【結論】副業せどりの「古物商許可」とは?
副業せどりにおける「古物商許可」とは、盗品流通防止を目的とした警察署管轄の公的許認可です。単なる営業許可証ではなく、あなたが扱う商品が正規ルートであることを証明し、前科や懲戒解雇といった致命的なリスクからあなたの生活と社会的信用を守るための「最強の防具」となります。

行政書士の小野馨です。
今回は「副業せどりと古物商許可」について、警察署の視点を交えてお話しします。
「メルカリで不用品を売る感覚で始めたら、警察から連絡が来た」。これは脅しではなく、実際に起こり得る現実です。
副業ブームの裏で、安易な転売行為が「無許可営業」とみなされ、検挙されるケースが増加しています。「知らなかった」では済まされないのが法律の世界です。
利益を出すことよりも先に、まずは「守り」を固めなければ、あなたの本業や家族さえも危険に晒すことになります。行政書士として断言します。ビジネスとして継続するなら、許可は選択肢ではなく「義務」です。この記事では、警察が目を光らせるポイントと、安全に開業するための具体的な手順を包み隠さず公開します。
⚠️ 「懲役3年以下」または「100万円以下の罰金」。
無許可営業の代償は、せどりで得られる利益よりも遥かに巨大です。警察の取り締まりが厳格化している今、曖昧な知識でスタートするのは自殺行為と言えます。
この記事でわかる4つのポイント
- ✅ ネット仕入れの「新品」が違法(古物扱い)になる法的境界線
- ✅ サイバーパトロールや通報で「無許可」がバレる瞬間
- ✅ 自宅(賃貸)で開業する際の「大家さんへの交渉術」と突破口
- ✅ 警察の「立入検査」の頻度と、家族にバレないための対策
副業でも「利益」目的の転売なら許可は必須
「月に数万円のお小遣い稼ぎだから」「本格的な業者じゃないから」というのは、あくまであなたの主観に過ぎません。警察や法律の判断基準において、「副業」という免罪符は存在しないと心得てください。利益を目的として反復継続して取引を行う以上、それは立派な「事業」であり、古物営業法の規制対象となります。
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推奨画像: スマートフォンでフリマアプリを操作する手元と、背景に積み上がった在庫の段ボール。副業の気軽さと在庫リスクの対比。
生成用プロンプト: Close-up of hands operating a smartphone with a flea market app open. In the background, stacks of cardboard boxes containing inventory are piled up in a typical Japanese living room. Lighting is slightly dim to suggest evening side hustle work.
Alt属性: 副業せどり 在庫管理 古物商許可 違法
「業として」の判断基準(継続的な仕入れと販売)
古物商許可が必要かどうかの最大の分かれ道は、その行為が「業(ぎょう)として」行われているかどうかです。これは法律用語で、社会通念上、事業として認められる程度の「反復継続性」があるかを意味します。
具体的には、たとえ1回あたりの取引額が小さくても、利益を出す意思を持って商品を仕入れ、それを販売する行為を繰り返していれば、それは「業」とみなされます。例えば、自分の子供が着られなくなった服をメルカリで売る行為は「不用品の処分」であり、許可は不要です。しかし、リサイクルショップで子供服を安く仕入れ、サイズ別にセットにして高値で販売する行為を毎月行っていれば、それは明確に「せどり(転売ビジネス)」であり、許可が必要です。
