【結論】古物市場(こぶついちば)とは?
古物市場とは、古物商許可を持つ業者だけが参加できる、プロ専用のBtoBオークション(競り場)です。一般のリサイクルショップやネット価格よりも圧倒的に安く商品を仕入れられる「仕入れの最上流」ですが、参加には「行商」の許可と、市場ごとの入会審査をパスする必要があります。

「許可証は取ったけれど、リサイクルショップを回っても利益が出る商品が見つからない…」
「プロの業者は、一体どこであんなに安く仕入れているんだ?」
その答えが「古物市場」です。
そこは、閉店した店舗の在庫や、遺品整理で出た大量の荷物が集まる「物流の源流」です。
うまく競り落とせば、相場の半値以下、時には10分の1の価格で商品を手にすることも夢ではありません。
しかし、そこは一般人が立ち入れない閉ざされた世界。
「一見さんお断り」「紹介状がないと入れない」「専門用語(符丁)が飛び交う」といった高いハードルが存在します。
また、あなたの許可証の**「ある項目」**にチェックが入っていないと、門前払いを食らうという法的な落とし穴も存在します。
この記事では、初心者が最初に選ぶべき市場の探し方から、ベテランに怒られないためのマナー、そしてネットで完結する最新の市場事情まで、プロの仕入れルート開拓法を徹底ガイドします。
⚠️ 警告:あなたの古物商許可証を確認してください。「行商をする」になっていますか? もし「しない」になっている場合、古物市場での取引は一切できません(営業所外取引にあたるため)。すぐに変更届が必要です。
この記事でわかる4つのポイント
- ✅ 仕入れ値が激変!プロ専用「BtoBオークション」の仕組み
- ✅ 参加資格は「許可証」+「行商従業者証」。主婦でも入れる?
- ✅ 「紹介者なし」でもOKな初心者向け市場の見分け方
- ✅ 符丁は不要?スマホで完結する「ネット古物市場」の台頭
一般人立ち入り禁止!「古物市場」とはどんな世界か?
【読者の心の壁】: 「プロ専用の市場なんて、怖そうな人が怒鳴り合ってるんじゃないの? そもそも、リサイクルショップで買うのと何が違うの? 素人が迷い込んだらボラれそうで怖い…」
古物市場(こぶついちば)は、一般消費者が決して足を踏み入れることのできない「聖域」です。
しかし、そこは無法地帯ではなく、古物営業法という厳格なルールに守られた、最も合理的で安全なビジネスの現場でもあります。
まずは、なぜプロたちは店舗での買取やネット仕入れではなく、わざわざ市場(イチバ)に集まるのか。その経済的なメリットと、独特のシステムを解剖します。
仕入れ値は店頭の1/10?プロが群がる「BtoBオークション」の仕組み
1.「川上」から仕入れる圧倒的な価格優位性
古物ビジネスには「川上(上流)」と「川下(下流)」があります。
一般のリサイクルショップやメルカリは「川下」です。つまり、誰かの利益が乗った後の価格で売られています。
対して古物市場は、商品の「川上」に位置します。
ここに参加しているのは、引越し業者、遺品整理業者、管財人(破産物件を扱う弁護士等)、そして買取専門店などです。
彼らの目的は「商品を高く売ること」よりも「大量の在庫を現金化し、倉庫を空けること(換金・処分)」にあることが多いのです。
そのため、市場では驚くような価格で取引されます。
例えば、リサイクルショップの店頭で1万円で売られているブランドバッグが、市場では2,000円〜3,000円で競り落とされることも珍しくありません。
箱ごとの「山買い(段ボール一杯の雑貨をまとめて買うこと)」なら、1個単価が数十円になることもあります。
この「圧倒的な安さ」こそが、プロが市場に通い続ける最大の理由です。
店舗で100円の利益を出すのに苦労しているせどり初心者が、市場に来た途端に利益率50%超えを連発するのは、仕入れのステージ(流儀)が根本から変わるからです。
2.「競り(オークション)」形式の公平性
古物市場の取引は、基本的に「競り上げ方式」のオークションです。
市場主(振り手)が商品を見せ、「はい、1,000円から!」と声をかけます。
買い手(参加者)は、指値や符丁を使って「1,500!」「2,000!」と値段を吊り上げていきます。
最も高い値段をつけた人が権利を得る、非常にシンプルかつ公平なルールです。
ヤフオクなどのネットオークションと違うのは、そのスピード感です。
1点につき数秒〜数十秒で決着がつきます。
次々と流れてくる商品を瞬時に目利きし、相場を計算し、声を上げる。
このライブ感と緊張感は独特ですが、慣れれば「相場観」が劇的に養われます。
3.市場の種類:「平場」と「大会」
一口に古物市場と言っても、取り扱う商品や雰囲気によって大きく2つに分かれます。
一つは「道具市場(平場・ひらば)」。
