【結論】古物商許可が必要かどうかの「境界線」はどこにある? 結論から言えば、判断の基準はたった一つ。「転売(利益)目的で、物を仕入れた(買い取った)かどうか」です。 自分の不用品を売る場合や、海外のショップから直接輸入した新品を売る場合は「許可不要」ですが、国内の店舗や個人から仕入れた場合は、たとえ「新品(未開封)」であっても許可が必要になるケースが大半です。

「メルカリで家の服を売るのは大丈夫らしいけど、リサイクルショップで買った服を売るのは?」 「新品の家電なら古物じゃないから、許可はいらないよね?」 ネット上にはこのような質問が溢れていますが、その回答の多くは「〜の場合もある」といった曖昧なものや、法律の解釈を間違えている危険なものが散見されます。 特に危険なのが「新品なら大丈夫」という誤解です。 実は、あなたが家電量販店やAmazonで「新品」として購入した商品であっても、それを転売目的で仕入れた瞬間、警察はそれを「古物(準古物)」とみなし、無許可営業として摘発する可能性があるのです。 この記事では、行政書士として数多くの古物商相談を受けてきた経験から、「メルカリ不用品処分」「海外輸入せどり」「新品転売」など、具体的かつ迷いやすいケースについて、〇か×かの明確な判定を下します。 「知らなかった」では済まされない、懲役3年のリスクを回避するための正しい知識を持ち帰ってください。
⚠️ 警告:安易に「自分用として買った」という言い訳は通用しません。警察はあなたの取引履歴や保管状況から、客観的に「転売目的」を立証してきます。
この記事でわかる4つの判定ポイント
- ✅ 判断の核は「仕入れ(買い取り)」の有無。自分の不用品ならセーフ。
- ✅ 【新品の罠】小売店から仕入れた「未開封品」は古物扱いになる理由
- ✅ 【海外輸入】海外直輸入は許可不要だが、国内代行業者を通すとアウト?
- ✅ 「自分で使うつもりだった」という言い訳が警察に通用しない証拠
承知いたしました。 それでは、記事の核心部分である最初のセクション**「H2:【図解判定】3秒でわかる!古物商許可が必要なケース・不要なケース」**の執筆を開始します。 「許可が必要かどうか」を判断するための決定的なロジックと、具体的なケーススタディを、行政書士の実務視点で徹底的に掘り下げて解説します。
【図解判定】3秒でわかる!古物商許可が必要なケース・不要なケース
「古物商許可」という言葉を聞くと、多くの人が「中古品を売る時に必要な免許」だと単純に考えてしまいます。 しかし、法律の世界はもう少し複雑であり、同時に非常にシンプルでもあります。
結論から申し上げます。あなたがこれから行おうとしている行為が、以下の「3つの要素」すべてに当てはまる場合、古物商許可が「必要(ブラック)」です。 逆に、一つでも欠けていれば、許可は「不要(ホワイト)」となります。
👮 古物商許可が必要になる「3要素の公式」
- ① 古物(法律上の古物)を扱っているか?
- ② 売買(仕入れ・買い取り)を行っているか?
- ③ 営業(利益目的・反復継続)として行っているか?
これら「全て」がYESなら、許可が必要です。
この章では、特に判断が難しい「仕入れの有無」と、多くの人が誤解している「利益目的の定義」について、具体的かつ詳細に解説していきます。
判断基準は「仕入れ」があるかどうか。利益目的でも許可不要な唯一の例外とは?