警察庁のガイドラインや過去の判例を見ても、取引の回数や金額だけでなく、「当初から転売する目的で入手したか」という主観的な意図も重視されます。副業であっても、仕入れの段階で「これを売って差益を得よう」という意思があれば、その時点で古物営業法の適用を受ける可能性が極めて高いのです。「趣味の延長」と言い訳しても、客観的な取引履歴(銀行口座やアプリの履歴)を見れば、事業性は一目瞭然であることを理解しておきましょう。
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
以前、「自分はコレクターで、気に入らなかったものを売っているだけ」と主張して無許可営業を続けていた方がいました。しかし、警察は彼の自宅にあった「未開封の同一商品10点」を見て、即座に事業用在庫と認定しました。個人のコレクションであれば、同じフィギュアを保存用と観賞用で2つ持つことはあっても、転売目的でなければ10個も持たないはずだ、という論理です。言い逃れは通用しません。
赤字でもアウト?無許可営業=違法となるライン
「まだ利益が出ていないから大丈夫」「むしろ赤字だから商売になっていない」と考える初心者が非常に多いですが、これは法的に大きな間違いです。古物商許可が必要なのは、「古物営業を行うこと」に対してであり、「利益が出ていること」に対してではないからです。
つまり、転売目的で古物を仕入れた時点で、許可が必要な行為に着手しているとみなされます。その結果として商品が売れ残ったり、損切りをして赤字になったりしたとしても、無許可営業の事実は消えません。法律は「結果(黒字か赤字か)」ではなく、「行為(無許可で営業したか)」を裁くのです。
むしろ、ビジネスとして未熟で赤字を出している状態こそ危険です。資金繰りに焦り、リスクの高い商品(盗品や偽ブランド品)に手を出したり、自転車操業で大量の仕入れと安値販売を繰り返したりすることで、さらに泥沼にはまるケースが後を絶ちません。警察の捜査が入った際、「儲かっていないから見逃してほしい」という情状酌量は一切通用しません。利益が出ていなくても、無許可営業の罰則(3年以下の懲役または100万円以下の罰金)は等しく適用されます。ビジネスを始める以上、収支に関わらず、まずはスタートラインである許可証を取得することが、自身を守る最低限のルールです。
📌 この章のポイント
- ✅ 「副業だから」は通用しない。反復継続する意思があれば「業」とみなされる。
- ✅ 不用品処分とビジネス転売の境界線は「仕入れ時の意思(転売目的か否か)」にある。
- ✅ 赤字であっても無許可営業は成立する。法律は「利益」ではなく「行為」を規制している。
【要注意】「新品」転売の危険な落とし穴
「自分は新品しか扱わないから、古物商許可は関係ない」。そう思い込んでいる副業せどらーが最も危険です。なぜなら、あなたが「新品」だと思っている商品と、警察が法律に基づいて判断する「新品」の定義には、決定的なズレがあるからです。このズレを放置したまま仕入れを続けることは、目隠しをして地雷原を歩くようなものです。
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推奨画像: 「未開封のゲーム機」の箱と、その上に重なる「古物営業法」の条文のイメージ。物理的な新品と法律上の古物の対比。
生成用プロンプト: A brand new, sealed game console box sitting on a wooden desk. Overlaying the image is a translucent document with Japanese text regarding "Secondhand Articles Dealer Act" (古物営業法). The focus is on the contrast between the pristine item and the legal regulation.