家具、家電、骨董、着物、雑貨など、ありとあらゆる「道具」をごちゃ混ぜに扱う市場です。
参加費や手数料(歩銭・ぶせん)が安く、掘り出し物が見つかる可能性が高いのが特徴です。
もう一つは「ブランド市(大会・たいかい)」。
ルイヴィトンやロレックスなどの高級ブランド品や貴金属のみを扱う市場です。
こちらは真贋鑑定済みの商品が並ぶため安心ですが、入会金が高額だったり、参加者のレベルが高かったりと、初心者には敷居が高い傾向にあります。
自分の扱いたい商材に合わせて、戦う場所(市場)を選ぶことが成功への第一歩です。
参加資格は「古物商許可」と「行商従業者証」。主婦や副業でも入れる?
古物市場は、お金を払えば誰でも入れるわけではありません。
入場ゲートをくぐるためには、法律で定められた「パスポート」が必須です。
ここを勘違いしていると、会場まで行ったのに門前払いを食らうことになります。
1.必須アイテム①:古物商許可証(原本)
大前提として、管轄の公安委員会から交付された「古物商許可証(手帳)」が必要です。
コピーでは不可とする市場が多く、必ず「原本」の提示を求められます。
そして、ここで最大の落とし穴となるのが、許可証の内容です。
許可申請時に「行商をしようとする者」として申請しましたか?
もし「行商をしない」で許可を取っている場合、古物市場での取引はできません。
なぜなら、市場での売買は「自分の営業所外での取引」にあたり、法律上の「行商(ぎょうしょう)」に該当するからです。
「行商しない」になっている場合は、警察署で「変更届出」を行い、書き換えてもらう手続き(手数料1,500円)が完了するまで市場には入れません。
2.必須アイテム②:行商従業者証(従業員の場合)
許可を受けた本人(個人事業主本人や法人の代表者)が行く場合は許可証で良いですが、スタッフや家族(妻や夫)に行ってもらう場合は注意が必要です。
たとえ家族であっても、許可者本人以外が市場に参加する場合は、「行商従業者証(ぎょうしょうじゅうぎょうしゃしょう)」の携帯が義務付けられています。
これは、名刺のような適当なものではなく、古物営業法で定められた様式(顔写真付き、サイズ指定あり)で作られたカードです。
市場の受付では、「許可証」と「従業者証」のダブルチェックが行われることが一般的です。
「主婦の副業で、夫の名義で許可を取ったから、妻の私が市場に行く」というケースでは、妻用の行商従業者証を作成し携帯しなければなりません。
3.入会審査と属性(主婦・副業・外国人)
「ちゃんとした店舗がないと入れないのでは?」と不安に思う方もいるでしょう。
しかし、最近の古物市場はオープン化が進んでおり、「店舗なし(ネット販売のみ)」「副業」「主婦」でも歓迎する市場が増えています。
市場主にとって重要なのは、「商品を継続的に買ってくれるか(資金力)」と「ルールを守れるか(マナー)」であり、性別や営業形態は二の次です。
ただし、外国人バイヤーに関しては、在留カードの確認や日本語能力(競りのスピードについてこれるか)を審査基準にする市場もあります。
いずれにせよ、「古物商許可」という国家資格を持っている時点で、あなたは法律上、彼らと同じ「プロの業者」です。
堂々と胸を張って参加資格を主張してください。
💡 行政書士の現場メモ(行商従業者証の作り方)
「行商従業者証」は、警察署や役所が発行してくれるものではありません。
「古物商自身(事業者)」が自作して発行するものです。
文房具店やAmazonで専用の台紙キットが売られていますので、それに従業員の顔写真を貼り、氏名等を記入し、事業主の印鑑を押して作成します。
これを知らずに「警察でもらっていないから持っていない」と言って市場で断られるケースが後を絶ちません。必ず自分で作って携帯させてください。
📷 画像挿入指示
推奨画像: 古物市場(平場)のイメージ図。倉庫のような広いスペースに、家具や家電、段ボールが山積みになっており、中央で競り人(振り手)が指を立てて値段を叫んでいる様子。手前にはバイヤーたちが真剣な眼差しで商品を見ている。
生成用プロンプト: Atmospheric illustration of a Japanese "Kobutsu Ichiba" (Antique Market). Inside a large warehouse, piles of furniture, electronics, and cardboard boxes. In the center, an auctioneer is gesturing numbers. Buyers surrounding them are focused. Professional BtoB auction vibe.
