
こんにちは
開業20年、古物商許可実績1000件の行政書士の小野馨です。
今回は、「副業せどりに古物商許可は必要?バレる瞬間と罰則の真実」というテーマでお話します。
ポイント
結論から言うと、利益を出す目的で物を仕入れて売るなら、副業であっても【古物商許可】は絶対に必要です。
「バレなきゃいい」「みんなやってる」…その油断が、ある日突然、警察からの電話で地獄に変わります。
無許可営業のリスクは、あなたが稼ぐ小遣い程度では到底償えないほど重いのです。
■この記事のポイント
- 不用品処分と「仕入れ転売」の法的な境界線を徹底解説
- 警察は見てる!無許可営業がバレる恐怖の瞬間とは?
- 懲役3年?「知らなかった」では済まない重いペナルティ
- 許可証という「最強の盾」を手に入れ、堂々と稼ぐ未来へ
副業せどりに古物商許可は必要?【結論】
古物商許可とは、あなたが法的に認められた「プロの商人」として活動するための、国から与えられる最強のライセンスのことです。
多くの人が誤解していますが、古物商許可が必要かどうかに「本業か副業か」は一切関係ありません。
また、「売上がいくらか」も関係ないのです。
月に1万円の利益だろうが、100万円の利益だろうが、法律の前では平等です。
重要なのはたった一つ。
ココがポイント
「転売して利益を得る意思を持って、物を仕入れた(買い取った)かどうか」。
これだけです。
この単純なルールを軽視して、無許可で営業を続けることがどれほど危険か、現場のリアルな事例をもとに解説していきます。
警察にバレる瞬間と捜査のリアル
「ネットでこっそり売ってるだけだし、警察なんて暇じゃないからバレないよ」
もしあなたがそう思っているなら、今すぐその考えを捨ててください。
断言します。
無許可営業は、ある日突然、予期せぬ形でバレます。
注意ポイント
行政書士として多くの相談を受けてきましたが、警察に発覚するパターンは主に「サイバーパトロール」と「盗品捜査」の2つです。
特に恐ろしいのが「盗品捜査(品触れ)」です。
想像してみてください。
あなたがメルカリやヤフオクで、相場より少し安い人気ゲーム機やブランド品を仕入れたとします。
「ラッキー!これで利益が出るぞ」と喜び勇んで転売しました。
しかし、もしその商品が、どこかの家から盗まれた「盗品」だったらどうなるでしょうか?
警察は、犯人が盗品をどこで換金したかを徹底的に追跡します。
そして、その商品があなたの手に渡り、さらに誰かに売られたという記録にたどり着くのです。
ある日突然、あなたの携帯電話に知らない番号(警察署)から電話がかかってきます。
「〇〇警察署の刑事課です。あなたが〇月〇日に出品した商品について聞きたいことがあります。署まで来てもらえますか?」
心臓が止まるような恐怖ですよね?
取り調べで、あなたは「盗品だとは知らなかった」と言うでしょう。
それは信じてもらえるかもしれません。しかし、警察は次に必ずこう聞きます。
「ところで、あなたは継続的に転売をしているようですが、古物商許可証を見せてもらえますか?」
この瞬間、アウトです。
盗品云々の前に、「無許可営業」という別の犯罪が現行犯で成立してしまうのです。
「趣味でやってました」という言い訳は、あなたの取引履歴を見れば一発で論破されます。私が知る限り、このパターンで検挙されるケースが後を絶ちません。
震える手で警察署のドアを叩く前に、許可を取っておくべきだったと後悔しても遅いのです。
兵庫県や大阪府などの都市部では、特に盗難事件に関連する捜査が頻繁に行われています。
あなただけが見逃されるという保証は、どこにもないのです。
懲役3年!無許可営業の重い罰則
「バレても怒られるくらいでしょ?」「始末書を書けば許してくれるよね?」
いいえ、絶対に許されません。古物営業法違反(無許可営業)の罰則は、あなたが想像している以上に重いものです。
法律(古物営業法第31条)を見てみましょう。ここにははっきりとこう書かれています。
「3年以下の懲役、または100万円以下の罰金」
これは、交通違反の青切符のような軽いものではありません。「懲役刑」がある立派な犯罪です。最悪の場合、刑務所に入ることになりますし、執行猶予がついたとしても「前科」がつきます。
(※ここに警視庁HPの「古物営業法罰則一覧」または、法律の条文が記載されたページのキャプチャ画像を貼ってください。権威性のある証拠となります)
考えてみてください。副業で月に数万円、年に数十万円稼ぐために、一生消えない「前科」のリスクを背負う価値があるでしょうか?