Alt属性: 新品せどり 違法 メルカリ仕入れ 古物営業法
Amazon・メルカリ仕入れが「古物」になる法的根拠
古物営業法第2条では、「古物」の定義を以下のように定めています。「一度使用された物品」、または「使用されない物品で使用のために取引されたもの」。この後者の定義が、ネットせどりにおいて非常に重要になります。
具体的に言えば、メルカリ、ヤフオク!、ラクマなどの個人間取引プラットフォームや、Amazonマーケットプレイス(個人出品者)から仕入れた商品は、たとえ商品説明に「新品・未開封」と記載されていても、法律上は原則として「古物」として扱われます。なぜなら、これらの商品は一度「一般消費者の手」に渡り、取引された経緯があるからです。
物理的に箱が開けられていなくても、テープが切られていなくても関係ありません。法律は「物の状態」ではなく、「流通の履歴」を見ます。消費者の手に渡った時点で、それは市場流通のサイクルから一度外れた「古物」となるのです。したがって、これらを転売目的で仕入れて販売するには、古物商許可が必須となります。「ネットで新品として売られていたから」という言い訳は、警察署の取り調べでは一切通用しないことを肝に銘じてください。
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
「Amazonで買えば全部新品じゃないの?」という相談をよく受けます。実はAmazonには「Amazon自身が販売するもの」と「マーケットプレイス(第三者が販売するもの)」が混在しています。特に注意すべきは、個人が「新品」として出品している商品を仕入れるケースです。これを無許可で転売し、後にその商品が盗品だった場合、あなたは「盗品等有償譲受け」の罪に問われるリスクすらあります。仕入れ元の正体が見えにくいネット取引こそ、許可証という盾が必要です。
小売店からの「新品」仕入れなら許可不要な理由
では、許可が不要な「完全な新品」とは何を指すのでしょうか。それは、メーカー、卸売業者、あるいは家電量販店や百貨店などの「小売店」から直接仕入れた商品のことです。
これらは、まだ一度も一般消費者の手に渡っていないため、古物営業法上の「古物」には該当しません。例えば、ヤマダデンキやドン・キホーテの店頭でセール品を買い、それをAmazonで売るいわゆる「店舗せどり」において、その仕入れ対象が間違いなく小売店の在庫であれば、古物商許可は理論上不要です。
しかし、ここにもリスクは潜んでいます。もしあなたがビジネスを拡大し、たまたま利益が出るからといって、リサイクルショップの未開封品や、ネットオークションの商品を1点でも仕入れて販売したらどうなるでしょうか? その瞬間にあなたは「古物商」となり、許可が必要になります。「99%は新品仕入れだから」といっても、残りの1%で違法行為が成立してしまうのです。ビジネスの幅を狭めず、かつ安全に運用するためには、やはり最初から許可を取得しておくのが最も賢明な経営判断と言えるでしょう。
📌 この章のポイント
- ✅ 「新品・未開封」でも、一度消費者の手に渡ったものは法的に「古物」となる。
- ✅ メルカリやヤフオク仕入れは、実質的にほぼ全て「古物取引」とみなすべき。
- ✅ 小売店からの仕入れは許可不要だが、仕入れルートが少しでも混ざれば違法になるリスクがある。
警察署はここを見る!無許可が「バレる」3つの瞬間
「自分はまだ売上が少ないから見つからない」「匿名配送だから身元はバレない」。そう高を括っていませんか? 現代の捜査能力を甘く見てはいけません。インターネット上にログ(足跡)を残して商売をしている以上、あなたは常に「ガラス張りの部屋」にいるのと同じです。警察署の生活安全課は、特定のタイミングや情報をトリガーにして、無許可営業の実態を確実に捕捉します。
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推奨画像: 暗い部屋でモニターを見つめる警察官(サイバー犯罪対策課)のシルエットと、モニターに映るECサイトの出品リスト。
生成用プロンプト: Silhouette of a Japanese police officer from the Cyber Crime Division looking at multiple computer monitors in a dark room. The screens display lists of products on an e-commerce site, highlighting specific seller accounts. Serious atmosphere.