Alt属性: 古物市場 競り 風景 参加方法
📌 この章のポイント
- 古物市場は「在庫処分の場」であるため、店頭価格の数分の一で仕入れが可能。
- 参加には「古物商許可(原本)」が必須。許可証の区分が「行商する」になっているか要確認。
- 従業員や家族が代わりに行く場合は、自作した「行商従業者証」の携帯が法律で義務付けられている。
行政書士の小野です。 承知いたしました。 それでは、古物市場参加への最大の難関である**「H2:【門前払い回避】市場選びのコツと「入会」のハードル」**について執筆します。
「ネットで検索してもホームページが出てこない」「電話したら『一見さんお断り』とガチャ切りされた」 そんな心が折れそうな経験をする前に知っておくべき、市場選びの極意と、紹介者なしで突破するための具体的なアプローチ方法を、H3見出しひとつにつき600文字以上の濃密な情報量で伝授します。
【門前払い回避】市場選びのコツと「入会」のハードル
【読者の心の壁】: 「Googleマップで『古物市場』と検索しても、ほとんど情報が出てこない。あっても怪しげな倉庫の写真だけ。初心者がいきなり電話しても怒られない? どうやって自分に合う市場を見つければいいの?」
古物市場は、その閉鎖性ゆえに「情報は足で稼ぐ」が基本の世界でした。
しかし、近年は世代交代や法人化が進み、決して「秘密クラブ」ではありません。
重要なのは、あなたのビジネススタイル(商材)に合致した市場を選び、正しい手順で「入会の扉」を叩くことです。
ミスマッチな市場に行ってしまうと、入会金を無駄にするだけでなく、何も仕入れられずに帰る羽目になります。
まずは、市場のタイプを見極めることから始めましょう。
【道具市場 vs ブランド大会】あなたの商材に合った戦場を選べ
古物市場は、取り扱う商材によって「空気感」も「ルール」も全く異なります。
大きく分けて2つの流派があり、初心者はまずどちらを主戦場にするかを決める必要があります。
1.道具市場(どうぐいちば):カオスと宝探しの「平場(ひらば)」
リサイクルショップ、遺品整理、便利屋などがメインの参加者です。
家具、家電、雑貨、着物、骨董、工具、そして「誰が買うんだ?」と思うようなガラクタまで、ありとあらゆる物が次々と競りにかけられます。
【特徴】
商品は綺麗に陳列されず、床や台車の上に山積みされます。
基本は「山買い(やまがい)」と呼ばれる、段ボール数箱分をまとめて数千円で落札するスタイルです。
【メリット】
仕入れ単価が圧倒的に安く、利益率が高い商品(掘り出し物)が眠っています。
参加費(歩銭)も安く、入場料1,000円〜2,000円程度で参加できる場所が多いです。
【デメリット】
検品の時間がないため、壊れている物が混じっているリスクがあります。
また、会場は倉庫や会館が多く、夏は暑く冬は寒い過酷な環境であることも。
「汚れてもいい服」で行くのがマナーです。
2.ブランド大会(たいかい):真贋鑑定済みの「高級オークション」
質屋やブランド買取専門店がメインの参加者です。
ルイヴィトン、エルメス、ロレックスなどのハイブランド品や、ダイヤモンド等の貴金属が中心です。
【特徴】
商品は事前にリスト化され、下見期間(プレビュー)が設けられていることが多いです。
会場もホテルの宴会場や綺麗なオフィスビルで行われ、パソコンを使ってポチポチと入札するスタイルも増えています。
【メリット】
市場主催者が事前に真贋鑑定を行っているため、偽物を掴むリスクが極めて低いです。
1点で数万円〜数十万円の利益が出る高単価商材を効率よく仕入れられます。
【デメリット】
入会金(3万円〜10万円)や年会費が高額な傾向にあります。
また、落札手数料(歩銭)も高めで、資金力がモノを言う世界です。
【選び方のアドバイス】
「メルカリで小物を売りたい」「店舗の棚を埋めたい」なら道具市場へ。
「高利益の転売を目指したい」「在庫スペースがない」ならブランド大会へ。
自分の資金力と在庫スペースに合わせて選定してください。
「紹介者のみ」の壁をどう越える?初心者を歓迎する「オープン市場」の見分け方