古物商許可が必要かどうかの境界線において、最も重要かつ決定的なフィルターが「仕入れ(買い取り)行為の有無」です。 ここを理解すれば、迷いの9割は解決します。
1.「売るために買った」のか、「使うために買った」のか
古物営業法の目的は、盗品が市場に流通するのを防ぐことです。 警察は、「泥棒が盗んだ物を換金しに来る場所(=古物商)」を管理したいと考えています。 つまり、あなたが誰か(他人や店)から物を「買い取る(仕入れる)」という行為をする時、そこに盗品が混ざるリスクが発生するため、許可が必要になるのです。
逆に言えば、「仕入れ」が発生していない取引には、原則として許可は不要です。 これが、いわゆる「不用品処分」が許可不要とされる理由です。
2.【例外】100万円の利益が出ても許可がいらないケース
「利益が出たら商売だから許可がいるんでしょ?」 これは半分正解で、半分間違いです。 たとえ莫大な利益が出たとしても、「自分の所有物を売却する行為」であれば、古物商許可は不要です。
例えば、あなたが10年前に趣味で定価2万円で購入した「ヴィンテージジーンズ」が、現在の市場価値で50万円に跳ね上がっていたとします。 これをヤフオクで売って48万円の利益を得たとしても、これは単なる「私物の売却」であり、古物営業(ビジネス)ではありません。 購入時の動機が「自分が履くため(自己使用目的)」だったからです。 この取引を何度繰り返しても(例えば、コレクションしていたスニーカー100足を断捨離で全部売るなど)、購入時の意思が「コレクション(自己使用)」であれば、許可は不要なのです。
しかし、ここに落とし穴があります。 「最初から転売するつもりだったのに、自分用だと偽るケース」です。 「サイズが合わなかった」「イメージと違った」という言い訳で、毎月何十点も新品同様の商品を売り続けていれば、警察はそれを「隠れみのの営業」と認定します。 「利益目的」とは、単に結果として利益が出たことではなく、「購入段階において、転売して利益を得る意思(転売意思)があったかどうか」で判定されるのです。
3.無償(タダ)なら「仕入れ」ではない
もう一つの重要な視点は「対価性」です。 古物商許可が必要なのは、古物を「買い受ける(お金を払って仕入れる)」場合、または「交換する」場合です。 つまり、知人から「タダでもらった」、あるいはゴミ捨て場で「拾ってきた」物を修理して売る場合、そこに「仕入れ代金」は発生していません。 泥棒がお金を払わずに盗んだ物を持ち込むリスクはあれど、古物商側がお金を払っていない以上、盗品流通の経済的メリットが発生しにくい(泥棒は金が欲しいから盗む)ため、法の規制対象外となっているのです。 ただし、タダ同然であっても、缶ジュース一本でも謝礼を渡したり、数百円でも支払ったりすれば、それは立派な「買い取り」となり、許可が必要になる可能性があります。
【一覧表】「メルカリ・海外輸入・タダで譲受」の〇×判定リスト
理論が分かったところで、具体的なシチュエーション別の判定を見ていきましょう。 ここでは、相談が多い事例を「ホワイト(不要)」「ブラック(必要)」「グレー(要注意)」の3段階で判定しました。 ご自身のビジネスモデルがどこに当てはまるか、指差し確認してください。
| 判定 | ケース(取引内容) | 行政書士の解説・根拠 |
|---|---|---|
| ⭕ 不要 (ホワイト) | 自分の不用品を売る (メルカリ・ヤフオク) | 理由:仕入れ(営業目的の購入)がないため。 「サイズが合わなくなった服」「読み終わった本」「子供が遊ばなくなったおもちゃ」を売る行為は、何万回繰り返しても許可不要です。 |
| ⭕ 不要 (ホワイト) | 無償で貰った物を売る | 理由:対価を伴う受取(買い取り)ではないため。 友人からタダでもらった家電や、河川敷で拾った流木を加工して売る場合など。仕入れ値が0円(対価なし)であれば、許可は不要です。 |
| ⭕ 不要 (ホワイト) | 海外直輸入の販売 (新品・中古問わず) | 理由:日本の古物営業法の管轄外。 海外の店舗やバイヤーから直接買い付ける場合、日本の警察の管轄外(盗品捜査が及ばない)であり、かつ日本の盗品が海外経由で戻ってくる可能性が低いため、除外されています。 ※ただし、日本の輸入代行業者を通すと「国内仕入れ」になり許可が必要になるケースがあります。 |