Alt属性: サイバーパトロール 警察 捜査 メルカリ転売
サイバーパトロールとプラットフォームの捜査協力
各都道府県警には、インターネット上の違法取引を監視する「サイバーパトロール」の専従部隊が存在します。彼らはキーワード検索やAIツールを駆使し、「新品」「未使用」「大量出品」といった怪しい出品パターンを常にモニタリングしています。特に、同一カテゴリーの商品を継続的に出品しているアカウントは、個人の不用品処分ではなく「業者」としてマークされます。
さらに逃げ場がないのが、Amazonやメルカリ、ヤフオク!などのプラットフォーム運営側と警察の連携です。警察は犯罪捜査のために必要と判断すれば、「捜査関係事項照会書」を用いて、運営会社に対して特定のアカウントの登録情報(氏名、住所、電話番号、振込先口座)の開示を求めることができます。
運営会社側も、自社のプラットフォームが犯罪(盗品売買や無許可営業)の温床になることを避けるため、警察の照会には協力的な姿勢をとります。「匿名配送だから安心」というのは、あくまで購入者に対する匿名性であって、運営会社や警察に対しては、あなたの個人情報は丸裸なのです。ある日突然、自宅に警察署から電話がかかってきたり、捜査員が訪問してきたりするのは、すでに裏で証拠が固められている証拠です。
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
最近増えているのが、盗難事件の捜査から芋づる式に無許可セラーが発覚するケースです。例えば、万引きグループが盗んだ商品をネットで売却したとします。警察はその商品を「誰が買ったか」を追跡します。もしあなたが、その万引きグループのアカウントから(知らずに)安く仕入れて転売していた場合、警察はあなたを「盗品等の重要参考人」として事情聴取します。その際、あなたが古物商許可を持っていなければ、盗品等関与罪の疑いと共に、無許可営業で即検挙となります。
通報リスクと銀行口座の不自然な入出金
サイバーパトロール以上に多い発覚のきっかけが、第三者による「通報(タレコミ)」です。その通報者は誰か? 多くの場合、あなたの商売敵である「競合のせどらー」か、取引でトラブルになった「購入者」です。
特に競合他社は、自分たちの市場を守るために、許可番号の記載がないセラーや、不当に安売りをするセラーを警察に通報することがあります。彼らはプロですから、どの出品者が無許可でやっているかを見抜く目は鋭いです。「ストア情報」に許可番号がなければ、それだけで通報の材料になります。
また、お金の流れも決定的な証拠になります。事業としてせどりを行っていれば、個人の銀行口座に不自然な頻度で入金があり、同時に仕入れのための出金が繰り返されます。税務署の調査が入った際に、この不自然な資金移動から「無許可での事業活動」が疑われ、警察に通報されるケースもあります。あるいは逆に、警察の捜査から税務署へ情報が渡り、追徴課税を受ける「往復ビンタ」を食らうことも珍しくありません。隠し通すことは、アナログの時代よりも遥かに困難になっているのです。
📌 この章のポイント
- ✅ 「匿名配送」は警察には通用しない。プラットフォームの登録情報は開示される。
- ✅ 競合他社はライバルを蹴落とすために、無許可セラーを積極的に通報している。
- ✅ 銀行口座の入出金履歴は、事業実態を証明する動かぬ証拠となる。
【実務の最難関】「賃貸マンション(自宅)」申請の壁と突破口
古物商許可の申請において、書類作成以上に高いハードルとなるのが「営業所(場所)」の確保です。特に副業でせどりを行う方の多くは、現在お住まいの賃貸マンションやアパートを営業所として申請しようとしますが、ここで9割の方が壁にぶつかります。警察署の窓口に行く前に、まずはご自身の「賃貸借契約書」を確認する必要があります。
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推奨画像: 「住居専用」と書かれた賃貸契約書のクローズアップと、悩むビジネスマン。契約書の条項に赤線が引かれているイメージ。
生成用プロンプト: Close-up of a Japanese real estate rental contract. The kanji characters for "Residence Only" (住居専用) are highlighted with a red pen. A worried businessman is holding his head in the background.
Alt属性: 古物商許可 賃貸契約書 住居専用 使用承諾書
なぜ大家の「使用承諾書」が必要なのか?