目星をつけたら、次は「入会」です。
しかし、多くの老舗市場はホームページを持っておらず、電話をしても「うちは紹介制(会員の紹介がないと入れない)だから」と断られることがあります。
これは意地悪ではなく、「支払い能力がない人」や「盗品を持ち込む人」を排除するための防衛策です。
コネなし初心者がこの壁を突破するには、以下のステップを踏んでください。
1.「管轄警察署のリスト」から探す
ネット検索で出てこない市場を探す最も確実な方法は、各都道府県公安委員会のホームページにある「古物市場主一覧(URL届出等)」を見ることです。
ここには、正規に許可を取っている市場の名称と所在地がリストアップされています。
自宅から通える範囲の市場をリストアップしましょう。
2.「オープン市場」を狙い撃ちする
リストの中で、「ジャパン」「リサイクル」「オークション」といった現代的な名称がついている市場や、ホームページを持っている市場は、「オープン市場(誰でもウェルカムな市場)」である可能性が高いです。
逆に、個人名がついている古い市場や、組合組織の市場は「クローズド(紹介制)」の傾向があります。
まずはホームページがある市場、またはSNS(TwitterやInstagram)で情報発信している市場を探してください。
最近は「初心者講習会」を開いている親切な市場も増えています。
3.電話でのアポ取り(必勝スクリプト)
ホームページがなくても、諦めずに電話をかけてみましょう。
以下の手順で問い合わせれば、門前払いの確率は下がります。
- STEP 1(名乗り):「お忙しいところ恐れ入ります。私、〇〇市で古物商を営んでおります、〇〇(屋号または氏名)と申します。」
※必ず「業者」であることを最初に伝えます。
- STEP 2(要件):「この度、御社の市場に参加させていただきたくお電話いたしました。現在、新規の会員は募集されておりますでしょうか?」
- STEP 3(紹介なしの申告):(紹介者はいますか?と聞かれたら)
「あいにく紹介者はおりませんが、古物商許可証と行商従業者証は持っております。入会金や必要書類があればすぐに準備いたします。一度、見学からでも参加させていただけないでしょうか?」
ポイントは、「許可証を持っている正規業者であること」と「ルールに従う意思があること」をハキハキと伝えることです。
「見学ならいいよ」と言ってもらえれば、あとは当日の振る舞い次第で入会できます。
💡 行政書士の現場メモ(入会金の相場)
古物市場に入会する際は、以下の費用がかかるのが一般的です。
①入会金:1万円〜3万円(初回のみ)
②年会費:数千円〜1万円(市場による)
③参加費:1,000円〜3,000円(開催日ごとに毎回払う入場料)
現金払いのみの場所がほとんどですので、初回の見学時でも「入会金+参加費+仕入れ予算」として最低5万円〜10万円程度の現金は持参しましょう。
「お金がなくて入会できませんでした」というのは、商売人として一番恥ずかしい失敗です。
📌 この章のポイント
- 「道具市場(安価・大量)」か「ブランド大会(高価・真贋済)」か、自分の商材に合わせて選ぶ。
- 警察署HPの「古物市場一覧」は情報の宝庫。ネットにない市場もここなら見つかる。
- 紹介者がいなくても、電話で「許可証あり・見学希望」と丁寧に伝えれば受け入れてくれる市場は多い。
行政書士の小野です。 承知いたしました。 それでは、いざ会場に入った後に、初心者が最も萎縮してしまう**「H2:怒号が飛ぶ?初心者が知っておくべき「競り(セリ)」のマナーと符丁」**について執筆します。
「専門用語を知らないと怒られる?」「間違って落札したらどうなる?」 そんな不安を払拭し、ベテラン勢に混じっても堂々と取引するための「現場の流儀」を、H3見出しひとつにつき600文字以上の厚みで解説します。
怒号が飛ぶ?初心者が知っておくべき「競り(セリ)」のマナーと符丁
【読者の心の壁】: 「ドラマや映画で見るような、指でサインを出したり、謎の言葉で叫んだりする世界なんでしょ? 素人が間違った合図をして、高い値段で買わされたらどうしよう…怖くて手が挙げられない。」
