプレートは不要なのでは」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、営業所は来店型の店舗だけを意味するものではありません。
そのため、自宅であることや来客がないことだけを理由に、標識が不要だと判断することはできません。
一方で、
- 玄関の外側なら必ずよい
- 室内なら必ず認められる
- 集合住宅ならこの位置でよい
といったところまで一律に判断することもできません。
自宅営業で掲示場所に迷う場合は、次の点を整理してみてください。
- 営業所としている部屋・区画
- 建物の入口
- 道路や共用通路との位置関係
- プレートを掲示したい候補位置
- その場所が一般の人からどう見えるか
それでも判断できない場合は、管轄警察署の古物営業担当へ確認します。
その際は、入口や掲示候補位置が分かる写真や簡単な図があると、どの場所について確認したいのかを伝えやすくなります。
ネット販売ではプレートとウェブ上の表示を別に考える
ネット販売を行う場合は、営業所へ掲示する実物のプレートとは別に、ウェブ上の表示についても確認が必要になることがあります。
ウェブ上で表示する情報としては、
- 氏名または名称
- 許可をした公安委員会の名称
- 許可証の番号
があります。
ただし、ウェブ上の表示義務には条件や例外があり、取引方法によって扱いが異なる場合があります。
そのため、
「ネットへ許可番号を載せたから営業所のプレートはいらない」
「小規模だからネット上の表示はすべて不要」
と単純に判断しないようにしてください。
この記事では、営業所に掲示するプレートとウェブ上の表示は別の対応として確認するという点を押さえておけば十分です。
ネット販売に関する表示義務の詳細は、警察庁や都道府県警察の最新案内で確認するとよいでしょう。
注文前にこの8項目を確認する
最後に、実際に古物商プレートを注文する前の確認項目を整理します。
許可証を手元に置きながら、次の8点を確認してください。
- □ サイズは縦8cm・横16cmになっている
- □ 紺色地に白文字になっている
- □ 金属・プラスチック等、必要な耐久性を備えた材質になっている
- □ 許可を受けた公安委員会名が正しい
- □ 12桁の許可証番号が正しい
- □ 個人は本人氏名、法人は法人の正式名称になっている
- □ 主として取り扱う古物に対応する「○○商」の表記になっている
- □ 営業所で公衆から見やすい掲示場所を確認している
この8点が整理できれば、単に「古物商プレートを探している」状態から、自分が何を注文・準備すればよいか分かる状態まで進めます。
逆に、判断できない項目があれば、その項目だけを先に確認すればよく、最初から古物商許可の制度全体を調べ直す必要はありません。
たとえば、
- 主として表示する取扱区分が分からない
- 作成方法が規格に適合するか判断できない
- 自宅で公衆から見やすい掲示位置を決めにくい
といった場合は、分からない点を整理したうえで、許可を受けた警察署へ確認するとよいでしょう。
まとめ|先に「何を注文するか」を確定してからプレートを選ぶ
古物商のプレートは、許可証とは別に準備する標識です。
購入先を探すことよりも、先に自分が何を記載した、どの仕様のプレートを準備する必要があるのかを整理することが大切です。
順番としては、
法定様式を確認する
→ 許可情報を照合する
→ 主として取り扱う区分を確認する
→ 条件に合うプレートを選ぶ
→ 掲示場所を確認する
と考えると進めやすくなります。
自分の許可情報と法定様式を照合でき、掲示場所も確認できた場合は、そのままプレートの購入・準備へ進めます。
一方、自宅営業の掲示位置や複数の営業所に関する対応など、自分の状況によって判断が残る場合は、営業場所・許可内容・迷っている点を整理したうえで、管轄警察署への確認や、古物商許可を扱う専門家への相談を検討するとよいでしょう。