一般的な賃貸住宅の契約は「居住専用」となっており、事業目的での使用は禁止されています。警察署は、あなたがその場所で安定して古物営業を継続できる権利(使用権原)を持っているかを厳しく審査します。
そのため、賃貸物件で申請する場合、大家さんや管理会社から「古物営業の営業所として使用することを承諾する」という旨の署名・捺印(使用承諾書)をもらってくるよう求められます。しかし、ここが最大の難関です。大家さんの立場からすれば、「見知らぬ人が出入りして治安が悪くなる」「在庫で床が抜ける」「火災のリスク」などを懸念し、承諾を拒否するケースがほとんどだからです。
「バレないだろう」と勝手に申請書を出しても、警察署によっては大家さんに直接電話確認を入れることがあります。もしそこで「聞いていない」となれば、申請は却下されるだけでなく、賃貸借契約違反で退去を迫られるリスクさえあります。まずは管理会社に連絡し、「人の出入りがないインターネット主体の事業であること」を丁寧に説明し、承諾が得られるか交渉することから始めなければなりません。
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
賃貸での承諾が絶望的な場合の「突破口」として、「実家」を営業所として申請する方法があります。もしご実家が持ち家で、ご両親の承諾が得られるなら、そこを形式上の「本店(主たる営業所)」とし、在庫管理や帳簿付けを行う拠点として登録するのです。ただし、警察の管轄は実家のエリアになるため、申請や変更届出の手間、万が一の立入検査への対応が必要になる点は考慮してください。
バーチャルオフィスは使える?「営業所」の要件定義
「自宅がダメなら、安いバーチャルオフィスを借りればいいのでは?」と考える方も多いですが、結論から言うと、バーチャルオフィスでの古物商許可取得は原則として不可能です。
古物営業法における「営業所」とは、単に住所があるだけでなく、以下の実体要件を満たしている必要があります。
- 独立性が保たれていること(他者と共有していない、区画されている)
- 古物台帳(帳簿)を保管・管理できること
- 商品(在庫)の保管・管理ができること
- 警察の立入検査に対応できること
バーチャルオフィスは「住所貸し」に過ぎず、物理的な実体がないため、これらの要件を満たせません。
一方で、個室があり鍵がかかるタイプの「レンタルオフィス」であれば、許可が下りる可能性があります。ただし、契約形態や物件の構造によって警察署の判断が分かれるため、契約前に必ず管轄の警察署(生活安全課)へ図面を持参し、事前相談を行うことが必須です。無駄な契約金(コスト)を払う前に、必ず「場所の要件」をクリアできるか確認しましょう。
📌 この章のポイント
- ✅ 賃貸物件(居住用)での申請には、大家の「使用承諾書」が必須となるケースが多い。
- ✅ バーチャルオフィスは「実体」がないため、古物商の営業所としては認められない。
- ✅ 自宅が無理な場合は、「実家」や「個室レンタルオフィス」が現実的な選択肢となる。
【恐怖の解消】許可を取ると警察が家に来る?「立入検査」の真実
「古物商許可を取ると、定期的に警察官が家に上がり込んでくる」という噂を耳にしたことはありませんか? これが怖くて申請を躊躇する方がいますが、結論から言えば、個人の副業レベルで頻繁に立入検査が行われることは稀です。ただし、法律上は警察官に「立入検査権」が認められており、拒否すれば罰則もあります。重要なのは、実際に来た時に何を見られるかを知り、いつでも迎え入れられる準備をしておくことです。
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推奨画像: 玄関先で、スーツ姿の男性(警察官)が手帳を提示し、居住者が対応している様子。穏やかだが緊張感のある雰囲気。
生成用プロンプト: A Japanese police officer in a plain suit showing his police badge (ID) at the entrance of a typical Japanese apartment. The resident is opening the door. The atmosphere is professional, not aggressive.