前科がつけば、本業の会社を解雇される可能性もあります(就業規則の懲戒解雇事由に該当することが多いです)。銀行で住宅ローンを組む際にも影響が出るかもしれません。大切な家族に、「パパ(ママ)、警察に捕まったの?」と聞かれて、あなたは顔を上げられますか?
また、ペナルティは刑事罰だけではありません。行政処分として、もし無許可営業で検挙されると、「その後5年間は古物商許可を取得できない」という欠格事由に該当してしまいます。
つまり、心を入れ替えて「ちゃんと許可を取ってビジネスをしよう」と思っても、5年間は門前払いされてしまうのです。これは、起業家として致命的な機会損失です。
「ちょっとお小遣いが欲しかっただけなのに…」
そんな後悔をしないために、法律は知らなかったでは済まされないという厳しい現実を、どうか胸に刻んでください。コストパフォーマンスで考えても、許可申請にかかる法定手数料「19,000円」をケチって、100万円の罰金リスクを負うのは、経営判断として完全に間違っています。
不用品か転売か?運命の分かれ道
「でも小野先生、家にあるいらない服をメルカリで売るのも許可がいるんですか?」
いい質問です!ここが多くの人が一番迷うポイントですよね。安心してください、ここを間違えなければ大丈夫です。
古物商許可が必要かどうかを決める最大のポイントは、「その商品を、最初から売るつもりで買った(仕入れた)かどうか」です。
わかりやすく整理するために、以下の比較表を見てください。
この表はあなたの身を守る羅針盤になります。
| ケース | 具体例 | 古物商許可 | 判定理由 |
|---|---|---|---|
| 不用品処分 (リサイクル) | 長年着ていた服、遊ばなくなった子供のおもちゃ、読み終わった本を売る。 | 不要 | 「自分で使うため」に買ったものであり、転売目的(営業の意思)がないため。 |
| せどり・転売 (ビジネス) | リサイクルショップやネットで「安く売っている物」を見つけ、利益を乗せて売るために買う。 | 絶対必要 | 「利益を出す意思」を持って買い取っているため、反復継続性が認められる。 |
| 微妙なケース (新品せどり) | 小売店(家電量販店など)から新品を買って売る。 | 原則不要 (※注意あり) | 新品を小売店から直接買う場合は「古物」に当たらない。ただし、新古品(一度誰かの手に渡った新品)は許可が必要。 |
特に注意が必要なのが、一番下の「新品せどり」です。
「新品なら許可はいらない」と教えるコンサルタントもいますが、これには大きな落とし穴があります。
例えば、あなたがネットショップで「新品未開封」として売られている商品を買ったとします。でも、そのネットショップが個人運営だったり、誰かが一度買ったものを出品していた場合、法律上はそれはもう「古物」なんです。
「新品だと思って仕入れたら、実は古物だった」
このミスでも、無許可営業のリスクを負うことになります。
だからこそ、副業で長く稼ぎたいなら、新品・中古問わず、最初から許可を取っておくのが一番安全な「保険」なのです。
あなたは大丈夫?危険度セルフチェック
- □ 「これ売れるかな?」とスマホで相場を調べながら買い物をしたことがある。
- □ 買った商品を一度も使わずに、そのままフリマアプリに出品した。
- □ 同じ商品を複数個(3個以上など)まとめて買ったことがある。
※1つでもチェックがついた方、あなたはすでに「商売」をしています。
今すぐ古物商許可の取得準備を始めてください!