| ⚠️ 注意 (グレー) | ハンドメイド販売 (リメイク) | 材料の調達方法による。 ・手芸店で新品の布を買って作ったバッグ ⇒ 不要 ・古着屋で着物を安く買い、リメイクして売る ⇒ 必要 「材料」として中古品を仕入れている場合、加工しても元の素材(古物)の性質が残っていれば許可が必要になります。 |
| ❌ 必要 (ブラック) | 転売目的での購入 (せどり) | 理由:営利目的での古物の買い取りに該当。 リサイクルショップ、ヤフオク、メルカリ等で「安く買って高く売る」ために購入した時点でアウトです。たとえ1回だけでも、継続の意思があれば「営業」とみなされます。 |
| ❌ 必要 (ブラック) | 代理販売(委託販売) | 理由:古物の売買の「委託」を受ける行為に該当。 商品を買い取らず、預かって売れたら手数料をもらうモデルであっても、古物営業法第2条第2項第2号(委託売買)により、許可が必須です。 |
この表を見て、「自分はホワイトだ」と確信できた方は、安心して取引を続けてください。 しかし、「ブラック」または「グレー」に該当した方は、無許可営業のリスクに直面しています。 特に注意が必要なのが、次の章で解説する「新品せどり」です。 「新品なら古物じゃないから大丈夫」という理屈は、実は法律的には通用しない危険な罠なのです。
📌 この章のポイント
- 「不用品処分(自分の物)」と「無償譲受(タダ)」は、何度繰り返しても許可不要。
- 海外から「直接」輸入する場合は、中古品であっても許可不要。
- 国内で「売るために買う(仕入れ)」行為をした瞬間、許可が必要になる。
許可が「必要」な具体的取引パターン(ここは絶対アウト)
ここでは、警察が「これは明らかに古物営業である」と判断する典型的なパターンを解説します。 もしあなたが以下の行為を行っている、あるいは行う予定であれば、許可証なしに続けることは「無免許運転」と同じ状態です。
転売目的(せどり)での購入・仕入れは1回でもアウトの可能性
古物商許可が必要となる核心的な要件は、「転売(利益)を得る目的で、物を買い取る(仕入れる)」という意思の有無です。 この「意思」があれば、実際に売れたかどうかに関わらず、買い取った時点で古物営業法違反(無許可営業)の構成要件を満たす可能性があります。
よくある誤解に「1回だけなら営業じゃない(反復継続性がない)」というものがあります。 確かに、たまたま魔が差して1回だけやってしまった…という程度であれば、警察も「業(なりわい)として」とは認定しにくいでしょう。 しかし、今の時代、ネット上には「継続の意思」がログとして明確に残ります。
例えば、あなたがメルカリで「転売用」のアカウントを作成し、商品を一つ仕入れたとします。 たとえ取引がまだ1回だけであっても、プロフィールに「これからどんどん出品します!」と書いてあったり、同じ種類の商品の仕入れ予約をしていたりすれば、それは「反復継続して行う意思がある」とみなされ、立派な「営業」となります。 「まだ儲かっていないから」「始めたばかりだから」という言い訳は、無免許運転で「まだ事故を起こしていないから大丈夫」と言っているのと同じで、法的には通用しません。
委託販売・レンタル業・部品取り(分解販売)も許可対象です
「買い取って売る」という単純な転売以外にも、許可が必要なビジネスモデルがあります。
- 委託販売(代理販売): 「商品を預かって、代わりに売ってあげる。売れたら手数料を20%もらう」というモデルです。 これは商品を買い取ってはいませんが、古物営業法第2条第2項第2号の「古物の売買の委託を受けて売買を行う営業」に該当し、許可が必須です。 古着屋の委託コーナーや、ブランド品の代理出品サービスがこれに当たります。
- 古物レンタル業: 中古の家電や家具、着物などを買い取って、それを「売る」のではなく「貸し出す(レンタル)」ビジネスも、古物商許可が必要です。 「古物の貸付け」も法律上の規制対象だからです。 ただし、自社で新品として仕入れたものをレンタルする場合(新品レンタル)は許可不要です。