Alt属性: 古物商 立入検査 警察官 私服 帳簿確認
突然の訪問はある?検査の頻度とチェック項目(帳簿・在庫)
古物営業法第22条に基づき、警察職員は営業所(自宅)に立ち入り、帳簿や在庫を検査することができます。しかし、実務上の運用としては、リサイクルショップや貴金属店のような路面店とは異なり、個人の自宅兼営業所に対して「アポなし」で突然踏み込んでくることは極めて少ないのが現状です。多くの場合は、事前に担当官から電話があり、「最近どうですか? 一度状況を確認させてください」と日程調整が行われます。
検査でチェックされるポイントは主に2つです。
1つ目は「標識(古物商プレート)」の掲示です。玄関や部屋の目立つ場所に、紺色の正式なプレートが掲げられているか確認されます。
2つ目は「帳簿(取引台帳)」の記載状況です。「いつ、誰から、何を仕入れ、誰に売ったか」という法定項目が正確に記録されているかが最重要視されます。Excelやスプレッドシートでの管理でも認められますが、すぐに提示できる状態でなければなりません。逆に言えば、この帳簿さえ完璧であれば、検査は数分で終わる事務的なものです。恐れる必要はありません。
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
「取引が少額だから帳簿はつけていない」という方がいますが、これは非常に危険です。立入検査で帳簿の不備や虚偽記載が見つかると、営業停止処分や罰則の対象になります。また、最近は「本人確認(身分証のコピー等)」を適切に行っているかも厳しく見られます。ネット取引だからこそ、相手方の本人確認義務(非対面取引における本人確認)を怠らないようにしましょう。
家族に配慮した「私服訪問」のお願い
自宅で開業する場合、最も懸念されるのが「制服姿の警察官が来て、近所の人に何か事件があったのではないかと勘違いされること」や「家族に余計な心配をかけること」です。
これについては、申請時や事前連絡の際に、担当官へ率直に相談することをお勧めします。「マンションの管理規約上、目立つと困る」「家族を驚かせたくない」という事情を伝えれば、多くの警察官は配慮してくれ、パトカーではなく覆面パトカー(または自転車・徒歩)で、制服ではなく「私服(スーツ)」で訪問してくれます。
警察の目的は、あくまで「盗品流通の防止」と「法令順守の確認」であり、あなたの生活を脅かすことではありません。むしろ、普段から担当官と良好なコミュニケーションを取っておくことで、万が一トラブル(偽ブランド品を仕入れてしまった等)に巻き込まれた際に、相談に乗ってもらいやすくなるというメリットさえあります。警察を敵ではなく、ビジネスを安全に行うための「パートナー」として捉える意識転換が必要です。
📌 この章のポイント
- ✅ 自宅営業所への立入検査は、事前連絡があるケースが多いが、義務ではない。
- ✅ 最重要チェック項目は「帳簿(取引記録)」と「標識(プレート)」の有無。
- ✅ 近所の目が気になる場合は、申請時に「私服での訪問」をお願いすることが可能。
許可だけじゃない!安全に稼ぐための「開業届」と「確定申告」
古物商許可を取得して「これで警察は大丈夫」と安心したのも束の間、次にあなたを待ち受けているのが「税務署」です。特にせどりは売上規模が大きくなりやすく、銀行口座にお金が頻繁に出入りするため、税務署の調査対象になりやすいビジネスです。「バレないだろう」という甘い考えは、追徴課税という形で、稼いだ利益以上のペナルティとなって跳ね返ってきます。
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推奨画像: 電卓を叩きながら頭を抱える男性と、机の上に積まれたレシートや領収書の山。確定申告の複雑さと重要性を表現。
生成用プロンプト: A Japanese man looking stressed while using a calculator at a desk covered with piles of receipts and invoices. The scene represents the complexity of tax return preparation for a side hustle.