古物市場には、数百年の歴史を持つ独自の文化があります。
確かに、昔ながらの市場では独特の言い回しやスピード感が求められますが、過度に恐れる必要はありません。
重要なのは「かっこよく振る舞うこと」ではなく、「市場の進行を妨げないこと」です。
市場主(振り手)にとって、最も迷惑なのは「声が小さい人」と「ルールを守らない人」です。
ここでは、最低限知っておくべき言葉(符丁)と、一発で出入り禁止(出禁)になりかねないタブーについて解説します。
専門用語「符丁(15,000円=イチゴ)」は覚える必要ナシ!最近の傾向
古物業界には「符丁(ふちょう)」と呼ばれる隠語が存在します。
これは、競りのスピードを上げるため、あるいは部外者に価格を悟られないために使われてきた数字の呼び方です。
1.代表的な符丁の例
市場によって多少の方言はありますが、全国的に通じる主なものは以下の通りです。
- ピン:1(1,000円、1万円)
- リャン(ノコ):2
- ゲタ:3(下駄の鼻緒の穴が3つあることから)
- ダリ:4
- ガレン:5
- ロン:6
- セイ:7
- バンド:8
- キワ:9
- チョウ(オヤマ):10
これらを組み合わせて、例えば15,000円を「イチゴ」、25,000円を「リャンゴ」、35,000円を「サンゴ(またはゲタゴ)」と呼んだりします。
また、単位を表す言葉として、「本(ホン)=1,000円」「枚(マイ)=1万円」「一本(イッポン)=10万円」などが使われることもあります。
2.実は「普通の日本語」でOKな市場が増えている
「こんなの覚えられない!」と思ったあなた、安心してください。
最近の「オープン市場」や「ブランド大会」では、符丁を禁止または非推奨としている場所が増えています。
理由はシンプルで、新規参入者(特にネット販売業者)や外国人バイヤーが増えたため、符丁を使うとかえって混乱を招き、競りのスピードが落ちるからです。
多くの市場では、「センエン!」「イチマンゴセン!」と、普通の日本語ではっきり金額を叫べば問題なく通じます。
むしろ、慣れていないのに知ったかぶりをして符丁を使い、桁を間違える方がよほど迷惑です。
初めて参加する市場であれば、開始前に主催者に一言こう聞いてください。
「符丁は不慣れなのですが、普通の数字で声を出しても大丈夫ですか?」
99%の市場主は「いいよ、大きな声で言ってくれれば」と答えてくれます。
大切なのは専門用語を知っていることではなく、振り手(オークショニア)にあなたの意思(金額)を誤解なく伝えることなのです。
3.指値(ゆびね)のマナー
声と同時に、指で数字を示すことも有効です。
人差し指を立てれば「1」、ピースサインなら「2」。
言葉が聞き取りにくくても、指が出ていれば振り手は拾ってくれます。
ただし、紛らわしい動き(髪をかき上げる、顔を触る)は、競りの最中は厳禁です。
「あ、今の入札じゃなかったの?」と進行を止めてしまうと、会場全体の空気が凍りつきます。
手は膝の上に置き、入札する時だけスッと高く挙げる。これが美しい所作です。
絶対厳禁!「後出しジャンケン」と「支払い遅延」は出入り禁止の元
符丁を知らなくても怒られませんが、「商売の仁義」を欠いた行為をすると、その場で退場を命じられ、二度と敷居を跨げなくなります。
古物市場は「信用」だけで成り立っている世界です。
以下の3つのタブーは絶対に犯さないよう、肝に銘じてください。
タブー①:落札後のキャンセル(買い戻し)
競りにおいて、振り手が「はい、〇〇円、〇〇屋さん!」とハンマーを叩いた(決定した)瞬間、売買契約は成立します。
その直後に「あ、やっぱり間違えました」「傷があるから要りません」と言うことは、法律的にも商習慣的にも許されません。
もしどうしてもキャンセルしたい場合は、ペナルティとして落札金額の数割〜全額を支払うことになります。
「間違って手を挙げた」は、子供の言い訳としても通用しません。
タブー②:後出し(あとだし)と横やり