- 部品取り(分解販売): 動かないジャンク品のパソコンやバイクを仕入れ、バラバラに分解して「パーツ(マザーボードやエンジン)」として売る場合。 「元の形をとどめていないから古物じゃない」と主張する人がいますが、これは通りません。 古物の一部もまた古物であり、そもそも仕入れの段階で「古物(ジャンク品)」を買い取っているため、許可が必要です。
【深掘り】「新品せどり」の危険地帯!問屋仕入れ(OK)と小売店仕入れ(NG)の決定的な違い
ここが今回の記事で最も重要なパートです。 多くのせどり実践者が「新品だから許可はいらない」と信じて行っている行為が、実は違法である可能性が高いという現実をお伝えします。
古物営業法における「古物」の定義(第2条第1項)には、こう書かれています。 「一度使用された物品、若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの」
前半の「一度使用された物品」は簡単です。いわゆる中古品です。 問題は後半の「使用されない物品(=新品・未開封)で、使用のために取引されたもの」という部分です。 これは、行政書士の実務用語で「新古品(しんこひん)」や「準古物(じゅんこぶつ)」と呼ばれます。
この条文が意味すること。それは、「消費者の手に一度でも渡った物は、たとえ箱を開けていなくても古物とみなす」ということです。
ここで、あなたの仕入れルート(どこから買ったか?)が決定的な意味を持ちます。
- ✅ 許可不要:メーカー・問屋からの仕入れ(一次流通)
- メーカーや卸問屋から直接仕入れる場合、その商品はまだ「消費者の手(使用のための取引)」を経由していません。 これは商流上の「一次流通」であり、この段階の商品は純粋な「新品」です。 したがって、問屋から仕入れて売るビジネスには、古物商許可は不要です。
- ❌ 許可必要:小売店・ネットショップからの仕入れ(二次流通)
- ここが落とし穴です。 家電量販店、デパート、Amazon、楽天、街のおもちゃ屋。これらはすべて「小売店」であり、消費者に対して「使用させるために」商品を販売している場所です。 あなたが転売目的であったとしても、小売店から購入した瞬間、その商品は法的に「使用のために取引された物品(=古物)」へと変化します。 警察庁の解釈やパブリックコメントにおいても、「小売店から購入した商品は、たとえ新品未開封であっても古物に該当する」という見解が示されています。 つまり、「ドン・キホーテで新品のゲーム機を買って転売する」「Amazonのセールで新品家電を買って転売する」という、いわゆる「店舗せどり」「電脳せどり(小売店仕入れ)」は、古物商許可が必要な取引に分類されるのです。 「新品として売られているから新品だ」というのは一般人の感覚ですが、法律のプロ(警察)の感覚は「小売店からレシートを貰って買った時点で、それはもう古物だ」となります。 この解釈を知らずに無許可で大量の「新品せどり」を繰り返していると、ある日突然、無許可営業で摘発されるリスクがあることを強く認識してください。
💡 行政書士の現場メモ(究極のホワイト化戦略)
もしあなたが本気で「許可なしで新品ビジネス」をしたいなら、小売店(Amazonやヨドバシ)で買うのをやめて、「メーカー直取引」や「卸サイト(Netseaなど)」を利用してください。 卸業者からの請求書があれば、それは正真正銘の「新品仕入れ」と証明でき、古物商許可は不要になります。 逆に、Amazonの購入履歴しかない状態で「これは新品ビジネスです」と警察に主張しても、通らない可能性が極めて高いのが現実です。
📌 この章のポイント
- 「1回だけ」でも、継続の意思が見えれば無許可営業になる。
- 委託販売やレンタル業も、古物を扱うなら許可必須。
- 【最重要】小売店(Amazonや量販店)で買った物は、未開封でも「古物」扱い。許可が必要。
承知いたしました。 それでは、多くの読者が「本当に大丈夫かな?」と不安を感じているホワイトゾーンについて、**「H2:許可が「不要」な具体的取引パターン(これはセーフ)」**を執筆します。 なぜこれらは許可がいらないのか? その**「法的な理由(リーガルマインド)」**をしっかりと解説することで、読者に安心感を与えます。 (各H3、600文字以上のボリュームで詳細に記述します)