Alt属性: 確定申告 副業せどり 経費 開業届 税金
税務署も監視中?副業収入20万円の壁と申告義務
よく「副業の利益が年間20万円以下なら確定申告は不要」という話を耳にしますが、これは半分正解で、半分は致命的な間違いです。この「20万円ルール」が適用されるのは、国の税金である「所得税」の話だけです。
お住まいの自治体に納める「住民税」については、利益が1円でも発生していれば申告義務があります。ここを理解せずに「20万円以下だから何もしなくていい」と放置していると、未申告(脱税)の状態になります。さらに怖いのが、会社への発覚リスクです。住民税の申告を怠ると、役所からの通知が本業の給与天引きと合算される過程でズレが生じ、経理担当者に「この社員、給与以外の収入があるな」と気づかれる原因になります。
また、ビジネスとして継続する意思があるなら、税務署へ「開業届」を提出することを強く推奨します。開業届を出せば、最大65万円の控除が受けられる「青色申告」が可能になります。無申告でビクビクするよりも、堂々と開業し、青色申告で合法的に節税する方が、手元に残る現金は確実に増えるのです。
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
「開業届を出すと、失業保険がもらえなくなるのでは?」という質問も多いですが、これは事実です。開業届を出していると「自営業者」とみなされるため、万が一本業をリストラされた際に、失業手当の受給資格に関わる場合があります。副業の規模や将来の独立プランと照らし合わせ、どのタイミングで開業届を出すか(または廃業届を出すか)は、慎重に判断すべき戦略的なポイントです。
手数料・経費・リサーチツール代の正しい計上方法
せどりで正しく利益を残すためには、売上だけでなく「経費」を正確に把握することが不可欠です。税金がかかるのは「売上」に対してではなく、「利益(所得)」に対してだからです。
利益 = 売上 -(仕入れ代金 + 必要経費)
せどり特有の経費として見落としがちなのが、Amazonやメルカリの「販売手数料(約10〜15%)」や「振込手数料」、そして商品を発送するための「配送料」や「梱包資材費(段ボール、プチプチ、テープ代)」です。これらは立派な必要経費です。
さらに、利益に直結する「リサーチツール(Keepaや有料アプリ)」の月額料金や、古物商許可の取得にかかった行政書士報酬や証紙代も経費計上できます。また、自宅で作業している場合は、家賃や電気代、インターネット通信費の一部を事業使用分として経費にする「家事按分(かじあんぶん)」も可能です。
どんぶり勘定で「思ったより儲かっていない」と嘆く前に、領収書を一枚残らず保存し、会計ソフト(freeeやマネーフォワード等)に入力する習慣をつけましょう。正しい経費計上こそが、最強の節税対策であり、あなたのビジネスを守る盾となります。
📌 この章のポイント
- ✅ 「20万円以下なら申告不要」は所得税のみ。住民税は別途申告が必要で、ここから副業バレする。
- ✅ 開業届を出して「青色申告」にすれば、最大65万円の控除など大きな節税メリットがある。
- ✅ 梱包材からツール代、家賃の一部まで、領収書は全て保管し「経費」として計上する。
合法的にスタートするための許可取得ロードマップ
ここまで読んで、リスクと責任の重さを理解された賢明なあなたなら、もう「無許可でこっそり始める」という選択肢はないはずです。最後に、実際に許可を取得してビジネスをスタートさせるまでの具体的な道のりを示します。このプロセスは、あなたが「怪しい転売屋」から「法を守る事業者」へと生まれ変わるための儀式でもあります。
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推奨画像: カレンダー(40日間の期間を示す)と、19,000円分の収入証紙、そして紺色の古物商許可証(手帳型)のイメージ。
生成用プロンプト: A desk calendar highlighting a 40-day period, next to Japanese revenue stamps worth 19,000 yen and a navy blue "Antique Dealer Permit" (Kobutsusho Kyoka) notebook. Professional and clean composition.