ハンマーが落ちて、誰かが落札した後で、「あ、俺の方が高く買うよ!」と声を上げる行為。
これを「後出し」と言い、競りの公平性を崩す最悪のマナー違反です。
また、競りの最中に「そんなボロに高い値段つけてんじゃねーよ」と野次を飛ばしたり、他のバイヤーの入札を邪魔したりする行為も厳禁です。
市場は戦場ですが、参加者同士は敵であると同時に、相場を作り上げる仲間でもあります。
リスペクトのない態度は、全員から軽蔑されます。
タブー③:抜き行為(直接取引)
これが最も重い罪です。
市場に来ている売り手(出品者)に対して、市場を通さずに「これ、競りに出さないで俺に直接売ってよ」と持ちかける行為。
これを「抜き(ぬき)」と言います。
市場主は、競りの手数料(歩銭・ぶせん)で運営しています。
それを中抜きする行為は、市場主の利益を盗むことと同義です。
見つかったら即刻出入り禁止はもちろん、業界内でブラックリストとして名前が共有され、他の市場にも入れなくなる可能性があります。
どんなに欲しい商品があっても、必ず競りを通して、正規の手数料を払って落札してください。
【支払いの鉄則】
基本的に古物市場は「ニコニコ現金払い(即日決済)」です。
競りが終わったら、その場で計算書をもらい、現金で支払って商品を搬出します。
「手持ちが足りないのでコンビニでおろしてきます」はギリギリ許されても、「後日でいいですか?」「振り込みで」は通用しません。
自分の予算以上には絶対に買わないこと。
これが鉄則です。
💡 行政書士の現場メモ(歩銭の仕組み)
古物市場の主な収益源は「歩銭(ぶせん)」と呼ばれる手数料です。
一般的に、売り歩(うりぶ)と買い歩(かいぶ)があります。
・売り歩:出品者が払う手数料(落札額の5〜10%)
・買い歩:落札者が払う手数料(落札額の5〜10%)
例えば、1万円の商品を落札した場合、買い歩が10%なら、支払総額は11,000円+消費税となります。
市場によって「買い歩無料(売り歩のみ徴収)」や「消費税込み」などのルールが異なりますので、入会時に必ず確認しておきましょう。
📌 この章のポイント
- 「符丁」は無理に使わなくていい。最近は「普通の数字」ではっきり言う方が歓迎される。
- 落札後のキャンセルは契約違反。絶対にやってはいけない。
- 市場を通さずに裏で取引する「抜き行為」は、業界追放レベルの重罪。
怖がりな人へ。在宅で参加できる「ネット古物市場」という選択肢
【読者の心の壁】: 「怒号が飛び交うリアルな市場は、精神的にムリ…。それに、平日の昼間はずっと仕事があるし、会場まで行く交通費もバカにならない。家でゴロゴロしながら仕入れができたら最高なんだけど…」
そんな「わがまま」が通る時代になりました。
コロナ禍をきっかけに、古物業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)は劇的に加速し、今や「ネット古物市場(オンラインオークション)」は、リアル市場を凌ぐ勢いで成長しています。
パソコンやスマホさえあれば、北海道から沖縄まで、全国の市場に参加できる時代。
符丁も、大声も、人間関係のしがらみも一切不要。
ここでは、現代の古物商にとって必須の武器となりつつある、ネット市場の仕組みと活用術を解説します。
スマホで入札、宅配で納品。エコリングtheオークション等の台頭
ネット古物市場とは、文字通りインターネット上で開催されるBtoBオークションです。
ヤフオク!などの一般向けサイトと違うのは、「参加者が古物商許可を持つ業者に限定されていること」と「数千〜数万点の商品が短期間で取引される規模感」です。
1.代表的なネット市場の形式
ネット市場には主に2つの形式があります。
- リアルタイム競り(ライブオークション):決まった時間に画面の前に待機し、ライブ配信される映像を見ながら「入札ボタン」を押していくスタイル。
リアル市場の臨場感をそのままネットに持ち込んだ形式で、瞬発力が求められます。
- 入札方式(期間入札):「毎週火曜日〜木曜日」のように入札期間が設けられており、その間に商品画像をチェックして、自分が買いたい金額を入力しておくスタイル。