古物商許可で副業を生涯の資産にする
古物商許可とは、単なる「免罪符」ではありません。それは、あなたがイチ個人から「一国一城の主(経営者)」へと進化するためのパスポートです。
前編では「逮捕」や「罰則」といった怖い話をしましたが、ここからはポジティブな未来の話をしましょう。許可を取ることで、あなたのビジネスは劇的に変わります。「コソコソ隠れてやる転売」から、「堂々と胸を張って行う事業」へ。その意識の変化こそが、長期的に稼ぎ続けるための最大の資産となります。
ここからは、多くの副業チャレンジャーが抱える「会社バレ」への不安を完全に払拭し、許可証を持つ者だけが知る「裏のメリット」、そして最短で許可を手にするための具体的なステップを行政書士の視点で完全公開します。
会社にバレる?秘密を守る申請術
「許可申請をしたら、警察から会社に電話がいったりしませんか?」
これは、私が相談を受ける副業サラリーマンの方から、ほぼ100%聞かれる質問です。
ここだけの話ですが、断言します。古物商許可を申請したからといって、警察があなたの勤務先に「〇〇さんが副業の申請をしてますが…」なんて電話をすることは絶対にありません。
警察(公安委員会)が審査するのは、あくまで「あなた個人の適格性(過去に犯罪歴がないか、住所が確定しているか)」です。あなたが昼間どこの会社で働いているかは、古物営業法上の許可要件とは無関係なのです。申請書に勤務先を書く欄すらありません(※申請者が個人の場合)。ですので、申請行為そのもので会社にバレることは物理的にあり得ないのです。
ただし、注意すべき「落とし穴」が一つだけあります。それは許可取得後、実際に利益が出た後の「住民税」です。
副業で年間20万円以上の利益が出ると確定申告が必要になりますが、その際、住民税の納付方法を「特別徴収(給料天引き)」のままにしておくと、会社の経理担当者に「あれ?この人、給料の割に住民税が高いぞ?」と怪しまれてバレます。
これを防ぐための鉄則は、確定申告書の住民税に関する項目で「自分で納付(普通徴収)」に丸をつけること。これさえ徹底すれば、会社に通知がいくことはありません。
つまり、「古物商許可を取ること」自体は会社バレのリスクゼロです。むしろ、無許可でこっそり営業して、警察沙汰になって新聞に載るほうが、会社にバレて懲戒解雇になる確率は100倍高いでしょう。秘密を守りたければ、コソコソするのではなく、堂々と法の枠組みの中で手続きを行い、税金の処理だけをスマートに行う。これが、賢い大人の副業戦略です。
(※ただし、公務員の方は法律で副業自体が原則禁止されているため、許可申請はリスクが高いです。必ず専門家にご相談ください)
信頼爆上がり!許可証の絶大な効果
古物商許可証(あの黒い手帳のような免許証)を手に入れると、あなたの世界は一変します。単に「逮捕されない」という安心感だけではありません。プロだけがアクセスできる「聖域」への扉が開かれるのです。
その最大のメリットが、「古物市場(こぶついちば)」への参加権です。
あなたは普段、どこで仕入れをしていますか?リサイクルショップ?メルカリ?それはあくまで「小売価格」に近い値段で買わされていますよね。しかし、古物商許可を持つプロたちは違います。
全国には、プロの業者しか入れない「古物市場(オークション)」が存在します。そこでは、ブランドバッグ、家電、家具、骨董品などが、一般市場価格の半値以下、時には「山積みで数千円」という驚愕の安値で取引されています。
この市場に参加するには、古物商許可証の提示が必須です。許可証を持てば、あなたは「一般消費者(カモ)」から「業者(仕入れ側)」へとポジションを移すことができるのです。ライバルが店舗で数百円の利益に苦しんでいる横で、あなたは市場で大量に安く仕入れ、数千円、数万円の利益を叩き出す。これがプロの世界です。
また、Amazonやメルカリ等のプラットフォームに対する「信用力」も段違いです。
最近、Amazonでは「真贋調査(偽物ではないかという調査)」が厳しくなり、アカウント停止祭りが発生しています。もしあなたのアカウントが調査対象になった時、「私は公安委員会の許可を受けた正規の古物商です。許可番号は〇〇です」と提示できれば、アカウント復活の可能性は飛躍的に高まります。
プラットフォーム側も、どこの誰かわからない素人より、警察の審査を通った身元の確かな業者を優遇するのは当然ですよね。
許可証は、あなたを守る「盾」であると同時に、利益を最大化する「最強の武器」でもあるのです。これを取らない手はありません。
行政書士が教える!最短申請ルート
「メリットはわかったけど、警察署に行くのは怖いし、書類も難しそう…」
そう思うのも無理はありません。
しかし、手順さえ知っていれば、古物商許可は決して難しいものではありません。
行政書士である私が、最短最速で許可を取得するための「完全攻略ルート」を伝授します。
まず、全体の流れを頭に入れてください。