Alt属性: 古物商許可 申請期間 費用 収入証紙 行政書士
警察署への申請から取得までの期間と費用
古物商許可は、申請書類を警察署の窓口に提出してから、実際に許可証が手元に届くまでに「標準処理期間」として約40営業日(土日祝を除く約2ヶ月弱)がかかります。
「明日からやりたい」と思ってもすぐには取れません。
この審査期間中も、当然ながら古物営業(仕入れ・販売)を行うことはできないため、ビジネスの開始時期から逆算して、余裕を持って準備を始めることが鉄則です。
申請に必要な法定費用(手数料)は19,000円です。これは警察署内の会計窓口で収入証紙を購入して納めます。もし申請が不許可になった場合でも、この19,000円は返還されないので注意が必要です。
具体的なステップは以下の通りです。
- 書類収集:本籍地の役所で「身分証明書」、法務局で「登記されていないことの証明書」、住民票などを取得します。
- 書類作成:「許可申請書(別記様式)」に加え、「誓約書」「略歴書」「使用承諾書(賃貸の場合)」などを作成します。警察署ごとのローカルルールがある場合も多いので要注意です。
- 提出・面接:管轄警察署の生活安全課へアポイントを取り、書類を持参します。ここで担当官による簡単なヒアリング(何を売るのか、場所はどうするのか等)が行われ、書類に不備がなければ受理されます。
- 審査・交付:約40日後、警察署から「許可が下りました」と連絡が入ります。再度警察署へ出向き、許可証を受け取って晴れて営業開始となります。
自分で行う場合、平日に最低2回は警察署へ行く必要があり、書類不備があればその回数は増えます。「時は金なり」。
不慣れな書類作成で数週間悩み、警察署を往復する時間を時給換算すれば、行政書士に依頼(相場4〜6万円)して一発でクリアする方が、結果的にコストパフォーマンスが良いケースも多いのが現実です。
💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)
申請書には「主として取り扱う古物の区分」を選ぶ欄があります(衣類、時計・宝飾品、機械工具類など13品目)。
ここで欲張って「全部」に丸をつけると、「本当にそんな知識があるのか?盗品を見抜けるのか?」と突っ込まれ、審査が厳しくなることがあります。
まずはメインで扱うジャンルに絞って申請し、後から必要に応じて「品目追加(届出のみで手数料無料)」をするのが、スムーズに許可を取るためのスマートな戦略です。
📌 この章のポイント
- ✅ 申請から許可までは約40営業日(2ヶ月弱)かかる。逆算して早めに動くこと。
- ✅ 警察署への手数料は19,000円。不許可でも返金されない。
- ✅ 最初の申請では「取扱品目」を欲張らず、メイン商材に絞るのが審査通過のコツ。
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まとめ:リスクをゼロにして、胸を張って稼げる自分になろう
副業せどりは、再現性が高く魅力的なビジネスです。しかし、その足元には「古物営業法」という厳格なルールが存在します。「知らなかった」では済まされない法律の世界において、無知は最大のリスクです。
今回解説した通り、ネットでの新品転売の落とし穴、警察や税務署による監視網、そして賃貸物件での申請の壁など、乗り越えるべきハードルはいくつかあります。しかし、これらは正しい知識と準備さえあれば、決してクリアできないものではありません。
古物商許可証(プレート)を手にした瞬間、あなたは単なる「転売屋」から、国に認められた「個人事業主」へと進化します。その社会的信用は、将来ビジネスを法人化したり、銀行から融資を受けたりする際に、強力な武器となるはずです。
目先の数万円の手数料を惜しんでビクビクしながら過ごすか、堂々と許可を取得して長期的な繁栄を目指すか。賢明なあなたなら、どちらが正解かすでに答えは出ているはずです。
⚠️ 【警告】自己判断のリスクと「見えないコスト」
「自分でやれば無料」は間違いです。書類の不備による再申請の手間、平日に警察署へ通う時間的損失、そして何より「プロに任せれば得られたはずのアドバイス(大家交渉や品目選定)」を逃すことは、ビジネスにおいて大きなマイナスです。
【毎月3名様限定】会社設立費用を4万円安くしませんか?
いずれは副業を法人化したいと考えている方へ。
いきなり契約する必要はありません。
まずはあなたの定款案(または事業計画)に法的リスクがないか、無料の『定款診断』を受けてみませんか?
行政書士としての「法的調査」と、電子定款認証の実績に基づき、確実にコストダウンできるか正直にお伝えします。
※賢い起業家への第一歩。
※この記事を見たとお伝え頂ければスムーズです。