最終日に最も高い金額を入れていた人が落札します。
自分のペースでじっくり相場を調べられるため、副業や初心者にはこちらが圧倒的にオススメです。
2.業界最大手「エコリングtheオークション(エコオク)」の衝撃
ネット市場を語る上で外せないのが、業界最大手の「エコリングtheオークション」です。
ここは、ブランド品だけでなく、道具類、アパレル、宝飾品まで幅広いジャンルを扱っており、スマホアプリの操作性が非常に高いため、初心者の入門編として最適です。
【メリット】
商品画像が非常に綺麗で、ダメージ箇所(傷や汚れ)のアップ写真もしっかり掲載されています。
また、真贋判定の精度も高く、「ランクB(多少の傷あり)」といった格付けも信頼できます。
何より、人間関係の煩わしさがゼロです。
誰かに睨まれることも、後出しジャンケンで揉めることもありません。
淡々と数字を入力し、落札できれば数日後に段ボールで自宅に商品が届きます。
3.ネット市場特有の「コスト」と「リスク」
「良いことづくめじゃないか」と思うかもしれませんが、ネットならではの落とし穴もあります。
それは「送料」と「現物確認不可」のリスクです。
- 送料の負担:リアル市場なら車に積んで帰ればタダですが、ネット市場では必ず「送料」がかかります。
特に家具や家電などの大型商品は、送料だけで数千円飛びます。
「1,000円で安く買えた!」と喜んでいたら、送料が2,000円かかって赤字になった、というのは初心者が必ず通る道です。
入札額を決める際は、必ず「送料込みの原価」を計算しなければなりません。
- 匂いと質感のリスク:画像では完璧に見えても、届いたバッグを開けたら「強烈なタバコの匂い」や「カビ臭」がするケースがあります。
これは写真では伝わりません。
多くのネット市場では、こうした感覚的なクレームは受け付けてくれません。
そのため、解説文(コンディションレポート)を隅々まで読み込む読解力と、「多少のリスクは見込んで安く入札する」という慎重さが求められます。
4.入会手続きは完全オンライン
ネット古物市場への入会は、基本的にすべてウェブ上で完結します。
申込みフォームに情報を入力し、「古物商許可証の画像データ」をアップロードします。
この際、許可証の記載内容(住所や氏名)と、申込み情報が一文字でも違っていると審査に落ちます。
特に、法人の場合は登記簿謄本の提出を求められることもあります。
審査期間は数日〜1週間程度。
無事にIDとパスワードが発行されれば、その瞬間からあなたのスマホは「巨大な仕入れ倉庫」と直結します。
💡 行政書士の現場メモ(ネット市場の「下見」)
ネット市場では現物を見られないと言いましたが、実は多くの市場で「事前下見会(プレビュー)」を実施しています。
ネット入札期間中に、指定された倉庫へ行けば、実際に商品を手にとって確認できるのです。
高額なブランド品や宝石を狙う場合は、画像だけで判断せず、可能な限りこの下見会に参加することを推奨します。
プロのバイヤーは、下見の日に入念にチェックし、自宅に帰ってから冷静に入札を行っています。
📷 画像挿入指示
推奨画像: スマートフォンでネット古物市場(オークションアプリ)の画面を見ている手元のアップ。画面にはブランドバッグの写真、現在の入札価格、残り時間が表示されている。背景はカフェや自宅のリビングなど、リラックスした環境。
生成用プロンプト: Close-up of a hand holding a smartphone displaying a Japanese BtoB antique auction app interface. The screen shows a luxury handbag image, current bid price, and countdown timer. Background is a cozy living room or cafe, suggesting remote work style.