許可が「不要」な具体的取引パターン(これはセーフ)
前の章では「許可が必要なケース(ブラック)」について厳しい話をしましたが、ここでは「堂々と無許可で行って良いケース(ホワイト)」について解説します。
古物営業法は、あらゆる中古品の売買を規制しているわけではありません。 法の目的(盗品流通の防止)に照らし合わせて、「規制する必要がない」と判断される取引については、除外規定が設けられています。 ここに含まれる行為であれば、たとえ売上が100万円を超えようが、毎日取引しようが、許可証は不要です。
自分の不用品(自己使用目的で購入)を売るなら、継続しても商売ではない
これが最も一般的で、かつ最も相談が多いケースです。 「引っ越しで家具を全部売りたい」「昔集めたフィギュアを大量に処分したい」といった場合、その規模が大きくても、回数が多くても、古物商許可は不要です。
1.「営業」の定義における「営利目的」の欠如
古物商許可が必要となる「営業」とは、「利益を出す目的で、反復継続して行うこと」です。 ここで言う「利益を出す目的」とは、「仕入れの段階(入り口)」で判定されます。
あなたが自分の服や本を買った時、それは「自分で着るため」「自分で読むため」に定価でお金を払ったはずです。 この時点で、あなたの目的は「消費(自己使用)」であり、「転売(営利)」ではありません。 その後、数年が経って「もう要らないから売ろう」となった時、結果的にプレミアがついて高く売れたとしても、それは単なる「私有財産の処分」に過ぎません。 ビジネス(商売)として仕入れたわけではないため、古物営業法の規制対象外となるのです。
2.「継続性」があっても大丈夫な理由
「でも、毎日メルカリに出品していたら『業(なりわい)』とみなされるのでは?」 という不安を持つ方がいますが、出品物がすべて「純粋な不用品」である限り、継続性は問題になりません。
例えば、遺品整理や「汚部屋」の片付けなどで、数ヶ月にわたって毎日10品ずつ出品し続けるようなケース。 外形的にはリサイクルショップのように見えますが、その商品の出処が「自宅の押し入れ」であり、「転売のために他から仕入れたもの」が一品も混ざっていなければ、何千回取引してもセーフです。 警察が摘発するのは、あくまで「転売用商品を仕入れて売る行為」であって、「家のゴミを売る行為」ではありません。
3.ただし「カモフラージュ」は絶対に見抜かれる
この「不用品処分ならOK」というルールを悪用し、転売ヤーが「これは全部自分用でした」と嘘をつくケースが後を絶ちません。 しかし、これはすぐにバレます。 警察は、あなたの主張(主観)ではなく、客観的な事実を見ます。 「自分用と言っているが、サイズ違いの新品スニーカーが20足ある」「未開封のゲーム機が同じ日に5台売られている」 こうした矛盾があれば、たとえ「観賞用でした」「配る用でした」と言い訳しても、「社会通念上、自己使用とは認められない」と断定され、無許可営業として検挙されます。 「不用品」という言葉を免罪符にできるのは、本当に不用品である場合だけだと肝に銘じてください。
無償(タダ)で貰ったもの・拾ったものを売る場合(対価性の欠如と盗品リスク)
次に、仕入れ値が「0円」のケースです。 友人からタダでもらった服、川で拾った流木、山で拾ったどんぐり、0円で譲り受けた廃車。 これらを修理・加工して販売するビジネスは、古物商許可が不要です。
1.法の抜け穴ではなく「論理的帰結」
なぜタダなら許可がいらないのでしょうか? それは、古物営業法第2条における古物営業の定義が、「古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業」となっているからです。
ここで言う「売買」とは、民法上の定義通り「金銭(対価)を払って財産権を移転すること」を指します。 つまり、「買い取り(金銭の支払い)」が発生していない取引は、古物営業法の前提条件を満たさないのです。 また、古物営業法の目的である「盗品流通の防止」の観点からも説明がつきます。 泥棒は「換金(お金を得ること)」を目的に物を盗みます。 もし、古物商が「0円でしか引き取らない(タダで貰うだけ)」のであれば、泥棒はそこへ盗品を持ち込みません(儲からないから)。 したがって、無償譲受(タダでもらう)取引には、盗品が紛れ込む経済的インセンティブが働かないため、警察が厳しく規制する必要がないのです。