標準的な処理期間(審査期間)は「約40日」です。逆算すると、今すぐ動き出せば、2ヶ月後にはあなたは古物商になっています。
A[STEP1: 要件確認] --> B[STEP2: 書類収集] B --> C{警察署へアポ}
C -->|必須| D[STEP3: 警察署で申請提出] D --> E[審査期間 約40日] E --> F[STEP4: 許可証交付]subgraph 書類収集のポイント
B1[住民票] B2[身分証明書 ※本籍地で取得] B3[略歴書] B4[誓約書] B5[URL使用承諾書 ※ネット販売時] endB --- B1
B --- B2
B --- B3
B --- B4
B --- B5
【STEP 1:書類集め(難易度:低)】
まずは役所で「住民票」と「身分証明書(破産者でないことの証明)」を取ります。
注意点は「身分証明書」は本籍地の役所でしか取れないこと。
遠方の場合は郵送請求になるので早めに手配しましょう。
【STEP 2:警察署への事前連絡(重要!)】
いきなり警察署に行ってはいけません。
必ず、あなたの営業所(自宅など)を管轄する警察署の「生活安全課」に電話をし、「古物商許可の申請をしたいので、担当者様のアポを取りたい」と伝えてください。
ここで「アポなし突撃」をすると、担当者が不在で門前払いされたり、心証が悪くなったりします。
プロとして、事前の根回しは必須です。
【STEP 3:申請・提出(手数料19,000円)】
約束の日時に警察署へ行きます。
警察署というと取調室をイメージして緊張するかもしれませんが、生活安全課の窓口は意外と事務的です。
担当官が書類をチェックし、不備がなければ手数料(証紙代)19,000円を納付して受理されます。
ここで一番聞かれるのは「何を扱うのか?」「どこで売るのか?(URL)」です。
堂々と答えられるよう準備しておきましょう。
【STEP 4:待機・交付】
申請から約40日後(土日祝除く)、警察署から「許可が下りましたよ」と電話があります。
認印を持って受け取りに行けば、晴れてあなたも「古物商」の仲間入りです!
特に注意が必要なのが、賃貸マンションを営業所にする場合の「使用承諾書」です。
最近は厳しくなっており、大家さんや管理会社から「古物営業に使っていいよ」という承諾書を求められるケースが増えています。
これが取れない場合は、実家を営業所にするか、レンタルオフィス(個室等の要件を満たすもの)を検討する必要があります。
ここは地域差(ローカルルール)が激しいので、不安な場合は地元の行政書士に相談するのが確実です。
よくある質問(FAQ)
Q. 賃貸マンションやアパートでも許可は取れますか?
A. 可能です。ただし、賃貸借契約書の使用目的が「住居専用」となっている場合、大家さんや管理会社の「使用承諾書」を求められるケースが多いです。無断で営業所にすると契約違反になるリスクもあるため、事前の確認が必須です。
Q. 申請にかかる費用の総額はいくらですか?
A. 必ずかかるのが警察署への手数料「19,000円」です。これに加え、住民票などの取得費(約2,000円程度)がかかります。行政書士に代行を依頼する場合は、別途報酬(相場4〜5万円程度)が必要ですが、手間と時間を大幅に節約できます。
Q. 副業で月に数万円の利益でも許可は必要ですか?
A. はい、絶対に必要です。古物営業法に金額の基準はありません。「利益を出す意思」を持って反復継続して取引を行えば、たとえ利益が1円でも許可が必要です。
小野馨の予言:3年後のあなたへ
今、あなたが勇気を出して古物商許可を取得し、正しい知識でビジネスを始めたとします。
3年後、あなたはどうなっているでしょうか。
会社のお給料に頼らずとも、自分の力で生み出した収益で家族旅行に行き、美味しい食事を楽しんでいるはずです。
そして何より、「いつ会社がなくなっても生きていける」という圧倒的な自信と、社会的に認められた「経営者」としての顔を持っていることでしょう。
許可証は、その未来への片道切符です。
さあ、恐れることはありません。胸を張って、こちら側の世界へ来てください。私が全力で応援します!
本記事の情報の信頼性と参照元について
当事務所では、経営者の皆様に責任ある情報を提供するため、以下の厳格な基準に基づき情報を精査しています。
- 一次情報の重視: 省庁・自治体の最新の手引き・法令・ガイドライン
- 実務家の知見: 実務歴5年以上の国家資格者・専門家による事例
- 匿名情報の排除: 運営者不明のまとめサイト等は参照していません
■ 主な参照資料・根拠法令:
- 古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)|e-Gov法令検索
- 警視庁 古物営業の手続き・申請場所一覧
- 総務省|地方税制度|個人住民税
- 各都道府県公安委員会 古物商許可申請の手引き(最新版PDF)
記事監修:行政書士 小野馨(兵庫県行政書士会所属 登録番号05300280号)

