【古物商の豆知識】メルカリで出品するには1件でも古物商許可は必要なの?
メルカリで売るためには資格が要るの?
最近ではメルカリ等のフリマアプリの利用者が急増しています。自分のものを整理する時、いらないものをメルカリ等に出品して手軽にお金をもらえる便利な世の中になりました。
このメルカリなどを利用する時、気をつけないと思わぬ落とし穴にはまることがあります。
今日は、あなたも気になっているメルカリに出品する時に古物商が要るのか?要らないのか?というお話をします。プロ行政書士として書いていきますので、とりあえず安心して見てもらいたいのですが、2つだけお願いがあります。
- 一つ目は、古物商許可が要らない前提でハスに構えて見ない!
- 二つ目は、古物商許可が要る・要らないは警察が決めるという事を理解する!
ということです。
ちゃんとお話しするので真面目に聞いてくださいね。「いいよ!真面目な話は!」という方は、どうぞ掲示板サイトへ行って下さい。
それでは、二点の注意点をお話します。
1.古物商許可が要らない前提でハスに構えてみない!
こういう法律が絡むデリケートな話をする時に、要らない前提で話をする方がいます。「私に限っては、メルカリで自分の物を売っているだけだからかまわないよね…」という問いかけです。
それ誰に言ってるんですか?と言いたくなります。
基本的に、古物商許可が要らない前提で話すとおかしくなります。メルカリで売るときに要るか要らないかはあなたが決めることではないし、要らない法律ならそもそも存在しません。
人間の脳は、自分に関係のない99%の情報をシャットアウトするといわれています。あなたが法律を見方につけて自分の身を守るには自分から法律に歩み寄りましょう。
なんせ古物の許可はだれでも取れる資格です。それに安いですからね。19,000円を出し渋って、逮捕されることが無いように聞く耳を持ってください。
2.古物商許可が要る・要らないは警察が決める!
先日のニュースでアイドルグループのチケットを高値で転売して、女性が古物営業法違反で逮捕されています。
好きなアイドルのチケットだから大丈夫!と簡単に考えていても、あなたの行為が古物商にあたるかどうか決めるのは警察です。
「なんで?こんなことで逮捕されるの?意味不明!」って怒っても後の祭りですから。今日は、メルカリの利用法と古物商許可について真面目に検討します。
なら、どれくらいまでなら資格が要らないの?
インターネットの掲示板サイトを見てると、メルカリで販売する時は要らない!
みんな(古物商の許可)がなくても楽しくフリマしてますよ!っていう無責任な回答をしていますね。
見ていて責任感のなさに少し笑いがでます。
まさかこんな掲示板に書いていることを信用して、安心して無許可の商売をする人はいないと思いますが、
古物商許可って何?行政書士に聞いてみよう!
古物商の許可はどういう時に要るの? メルカリで商品を出品する時でも、古物商許可が要るかどうか?検討する必要があります。
古物営業法第2条では
第二条 この法律において「古物」とは、一度使用された物品若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。(一部省略)
と規定されています。
つまり、中古品を買い取って売る場合などは古物商の許可が必要になります。
また、注意しなければならないことは、
使用されていない物(新品)でも古物にあたる場合があるんですよ。例えば、近所のリサイクルショップ等で新品として売られていた物を買ってきて転売するケースなどがそれです。逆に中古品でも自分が使っていた物を売る場合は、古物商許可は不要です。
判断ができないときは一度ご相談くださいね。相談は無料です。
インターネットガイドラインについて
インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン
メルカリを利用する場合にも、これは守るべきガイドラインです。以下の要件を充たすと販売業者になり、古物商許可が必要になる可能性があります。ご注意下さい。
それでは具体的なことを見ていきましょう。
●すべてのカテゴリー・商品について
- 過去1カ月に200点以上又は一時点においてて 100 点以上の商品を新規出品している場合。
- 落札額の合計が過去1ヶ月に 100 万円以上である場合。ただし、高額商品であって1点で100 万円を超えるものについては、同時に出品している他の物品の種類や数等の出品態様等を併せて総合的に判断される。
- 落札額の合計が過去1年間に 1,000 万円以上である場合
●特定のカテゴリー・商品について
- 家電製品について、「同一の商品を5点以上出品している場合」
- 自動車・バイクの「同一の商品を3点以上出品している場合」
- CD・DVD・パソコンソフトの「同一商品を3点以上出品している場合」
- ブランド品の「同一商品を20点以上出品している場合」
- インクカートリッジの「同一商品を20点以上出品している場合」
- 健康食品に該当する「商品を一時点において20点以上出品している場合」
- チケット等に該当する「商品を一時点において20点以上出品している場合」
これに該当する場合は、販売業者とみなされ、その行為は当然営業行為ですから、古物商許可が必要です。ですが、これはガイドラインであり、古物商であるかどうかは、古物営業法の規定に基づき警察で判断することになります。
自分でガイドラインをクリアしてるから「メルカリで販売しても無許可にはならないから大丈夫!」と勝手な判断をしないようにしましょう。
甘く見てると業法違反に!
インターネットやアプリなどを使用して、古物の売買を行うことで利益を上げている方の中には、現実問題として古物商の許可を取っていない方もおられます。
しかし、古物営業法では古物を取扱う古物営業を行う場合は、古物商の許可を取得しなければならないと明確に規定されています。
つまり、メルカリなどのアプリを使用して中古品などの売買をして利益を得ている場合は、個人事業主や副業で行っているとしても古物商の許可を取得しなければ、古物営業法違反として罰せられることになります。
今回の事件では嵐のチケット(チケットなどは古物の区分でいうと金券類にあたります。)を古物商の許可なしで転売していたということで、古物営業法違反に問われました。
ちなみに、最近はライブのチケットの転売防止のため、チケット自体に転売禁止の規定や入場時に本人確認等が行うことで、購入者以外の使用をできないようにする動きもありますので、古物商の許可を取得したからといって、チケットの転売ができるという訳でもありませんので、ご注意ください。
今回の事件においては、他の容疑(税金関係)などの問題が上がってくるかもしれませんが、警察側は古物営業法違反で逮捕に踏み切りました。
ビジネスをする上では法令遵守(コンプライアンス)を守ることは当然のことになりますので、自身が法律違反で罰せられることがないように、メルカリなどのスマートフォンアプリ等で中古品等の売買を行う場合は、忘れずに古物商の許可を取得しましょう。