2.「お礼」は対価になるか? 危険な落とし穴
ここで注意が必要なのが、「実質的な対価」の存在です。 「タダでもらうのは悪いから、お礼にランチをご馳走した」「交通費として1,000円渡した」「缶ビール1ケースと交換した」 この瞬間、その取引は「無償」ではなくなり、「有償契約(交換・買い取り)」へと変化します。
金額の多寡は関係ありません。1円でも、物品でも、何らかの経済的価値を提供して古物を手に入れた場合、それは「仕入れ」とみなされます。 「0円仕入れ転売」を謳うビジネスをするなら、徹底して「対価ゼロ」を貫く必要があります。 相手に気を使って謝礼を渡した瞬間に、あなたは無許可の古物商になってしまうリスクがあることを知っておいてください。
3.「拾ったもの」の所有権問題
ちなみに、「拾ったもの」を売る場合、古物商許可は不要ですが、別の法律(刑法)に注意が必要です。 海や川の流木は基本的に所有者なし(無主物)として拾っても問題ありませんが、私有地の石や植物、あるいは道路に落ちている財布などは、勝手に持ち帰ると「遺失物横領罪」や「窃盗罪」になります。 許可がいらないからと言って、何でも拾って売っていいわけではない点には注意しましょう。
【海外輸入】海外のショップから直接買った「新品」を売るなら許可不要(法の属地主義)
最後に、近年人気の「輸入転売ビジネス」における特例的な扱いについて解説します。 結論から言うと、「海外の店舗やセラーから、直接買い付けた商品」を日本で売る場合、それが新品だろうが中古だろうが、古物商許可は不要です。
1.日本の法律は日本国内にしか適用されない(属地主義)
これは「法の適用範囲」の問題です。 日本の古物営業法は、日本の領土内における取引の安全を守るための法律です。 あなたがアメリカのeBayや、フランスのアンティークショップから商品を買うとき、その「買い取り行為(仕入れ)」が行われている場所は外国です。 日本の警察権は外国には及びません。 したがって、「海外での買い付け行為」には日本の古物営業法が適用されないため、許可が不要となるのです。
また、実質的な理由としても、「海外で流通している盗品が、わざわざ日本に持ち込まれて売られる可能性は低い」 「仮に海外の盗品だったとしても、日本の警察が捜査して持ち主に返すことは困難(管轄外)」という背景があります。 そのため、仕入れ元が「海外」である限り、それは古物営業法の規制対象外(輸入販売業)として扱われます。
2.【超重要】「輸入代行」を使うとブラックになる罠
ここで多くの輸入プレイヤーが陥る致命的なミスがあります。 それは、「日本の輸入代行業者」を利用してしまうケースです。
- ケースA(許可不要): あなたが英語を使って海外サイトで購入し、配送だけ「転送業者(配送代行)」に依頼した。 ⇒ 売買契約は「あなた vs 海外セラー」なので、海外仕入れ(OK)。
- ケースB(許可必要): 日本の代行業者(Buyeeなど)のサイトで注文し、その業者が海外商品を買い付け、あなたに売った。 ⇒ 売買契約は「あなた vs 日本の業者」になります。 この場合、あなたは「日本国内の業者から(輸入された商品を)仕入れた」ことになるため、国内取引扱いとなり、古物商許可が必要になります。
つまり、代行業者を単なる「運び屋」として使うならセーフですが、「購入代理店(セラー)」として使うとアウトになります。 「海外輸入だから大丈夫」と高を括っていると、この商流の違いで足元をすくわれます。 インボイス(仕入れ明細)の発行元が「海外の会社」になっているか、必ず確認してください。 もし発行元が日本の代行会社になっていれば、それは国内仕入れです。
💡 行政書士の現場メモ(輸入ビジネスの注意点)