Alt属性: ネット古物市場 スマホ仕入れ エコリングtheオークション
📌 この章のポイント
- ネット古物市場なら、場所や時間、人間関係に縛られず、副業でもプロの仕入れが可能。
- 「入札方式」なら、じっくり相場を調べてから価格を決定できるため初心者向き。
- 「送料」が利益を圧迫しないよう計算が必要。また「匂い」などの画像に写らないリスクに注意。
行政書士の小野です。 承知いたしました。 それでは、記事の総仕上げとして**「H2:まとめ:勇気を出して電話してみよう。市場は「情報の宝庫」」と、読者が適法かつスムーズにプロの世界へデビューするための「メインCTA」**を執筆し、すべての工程を完了させます。
まとめ:勇気を出して電話してみよう。市場は「情報の宝庫」
ここまで、古物市場の仕組みから、初心者でも参入しやすいルートの開拓法まで解説してきました。
最後に、私が多くの古物商の方を見てきて確信していることをお伝えします。
古物市場の最大の価値は、「安く買えること」ではありません。
「情報」と「相場観」が手に入ることです。
「今、このブランドの相場が崩れ始めている」
「最近、海外バイヤーがこの商品を欲しがっている」
こうした生きた情報は、ネットニュースやSNSには出てきません。
市場という現場で、競りの熱気と数字を肌で感じることでしか得られない「一次情報」です。
この情報を持っているかどうかが、ビジネスの寿命を決めます。
最初は怖いかもしれません。
電話をする手も震えるかもしれません。
しかし、許可証というパスポートを持っているあなたには、その扉を開く権利があります。
勇気を出して、「見学させてください」と電話をかけてみてください。
その一本の電話が、あなたの仕入れルートを劇的に変え、ビジネスを次のステージへと押し上げてくれるはずです。
【市場へ行く前の最終チェック】
- ✅ 許可証の確認:「行商をする」になっていますか?(「しない」なら即変更手続きを!)
- ✅ 従業者証の作成:スタッフや家族が行くなら、自作の「行商従業者証」を持たせましたか?
- ✅ 現金の用意:入会金と仕入れ資金(最低10万円〜)は財布に入っていますか?
- ✅ ターゲット選定:自分の商材に合った市場(道具市場 or ブランド大会 or ネット)を選びましたか?
【行商権がない!?】許可証の「変更・書き換え」代行します
「許可証を見たら『行商しない』になっていた…これでは市場に入れない」
「従業員に持たせる『行商従業者証』の正しい作り方がわからない」
「これから許可を取るが、最初から市場に参加できる完璧な申請にしたい」
そんな古物商の皆様を、行政書士がサポートします。
当事務所では、新規許可申請はもちろん、既存許可証の「行商」区分の変更手続きや、市場参加に必須の「従業者証作成サポート」も行っております。
法的な足かせを外して、最短距離でプロの仕入れ現場へ向かいましょう。
※全国対応可能。
※「行商従業者証」のひな形提供も可能です。