「海外仕入れなら許可不要」というのは事実ですが、私は顧問先には「それでも許可は取っておきましょう」とアドバイスしています。 なぜなら、ビジネスが拡大すると、どうしても「国内での買取」や「お客様からの下取り」をしたくなるタイミングが来るからです。 また、Amazonなどのプラットフォームでは、出品アカウントの信頼性を証明するために古物商許可番号の入力を求められることが増えています。 「法的に不要」であることと、「ビジネス上の信用として持っておく」ことは別問題です。19,000円で取れる社会的信用と考えれば、取っておいて損はありません。
📌 この章のポイント
- 自分の不用品は、何度売っても「商売(仕入れ)」ではないので許可不要。
- タダ(0円)で入手したものには、盗品リスクがないため許可不要。ただし謝礼はNG。
- 海外直輸入は許可不要だが、日本の代行業者を通すと「国内仕入れ」になり許可が必要。
承知いたしました。 それでは、記事のクライマックスとなる**「H2:最も危険な「グレーゾーン」と無許可営業のリスク」、そして「まとめ」と「CTA」**を執筆し、全工程を完了させます。 多くの転売ヤーが頼りにしている「言い訳」がいかに脆く、警察の捜査能力がいかに高いかを論理的に解説し、読者を「正規の許可取得」へと導きます。
最も危険な「グレーゾーン」と無許可営業のリスク
ここまで、白と黒の境界線について解説してきました。 しかし、現実のビジネスには「グレーゾーン」が存在します。 そして、無許可営業で摘発される人の多くは、このグレーゾーンを「自分に都合よく解釈」して、崖から落ちてしまいます。
ここでは、警察署での取り調べ対応も熟知した行政書士として、警察がどのようにして「クロ(有罪)」を認定するのか、その裏側を暴露します。
【深掘り】「自分で使うつもりだった」は通用する?警察が「転売目的」と認定する客観的証拠
無許可で転売を行っている人が、警察に指摘された際に必ず口にする言葉があります。 「これは転売目的で仕入れたのではありません。自分で使おうと思って買ったけど、不要になったから売っただけです(=不用品処分です)」
この主張が通れば、前述の通り許可は不要になります。 しかし、警察はこの言い訳を何百回、何千回と聞かされています。 彼らはあなたの頭の中にある「主観(つもり)」ではなく、目の前にある「客観的証拠(事実)」を積み上げて、あなたの主張を崩しにかかります。
具体的に、警察は以下のポイントを見て「最初から転売目的だった(営利性あり)」と認定します。
- ① 数量とサイズの不自然さ
- 「自分用」と主張するには、常識的な個数である必要があります。 例えば、あなたが独身男性だとして、同じデザインのレディースの服をサイズ違い(S・M・L)で合計50着持っていたらどうでしょうか? 「全部自分で着るつもりだった」という弁明は、物理的に不可能です。 スニーカー転売でも同様です。自分の足のサイズが27cmなのに、24cmから29cmまでのスニーカーを箱積みしていれば、それは明らかに「商品在庫」とみなされます。
- ② 保管状況とタグの有無
- 「買ってみたけど気に入らなかった」という理由なら、一度は箱から出し、試着や使用の痕跡があるはずです。 しかし、押収された商品がすべて「新品未開封」「タグ付き」「購入時の段ボールのまま」であれば、それは使用する気が最初からなかった(=右から左へ流すつもりだった)強力な証拠になります。 警察は家宅捜索(ガサ入れ)で、部屋の状況を写真に撮り、「これは生活用品ではなく在庫置き場ですね」と調書に記録します。
- ③ 取引の頻度と期間
- 不用品処分であれば、引っ越しや断捨離の時期に出品が集中し、いずれ終わります。 しかし、1年を通じてコンスタントに、毎日数点ずつ出品され、売れたらすぐに新しい商品が入荷されている(仕入れと販売のサイクルが回っている)場合、それは「事業」です。 警察はメルカリやヤフオクの運営会社に照会をかけ、過去の全取引データを洗い出します。 「月に30万円の売上が1年間続いている。これが不用品処分なわけがない」と数字で詰められたら、もう逃げ場はありません。
つまり、「自分で使うつもりだった」という言い訳は、「誰がどう見ても自分用に見える状況」でなければ通用しないのです。 転売ヤーとしての実態がある限り、警察の論理構成から逃げ切ることは不可能です。
無許可営業の罰則は「懲役3年」。バレるきっかけは通報?
「でも、どうせバレないでしょ?」 そう思っているなら、認識を改めてください。 古物商の無許可営業に対する罰則は、交通違反のような「青切符(反則金)」レベルではありません。
1.懲役3年以下の懲役 または 100万円以下の罰金
これは、古物営業法第31条に定められた最も重い罰則です。 「3年以下の懲役」ということは、最悪の場合、刑務所に入る可能性があるということです。 初犯であれば罰金刑(略式起訴)で済むこともありますが、それでも数十万円の罰金を支払い、「前科(ぜんか)」がつきます。 さらに恐ろしいのは、一度でも古物営業法違反で処罰されると、その後5年間は古物商許可を取得できなくなる(欠格事由)ことです。 つまり、ビジネスを拡大しようと思った時にはもう手遅れで、5年間は業界から退場させられるのです。
2.なぜバレるのか? 3つの発覚ルート
警察は暇ではありませんが、情報は向こうからやってきます。
- ① 同業者からの通報(チクリ): これが最も多いパターンです。あなたが安値で商品を独占したり、荒稼ぎしているのを見て、面白くないと思ったライバル(競合転売ヤー)が、「こいつ無許可でやってますよ」と警察やプラットフォームに通報します。 古物商許可番号をプロフィールに載せていないアカウントは、格好の標的です。
- ② 購入者とのトラブル: 「偽物を掴まされた」「商品が届かない」といったトラブルが起き、購入者が警察に被害届を出します。 警察が捜査のために販売者を特定した際、その販売者が無許可だと判明すれば、詐欺罪だけでなく古物営業法違反もセットで立件されます。
- ③ サイバーパトロール: 各都道府県警のサイバー犯罪対策課は、AIやツールを使ってネット上の不審な取引を監視しています。 特に「新品」「未開封」などのキーワードで大量出品しているアカウントや、高額なブランド品を扱っているアカウントは自動的にマークされています。
「みんなやってるから」は通用しません。 ある日突然、自宅に警察がやってきて、在庫とパソコンを押収される。 そのリスクを背負ってまで、19,000円の手数料をケチる意味はあるのでしょうか?
まとめ:19,000円の「許可証」は、あなたを守る最強の防具
長くなりましたが、結論はシンプルです。 「少しでも利益を得るために仕入れをするなら、迷わず許可を取れ」ということです。
🏁 行政書士の最終判定
- ✅ 不用品処分・海外直輸入は「許可不要」
(堂々とやってOK)
- ✅ 国内仕入れ・せどりは「許可必須」
(新品・中古問わず、仕入れた時点でアウト)
- ✅ 迷うくらいなら取っておくのが正解
(取得費用は経費になるし、社会的信用も手に入る)
古物商許可は、決して難しい資格ではありません。 試験もなく、書類さえ整えれば誰でも(前科等がなければ)取得できます。 たった一度の手続きで、逮捕の恐怖から解放され、堂々と「古物商」としてビジネスができる。 これほどコストパフォーマンスの良い投資は他にありません。
「自分はグレーかもしれない…」と冷や汗をかいたあなた。 今すぐ、ホワイトな側へ渡ってきてください。
【無料診断】あなたのビジネスに「許可」は必要?
「自分の仕入れルートだと、ギリギリ不要かもしれない…」 「新品せどりをやっていたけど、今から許可を取れば間に合う?」 そんな不安を抱えている方は、一度専門家にご相談ください。 当事務所では、あなたの現状(仕入れ先・取引頻度)をヒアリングし、「許可が必要か不要か」を無料で明確に診断いたします。 もし必要であれば、最短ルートで許可を取得し、過去の取引についても警察にどう説明すべきかアドバイスします。 手遅れになる前に、プロの盾を手に入れませんか?
※「記事を読んだ」とお伝えいただければスムーズです。 ※秘密厳守。警察への通報などは一切行いません。

